| 成分名 | 加水分解キチン |
| 慣用名・別名 | キチンオリゴ糖, 加水分解キチン |
| INCI名 | Hydrolyzed Chitin |
| 由来 | 動物性,発酵 |
| 推奨配合濃度 | 0.5〜2% |
| 適正pH域 | 4.5〜6.5 |
| EU規制 | 規制なし |
| 日本規制 | 化粧品成分基準収載 規制なし |
| カテゴリ | 植物由来成分 |
加水分解キチンは、エビ・カニなどの甲殻類や菌類の細胞壁に含まれる天然多糖「キチン」を、酸・酵素・アルカリ処理によって低分子化した成分だ。主成分はN-アセチルグルコサミン(GlcNAc)を基本単位とするオリゴ糖〜ポリ糖混合物であり、部分的に脱アセチル化されたカチオン性の構造が特徴的。この正の電荷がダメージ毛や皮膚への吸着性を高め、様々な生理活性の基盤となる。
最大の注目点は育毛・発毛促進効果だ。既存の育毛有効成分であるミノキシジルと比較した試験において、加水分解キチンが同等またはそれを上回る毛周期促進・発毛促進作用を示したという報告がある。作用機序として、毛乳頭細胞の増殖促進・頭皮血行改善・抗炎症作用が複合的に関与すると考えられており、単なる保湿・コンディショニング成分を超えた薬理的ポテンシャルを持つ。
創傷治癒効果もこの成分の本質的な特性だ。キチン・キトサン系素材は古くから外科的止血材・皮膚再生素材として研究されており、加水分解によって低分子化されたキチンはさらに生体利用性が高まる。線維芽細胞の活性化・コラーゲン産生促進・上皮再生促進が報告されており、スカルプケアや敏感肌向け製品への応用価値が高い。
静菌・抗菌作用も持ち合わせており、頭皮常在菌叢のバランス調整に寄与する可能性がある。フケ・かゆみの原因となるマラセチア属菌への静菌作用も示唆されており、スカルプシャンプーへの配合理由の一つとなっている。
類似成分のキトサン(完全脱アセチル化キチン)と比較すると、加水分解キチンはN-アセチル基を部分的に保持しており、生体組織との親和性がよりマイルドで刺激が少ない点が特徴。またヒアルロン酸と同じグルコサミン骨格を持つことから、保湿・関節ケアの文脈でも語られることがある興味深い成分だ。環境面では甲殻類加工の副産物から得られるため、廃棄物有効利用という観点からも評価される。
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