| 成分名 | トリクロロカルバニリド |
| 医薬部外品名 | トリクロロカルバニリド |
| 慣用名・別名 | TCC, トリクロカーバン, 3,4,4'-トリクロロカルバニリド |
| INCI名 | Triclocarban |
| 化学式 | C13H9Cl3N2O |
| 分子量 | 315.58 Da |
| 由来 | 合成 |
| 推奨配合濃度 | 0.2〜1.5% |
| EWGスコア | 7/10 |
| EU規制 | Annex III制限あり |
| 日本規制 | 旧指定成分 医薬部外品承認成分 化粧品成分基準収載 |
| カテゴリ | 成分 |
トリクロカルバンは、3つの塩素原子を持つカルバニリド系の合成殺菌剤で、特にグラム陽性菌に対して強力な抗菌効果を発揮する成分です。その作用機序は細菌の細胞膜に結合して膜構造を破壊することにより、細胞内容物の漏出を引き起こして殺菌効果をもたらします。
薬用石鹸や抗菌製品の主要成分として長年使用されてきましたが、近年その安全性に深刻な懸念が浮上しています。内分泌攪乱物質として甲状腺ホルモンや性ホルモンに影響を与える可能性が指摘されており、発癌性についても疑いが持たれています。さらに環境面では生物蓄積性が高く、水生生物への毒性や生分解性の低さから生態系への長期的影響が懸念されています。
2016年にはアメリカFDAが抗菌石鹸での使用を禁止し、日本でも薬用石鹸での切り替えが促進されました。これは、抗生物質耐性菌の誘発リスクや環境負荷を考慮すると、期待される殺菌効果に見合わないリスクが大きすぎるという判断によるものです。現在では「洗い流さない製品」での使用は禁止され、洗い流す製品でも厳格な濃度制限が設けられている問題成分です。