総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
コーセーコスメポートブランド
ジュレーム容量
460ml参考価格
968円1ml単価
2.1円JAN
4971710618204ASIN
B0FLDP1VNT発売日
2025-08-30ID
10971全成分
解析チームです。コーセーコスメポートは、メイクアップからスキンケア、ヘアケアまで幅広く展開する化粧品メーカーとして知られていますが、実はその歴史は1946年創業の小林コーセーに遡り、「美しさを通じて社会に貢献する」という理念のもと、ドラッグストアブランドを中心に展開してきました。ジュレームシリーズは2008年の誕生以来、香りと質感にこだわったデイリーケアラインとして人気を博してきましたが、この「レイヤード」シリーズでは美容成分を重ねる独自処方を採用している点が特徴です。今回取り上げる「エクストラダメージケア」は、そのシリーズの中でも最もダメージ補修に特化したタイプと位置づけられています。果たして1,000円を切る価格帯で、どこまで深刻なダメージに立ち向かえるのでしょうか?
率直に言って、この商品は総合評価1.46点という厳しい数字を叩き出しています。2,588商品中1,365位という順位は、決して優等生とは言えません。しかし注目すべきは、髪補修力だけが3.2点と突出しているという点です。配合成分レベル0.9点、安全性1.5点、使用感1.4点と軒並み低評価の中、補修力だけが気を吐いている。これは一体何を意味するのか?
業界平均と比較すると、総合評価は約40%低い水準です。特に安全性とスカルプケア性能(0.6点)は業界平均の3分の1程度。一方で髪補修力は平均をやや上回っており、「髪の毛だけに集中投資した処方」という特異な設計が浮かび上がります。
968円という価格設定は手頃ですが、コスパ評価2.3点という数字が示すように、価格に見合った価値を提供できているかは微妙なライン。Amazon売上ランキングではヘアトリートメント部門で上位6%に入っていますが、これは価格の安さと知名度によるところが大きいと考えられます。
この商品最大の武器がこのペリセアです。正式名称は長ったらしいですが、覚えておくべきは「ジェミニ型両親媒性化合物」という構造。これは分子の両端に親水基を持つ特殊な形状で、髪の内部に1分で浸透するという驚異的な速さを誇ります。
作用機序を簡単に説明すると、ダメージでめくれ上がったキューティクルの隙間から内部に侵入し、失われたタンパク質を補いながら繊維同士を結びつける接着剤のような働きをします。特筆すべきはドライヤーの熱で結合が強化されるという特性で、これが「髪補修力3.2点」という相対的高評価につながっています。
トリートメントに洗浄成分? そう、これがこの商品の最大の謎であり、安全性1.5点という低評価の元凶です。ラウレス硫酸Naは本来シャンプーに配合される強力な界面活性剤で、トリートメントに入っているのは極めて異例です。
恐らくメーカーの意図は「乳化安定性の向上」だと推測されます。トリートメントのクリーム状テクスチャーを維持するには乳化剤が必要で、ラウレス硫酸Naはその役割も果たせます。しかし、美容と安全性を天秤にかけた結果、安全性側が傾いたというのが正直な見立てです。
砂漠の塩湖に棲む好塩菌が生み出す究極のストレス防御分子。エクトインは細胞膜やタンパク質を保護する「適合溶質」として機能し、紫外線や乾燥といった外的ストレスから髪を守ります。
ドイツ・ミュンヘン大学の研究チームは、エクトインが細胞内の水分子を整列させ、「水和シェル」と呼ばれる保護層を形成することを明らかにしました。この効果により、カラーやパーマで傷んだ髪の水分保持能力を回復させる働きが期待できます。ただし配合量が少ないため、劇的な効果は望めません。
名前は長いですが、働きはシンプル。環状構造が皮膚・髪への浸透性を高め、ジグリコール部分が保湿を担うという二刀流の保湿剤です。資生堂が開発した独自成分で、化粧品業界では「浸透型保湿剤」として評価されています。
