解析ジャーナル

モンゴ流とスカルプDはどっちが買いか?

モンゴ流とスカルプDはどっちが買いか?

似た者同士? スカルプ系シャンプーで異彩を放つ2つのシャンプーを比較。

どちらもスカルプ系であり、盛りだくさんの成分、という似た特徴をもつ2つのブランドを比較しましょう。

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今回はあえて似てるタイプ同士、比較的ドライタイプのスカルプ向きを想定しているシャンプー同士を比較してみます。モンゴ流シャンプーEXと、スカルプDシャンプードライの2つで見てみましょう。

洗浄剤の比較

モンゴ流はアミノ酸系ラウロイルメチルアラニンNa+非イオン界面活性剤ラウリン酸ポリグリセリル-10に、オレフィンスルホン酸Naを添加。これが基礎となっています。加えて、微量のペリセア、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、ココイル加水分解コラーゲンKといった構成です。

スカルプDは、ラウロイルアスパラギン酸Na、スルホコハク酸ラウリル2Na、ラウラミドプロピルベタイン、ココイル加水分解ケラチンK、ココイルグルタミン酸TEA、ラウロイルメチルアラニンNa+ペリセアという構成。

どちらもかなり複雑に見えるベース構成ですよね。共通するのはアミノ酸系ベースであること、ペプチド系洗浄剤を添加しているところ、両性界面活性剤での粘度・泡質調整をしているところ、さっぱり感です。

いずれのシャンプーも、アミノ酸系のわりにさっぱり感が出るように泡切れの良い素材を多く導入しています。泡切れが悪いとベタつきを感じますからね。使用感はわりと心地よいものといえるでしょう。

洗浄剤の刺激は、どちらもあまり心配ありません。洗浄剤自体のマイルドさもありますが、ペリセアの影響でさらにマイルドになっている点、非イオン界面活性剤の効果でさらに刺激緩和されている点で安心感がとてもあるシャンプーといえます。

洗浄力では、若干モンゴ流のほうが強め、スカルプDはわずかに控えめといった印象です。

泡立ちはどちらも体感できるレベルでの差はなさそうですね。

スカルプケア能力の差はある?

次に、肝心のスカルプケア能力の差についてです。

モンゴ流は、基本ものすごい数の植物エキスを軸にしたスカルプケア。ただ、γ-ドコサラクトン、浸透性コラーゲン、PPG-3カプリリルエーテル、ケラチン、キトサンなどでヘアケア能力もなかなか高い。シリコーン系シャンプーばりに潤滑性を残すような能力を持ちます。

スカルプDは殺菌作用、抗炎症作用の高い成分を有効成分を中心に、やはり植物エキスとセラキュート、セラミド、さらにヘアケア成分として低分子量ケラチン、ケラチン、キトサン、シルクなども配合。スカルプDも案外、ダメージヘア補修力もそこそこあるタイプですね。どちらもクール感を与えるメントールなどを配合していますが、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコールの影響でスカルプDの清涼感のほうが持続性が高いでしょう。最初にガツンとくるのはモンゴ流かもしれませんが、じわじわと清涼感が続くのはスカルプDのようです。

スカルプケア能力ですが、よりスカルプケアに注力しているのはモンゴ流だな、と思いました。

どちらも、似たようなアプローチではあるのですが、成分のチョイスや効果の大きさなどを勘案すると、期待値が高いのはモンゴ流です。共通して含まれる女性ホルモン様作用に加えて、皮脂コントロール力、素材のバリエーションの多さ、より効果的に設計されている、というような観点から、モンゴ流により期待がかかりますね。

もちろん、このシャンプーだけでなく、トニックなど総合的に見ると結果は変わってくるかもしれませんが、あくまでシャンプーだけで比較するとそんな感じです。

具体的には、モンゴ流には豆乳発酵液のさらに乳酸桿菌培養バージョンが入っていたり、サジーオイルが加わるなど、単に女性ホルモン系の効能だけでも一枚上です。ここに、柿タンニンやベルゲニアリグラタ根エキスのような収斂成分やら、ユッカグラウカ根エキスのようなインディアン系成分、吸収力を高めた亜鉛、人工皮膚素材カルボキシメチルキトサンサクシナミドによる高品質で安全な皮膜形成能など、1つ1つの能力がスカルプDよりも一枚上という感じ。

もちろん、スカルプDにも同じような効能は見受けられますし、セラキュートの配合などは肌にも髪にもハリをもたらして優れた効果を与えるでしょう。しかし、スカルプケアという面でやや凡庸な手法に終始している感は否めず、モンゴ流の創意工夫ぷりを見たあとでは明らかに物足りなさを感じます。

これは、大きな差があるわけではなく、体感がわかるかどうか微妙、というレベルですが、少なくとも長い目で見ればどんどん差が出てくるところでしょう。スカルプケア自体、長期で見ていく必要がありますからね。

毛は生えるのか?

さて、スカルプケアという表現で遠回しに言っていましたが、ほとんどのユーザーが望むことはズバリ、毛が生えるのか?というところに収斂していくと思います。

毛が生えたり、太くなったり、そういう効果があるのか、という部分ですね。

これについては、どちらのシャンプーもそこまでの期待はしづらいというのが本音です。

たしかに、女性ホルモン的な効果で男性ホルモンの活動を抑制できるので、AGA原因の方に多少効果が出る可能性はありますが、直接的に毛髪の成長、発毛を促すような成分が配合されている、というものではありません。

つまり、薬にはならないということです。

効果は緩い感じのがじわっと一時的に広がる、なので長く使い続けると、もしかしたら効果があるかもしれない、というものです。それが悪いというのではなく、そもそもシャンプーに育毛を期待した場合の標準的なレベルと言えます。

どちらかを選べ、と言われたら、筆者ならモンゴ流です。

どっちが買い?

