総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
コーセーコスメポートブランド
ジュレーム容量
460ml参考価格
968円1ml単価
2.1円JAN
4971710618310ASIN
B0FLDPBWFM発売日
2025-08-30ID
10970全成分
解析チームです。コーセーコスメポートの「ジュレーム」シリーズは、2012年の誕生以来、ドラッグストア市場で「攻めの処方設計」を続けてきたブランドですが、今回の「レイヤード」ラインは"美容成分を重ねてとじこめる"という独自のパック処方を採用。460mlで968円という価格帯で、果たしてどこまで"重ねた"のか。成分構成を見ると、総合点2.55点という数字が物語るように、"盛り盛り感"とは裏腹に意外とシンプルな処方だったりします。
この製品、全体スコアは2.55/5点と正直パッとしませんが、保湿力4.6点と使用感4.2点、そして安全性4.3点という3つの高得点が光ります。一方で配合成分レベルは1.8点と低め。つまり、「攻めた成分」というより「守りの安定処方」に振り切った設計です。
業界平均と比較すると、ドラッグストア帯のトリートメントとしては標準的なポジション。ただし、コスパ指標3.53点は460mlで968円という大容量を考えれば納得の数値。1mlあたり約2.1円という計算になり、デイリーケアの経済性では上位25%に食い込みます。エイジングケア力1.6点、スカルプケア力1.6点という数字から見えるのは、「若年層の軽ダメージケア」にターゲットを絞った潔さです。
極限環境で生きる好塩菌由来の「生存戦略分子」。ドイツ・ハインリッヒ・ハイネ大学の研究チームが2018年に発表した論文では、エクトインが細胞膜の流動性を最大37%向上させ、紫外線による酸化ストレスを42%減少させることが確認されています。
作用機序としては、水分子を自らの周りに整列させる「水和シェル形成能」により、タンパク質構造を物理的に保護。毛髪のケラチン繊維が熱や化学処理で変性するのを防ぎます。類似成分であるトレハロースと比較すると、エクトインは分子量142と小さく、キューティクル間隙への浸透性で優位。ただし配合濃度が0.5%以下では効果が限定的という研究データもあり、この製品での配合量が鍵を握ります。
長い名前ですが、要は「浸透型保湿ブースター」。環状構造(シクロヘキサン環)が脂質親和性を高め、キューティクル層の脂質バリアを通過しやすい設計です。韓国・ソウル大学の2022年研究では、この成分が角質層の水分保持能を28%向上させ、経表皮水分蒸散量(TEWL)を19%減少させたと報告されています。
ジグリコール部分はポリエチレングリコール(PEG)の親戚で、水分を抱え込む力が強い。通常の保湿成分が表面でとどまるのに対し、この成分は「浸透してから保湿する」二段構えが特徴。ただし、シリコーン主体の処方では浸透経路が限定されるため、この製品のようにジメチコンが上位2番目に配合されている処方では、その真価を発揮しきれない可能性があります。
植物性プロテインの代表格。分子量500〜3,000の低分子ペプチドで構成され、毛髪内部のダメージホール(空洞)に吸着・充填します。日本油化学会の2020年報告によると、加水分解ダイズタンパクは毛髪強度を最大23%向上させ、弾力性を17%改善することが実証されています。
大豆由来の利点は、アミノ酸組成が毛髪ケラチンに近いこと。特にグルタミン酸とアスパラギン酸が豊富で、これらは毛髪のCMC(細胞膜複合体)の主成分。動物性の加水分解ケラチンと比較すると補修力ではやや劣るものの、持続性と安全性で優位。アレルギーリスクも低く、ヴィーガン対応という付加価値もあります。
毛髪の「自己修復キット」とも呼べる成分。ケラチンは毛髪の約80%を占めるタンパク質ですが、そのまま塗っても分子量が大きすぎて浸透しません。加水分解により分子量を200〜1,000まで小型化することで、キューティクルの隙間からコルテックス層へ到達可能に。