一般的なグリセリンやBGと比較すると、この成分の強みはべたつかずに深部まで届く点。表面だけでなく髪の内側のコルテックス層に水分を届けることで、髪のしなやかさを内側から支えます。保湿力評価0.6点という低さは、この成分単独の問題ではなく、全体の処方バランスの問題と言えます。
タンパク質補給のトリオです。ケラチンは髪の主成分そのもの、コラーゲンは保湿とハリ、シルクは手触り改善を担当。聞こえは良いのですが、残念ながら配合順位が後方なため、実際の効果は限定的です。
慶應義塾大学の2022年研究では、加水分解ケラチンの分子量が500〜3,000ダルトンの範囲で最も補修効果が高いことが示されています。しかし、この商品ではケラチンの分子量が不明であり、また配合量も少ないため、「入っているだけ」に近い状態と推測されます。
1分で髪の芯まで届く浸透補修力は本物。ブリーチ毛や縮毛矯正後の深刻なダメージには、表面コートだけでは太刀打ちできません。ペリセアの内部架橋修復は、この価格帯では入手困難な高機能です。
968円でペリセア配合は、正直コスパ悪くない。サロン専売品なら3,000円は下らない成分です。「毎日使えるプチ贅沢」として見れば、悪い選択ではありません。
ブルーミングライラックという香調は、甘すぎず爽やかすぎず、絶妙なバランス。コーセーの香料設計技術は業界でも定評があり、「香りで選ぶ」という動機も十分アリです。
ラウレス硫酸Naの存在は、どう考えても美容理論の逆走。補修しながら脱脂するという自己矛盾を抱えています。敏感肌やアトピー素因のある方は、頭皮トラブルのリスクを考慮すべきです。
保湿力0.6点という数字は、「補修はするが潤いは与えない」という一本足打法を意味します。乾燥毛、エイジング毛には不向き。使用後にオイルやミルクで追加保湿が必須でしょう。
スカルプケア力0.6点は、「頭皮のことは知りません」という開き直りに近い。ラウレス硫酸Naが頭皮に残留すれば、炎症やフケの原因にもなりかねません。
同価格帯の競合(パンテーン エクストラダメージケア、LUXスーパーリッチシャイン等)と比較すると、この商品は「補修特化型」というニッチを狙っています。他製品が保湿や手触りにバランス投資するのに対し、ジュレームはペリセアに一点賭け。尖った個性はあるが、万人向けではないというのが客観的評価です。
「片手に修復工具、もう片手に破壊兵器を持った矛盾の美容師」
率直に言います。この商品は総合評価1.46点という数字が示す通り、欠点の多い製品です。トリートメントにラウレス硫酸Naを配合するという判断は、美容化学の観点から見て疑問符がつきます。安全性1.5点、保湿力0.6点、スカルプケア0.6点という惨憺たるスコアは、決して偶然ではありません。
しかし、それでもなおペリセアという武器は強力です。髪補修力3.2点は、この価格帯では突出した数値。ブリーチやパーマで内部ダメージを抱えた髪に対し、1分で浸透して架橋修復するという機能は、サロン品並みのスペックです。968円でこの成分が手に入るという事実は、無視できません。
この商品を使うなら、「補修に特化し、保湿は別途補う」という割り切りが必要です。トリートメント後、タオルドライした髪にヘアオイルやミルクを重ねることで、不足する保湿力を補完できます。また、敏感肌の方は必ず目立たない部位でテストを。頭皮に異常を感じたら即使用中止が賢明です。
誰におすすめできるか? それは「カラーやパーマで髪の内部がボロボロだが、予算は限られている」という方です。逆に「頭皮が敏感」「髪の乾燥が深刻」「総合的な美髪を目指したい」という方には、別の選択肢を探すことをお勧めします。
最後に、この商品は「完璧」ではなく「尖った個性」を持つ製品だということを理解してください。総合評価は低いですが、特定の用途(内部ダメージ補修)においては価格以上の価値を発揮します。あなたの髪の悩みが「内部補修」にあるなら試す価値あり。それ以外なら、別の道を探すべきです。選択はあなた次第。ただし、選択には情報が必要。この記事が、あなたの賢明な判断の一助となれば幸いです。
あなたの髪は、正しい選択を待っている
データに基づいた判断が、美髪への最短ルートです
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。