さて、値段もほとんど同じ、作りもとても似たもの同士の2つのシャンプーを比べてきました。

どちらも良いシャンプーには変わりませんし、値段なりのクオリティは備えている、という点は評価に値するものでしょう。

どちらもスカルプ系でありながら、高度なヘアケア機能を持つことも驚きでした。

モンゴ流はコラーゲン、スカルプDはケラチンの浸透力のある素材が使われ、スカルプDは髪自体のハリ・コシを高める効果が、モンゴ流はより頭皮の活力を高めるような効果が見込めることがわかります。

これは、どちらが買いかというと好みの領域になってしまう部分も多いかと思います。

ただ、筆者はモンゴ流です。

理由は、より頭皮に有益な成分が多いこと。スカルプDの殺菌成分、ピロクトンオラミンはいらないな、と思うことです。

有益な成分については前述したとおりですが、殺菌成分ピロクトンオラミンについては、これは殺菌剤としてはかなり強いタイプですので、善玉菌にも影響してしまう懸念があります。

善玉菌が減れば、肌バリア産生能力が低下しますし、皮膚炎の遠因にもなりかねません。

もちろん、現在脂漏性皮膚炎などで悩んでいる方には有効ですが、そうでないなら不要とみます。

そんなこんなで、バランス、能力、スカルプケア効果、欠点の少なさなどを勘案し、軍配はモンゴ流。

全成分[モンゴ流シャンプーEX]水、ラウロイルメチルアラニンNa、ラウリン酸ポリグリセリル-10、デシルグルコシド、コカミドメチルMEA、オレフィン(C14-16)スルホン酸Na、コカミドMEA、グリセリン、エタノール、ポリクオタニウム-10、ココイルメチルタウリンNa、ラウラミドプロピルヒドロキシスルタイン、コカミドプロピルベタイン、ココイル加水分解コラーゲンK、ジラウロイルグルタミン酸リシンNa、ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)、γ-ドコサラクトン、イソステアロイル加水分解コラーゲンAMPD、PPG-3カプリリルエーテル、ポリグルタミン酸、加水分解ケラチン、PEG-60水添ヒマシ油、グリチルリチン酸2K、グルコン酸亜鉛、グルコン酸銅、アスパラギン酸Mg、イラクサ葉エキス、セイヨウイラクサ葉エキス、ユッカグラウカ根エキス、ヒポファエラムノイデス果実油、シスタンケツブロサ茎エキス、マグワ根皮エキス、グアバ葉エキス、ゲンチアナ根エキス、カキタンニン、ワレモコウエキス、センブリエキス、カンゾウ根エキス、ホホバ種子油、ビワ葉エキス、チョウジエキス、ヤエヤマアオキ果汁、乳酸桿菌/豆乳発酵液、クロレラエキス、クズ根エキス、オウゴン根エキス、ベルゲニアリグラタ根エキス、プエラリアミリフィカ根エキス、チャ葉エキス、クマザサ葉エキス、ハチミツ、香料、メントール、スペアミント油、セイヨウハッカ油、ユーカリ葉油、カルボキシメチルキトサンサクシナミド、1,2-ヘキサンジオール、BG、サリチル酸、水添レシチン、セバシン酸ジエチル、塩化Na、クエン酸、クエン酸Na、エチドロン酸、EDTA-2Na、DPG、グリシン、硫酸亜鉛、トコフェロール、ソルビン酸K、酸化銀、ペンテト酸5Na、フィチン酸、安息香酸Na、フェノキシエタノール、

[スカルプDシャンプードライ]ピロクトンオラミン、グリチルリチン酸ジカリウム、アラントイン、豆乳発酵液、カッコンエキス、クロレラエキス、セイヨウニワトコエキス、メリッサエキス、ゲットウ葉エキス、オウバクエキス、N-ラウロイル-L-アスパラギン酸ナトリウム液、スルホコハク酸ラウリル二ナトリウム、ラウリン酸アミドプロピルベタイン液、ラウロイルメチル-β-アラニンナトリウム液、N-ヤシ油脂肪酸アシル-L-グルタミン酸トリエタノールアミン液、アルキル(8~16)グルコシド、ヤシ油脂肪酸加水分解ケラチンカリウム液、ニンジンエキス、バンジロウ葉エキス、ホウセンカエキス、イリス根エキス、チンピエキス、加水分解シルク液、ヒドロキシプロピルキトサン液、加水分解ケラチン液、塩化N-[2-ヒドロキシ-3-(ラウリルジメチルアンモニオ)プロピル]加水分解ケラチン、塩化O-[2-ヒドロキシ-3-(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロース、グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール、ジラウロイルグルタミン酸リシンナトリウム液、ユズセラミド、ヘチマエキス(1)、DL-ピロリドンカルボン酸ナトリウム液、L-ピロリドンカルボン酸、N-オクタノイルグリシン、オリーブ油脂肪酸セトステアリル・オリーブ油脂肪酸ソルビット混合物、水素添加大豆リン脂質、フィトステロール、N-ステアロイルジヒドロスフィンゴシン、N-ステアロイルフィトスフィンゴシン、ヒドロキシステアリルフィトスフィンゴシン、オレンジ油、ユーカリ油、ラベンダー油、ローマカミツレ油、セージ油、1,2-ペンタンジオール、1,3-ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、濃グリセリン、ヒドロキシエタンジホスホン酸液、モノラウリン酸ポリグリセリル、イソプロパノール、無水エタノール、エタノール、粘度調整剤、pH調整剤

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