| 成分名 | パジナパボニカ葉状体エキス |
| 慣用名・別名 | パディナパボニカエキス、ウミウチワエキス |
| INCI名 | PADINA PAVONICA THALLUS EXTRACT |
| 由来 | 植物性 |
| 推奨配合濃度 | 0.5〜3% |
| 適正pH域 | 4.5〜7.0 |
| EU規制 | 規制なし |
| 日本規制 | 化粧品成分基準収載 規制なし |
| カテゴリ | 植物由来成分 |
パジナパボニカ葉状体エキスは、地中海・大西洋沿岸に分布する褐藻類パディナ・パボニカ(Padina pavonica)の葉状体部分から抽出されるバイオアクティブ成分。アミジグサ目に属するこの海藻は、ファンのような扇形の独特な形状を持ち、欧州では希少種として保護対象にもなっている希少な海洋資源だ。
作用機序の核心はカルシウムイオン代謝の回復にある。加齢により乱れた細胞内カルシウムシグナリングを正常化することで、表皮基底層の細胞増殖・分化サイクルを若年期に近い状態へ誘導。さらにグリコサミノグリカン(GAG)合成促進作用により、ヒアルロン酸や硫酸コンドロイチンなどの細胞外マトリクス成分の産生を底上げし、真皮のボリュームとハリを内側から支える。
含有成分としては硫酸化多糖(フコイダン様構造)、褐藻ポリフェノール、カロテノイド(フコキサンチン)などが知られており、これらが相乗的に抗酸化・抗炎症効果をもたらす。酸化ストレスによるコラーゲン分解を抑制しつつ、線維芽細胞を活性化することでシワ・たるみへのアプローチが期待できる。
製剤面では、クローダ社が展開するホホバ油溶性製剤「PADINAMI」が代表的な市販原料。油溶性であるため、リッチなクリームやオイル系スキンケアへの配合適性が高く、水系処方とは異なる浸透経路でのデリバリーが可能。類似の海藻エキスとしてブレッソア(ブルーノリ)エキスやフコイダン単体が挙げられるが、パジナパボニカはカルシウム代謝という独自のターゲット機序を持つ点で差別化される。
安全性は良好で刺激リスクは低いが、希少海藻由来であるためサステナビリティ面での懸念もある。欧州での採取規制や代替培養技術の開発が今後の課題。頭皮・毛髪ケア領域ではスカルプコンディショニングや育毛促進への応用研究も進んでおり、多角的な展開が期待される成分だ。