| 成分名 | プテロカルプスマルスピウム樹脂エキス |
| 慣用名・別名 | ビジャサールエキス, キノエキス |
| INCI名 | Pterocarpus Marsupium Resin Extract |
| 由来 | 植物性 |
| 推奨配合濃度 | 0.5〜2% |
| EU規制 | 規制なし |
| 日本規制 | 規制なし |
| カテゴリ | 植物由来成分 |
プテロカルプスマルスピウム樹脂エキスは、アーユルヴェーダで「ビジャサール」と呼ばれてきた由緒ある薬用植物の樹脂成分を化粧品に応用したものだ。樹皮エキスと似た成分だが、「樹脂エキス」はより濃縮された天然ポリフェノールを含む点で素材としての品質が高く、希少性も上回る。
核心的な作用機序は抗糖化(アンチグリケーション)にある。糖化とは、体内の余剰糖がタンパク質と結合してAGEs(終末糖化産物)を形成するプロセスで、コラーゲンや毛乳頭周囲の血管を硬化・劣化させる。このエキスに含まれるエピカテキンやプテロスチルベンがAGEs形成を競合的に阻害し、毛包のマトリクスを健全に保つことで抜け毛・細毛化を抑制すると考えられている。イメージとしては、焦げ付きを防ぐテフロン加工のように、コラーゲン繊維が「焦げて硬くなる」のを防ぐ役割だ。
次に注目される作用が抗炎症・抗酸化効果。IL-1β・TNF-αなどの炎症性サイトカイン産生を抑制し、頭皮の慢性的な低グレード炎症(マイクロ炎症)を鎮静化する。これはフケ・かゆみ・脂漏性皮膚炎の予防にも直結する。同様の抗炎症アプローチを持つ成分としてビオチン誘導体やニコチン酸アミドが挙げられるが、本成分は植物由来ポリフェノールの多重標的阻害という特長を持ち、単一経路への作用に留まらない。
ヘアサイクル正常化作用も特徴的で、成長期(アナゲン)の延長に寄与するとされる。毛乳頭細胞への栄養供給改善と5-αリダクターゼ阻害の可能性も研究段階で示唆されており、育毛・ヘアロスケア製品への応用が活発化している。配合例はまだ限られるが、高付加価値スカルプセラム・トリートメントに少量配合されるケースが増えている。安全性は比較的良好だが、エキス濃度が高い場合の皮膚感作リスクについては引き続き注意が必要。
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