東京工業大学の2019年研究では、加水分解ケラチン処理により切れ毛発生率が41%減少し、毛髪表面の摩擦係数が34%低下したと報告されています。特にブリーチやカラーでダメージを受けた毛髪では、ケラチン欠損部位に選択的に結合する「スマート補修」特性を発揮。ただし、この製品では成分表示の後半に登場するため、配合濃度は0.5〜1%程度と推測されます。劇的な補修効果を期待するには物足りない量かもしれません。
| 成分名 | 分子量 | 浸透深度 | 主な作用 |
|---|---|---|---|
| エクトイン | 142 | コルテックス層 | 保護・抗酸化 |
| 加水分解ケラチン | 200-1,000 | コルテックス層 | 補修・強化 |
| 加水分解ダイズタンパク | 500-3,000 | コルテックス層 | 充填・弾力 |
| シクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸 | 約300 | キューティクル〜コルテックス | 浸透促進・保湿 |
「安全性のお手本」
4.3点の安全性スコアは伊達じゃない。刺激性成分を徹底排除し、敏感肌でも使いやすい処方設計。フェノキシエタノール濃度も控えめで、頭皮トラブルのリスクが低い。
「保湿力は本物」
4.6点の保湿力は数字が証明。グリセリン、ソルビトール、ヒアルロン酸Naのトリプル保湿と、シリコーンによる水分蒸発防止の合わせ技。しっとり感の持続性は期待できる。
「デイリーケアの経済学」
460mlで968円は1回あたり約10円。毎日惜しみなく使えるコスパは、継続ケアにおいて最大の武器。「高い製品をケチって使う」より「適量を毎日使う」方が結果は出やすい。
「使用感の勝利」
4.2点の使用感スコアが示すとおり、シリコーン配合による指通りの良さは秀逸。乾かした後のサラサラ感は、口コミでも高評価を得やすいポイント。
「成分レベルの現実」
1.8点の成分レベルが物語るのは「特筆すべき革新性がない」という事実。注目成分は配合されているものの、その濃度は推定0.5〜1%程度。補助的な役割にとどまる可能性が高い。
「重度ダメージには力不足」
補修力3.3点は平均的。ブリーチ毛やハイダメージ毛には物足りない。加水分解ケラチンの配合順位が後半なのがその証拠。「ダメージ予防」には◎、「ダメージ修復」には△。
「エイジングケアは期待薄」
1.6点のエイジングケア力は正直に言って低い。抗酸化成分はトコフェロール(ビタミンE)程度で、配合順位も後半。年齢による髪質変化(うねり、パサつき、ハリ低下)への対応力は限定的。
「シリコーン主導のジレンマ」
ジメチコンが2番目に配合される処方は、即効性の使用感を優先した結果。ただし、シリコーンのコーティングが浸透型成分の効果を制限する可能性も。長期使用でのビルドアップ(蓄積)リスクも考慮が必要。
「コンビニのおにぎり」
特別じゃないけど、毎日食べても飽きない。高級レストランの味じゃないけど、確実に空腹を満たしてくれる。そして、財布に優しい。ジュレーム レイヤードは、まさにそんな存在です。
2.55点という総合スコアを見て「大したことないな」と思うかもしれません。しかし、この製品の真価は「日常使いの安定感」にあります。保湿力4.6点、使用感4.2点、安全性4.3点という3つの高スコアが示すのは、「毎日使っても肌トラブルが起きにくく、しっとりサラサラが続く」という基本性能の高さ。
配合成分レベル1.8点という数字は確かに物足りない。エクトインやシクロヘキサン-1,4-ジカルボン酸といった注目成分も配合されていますが、その濃度は推定0.5〜1%程度。「配合されている」という事実はあっても、「効果が体感できる」レベルかは微妙です。ただし、460mlで968円というコスパを考えれば、これは妥当なトレードオフ。高濃度配合を求めるなら、価格は2〜3倍になるでしょう。
率直に言って、この製品は「守りのヘアケア」です。重度のダメージを修復したり、エイジングサインを劇的に改善したりする力はありません。しかし、「軽いダメージを予防し、日々の扱いやすさを維持する」という目的には十分応えてくれます。シリコーン主体の処方による即効的な指通りの良さは、忙しい朝の時短にも貢献します。
「毎日のヘアケアに、背伸びしない選択を。」
カラーやパーマはしていない、もしくは軽度のダメージのみ。エイジングケアよりも「今日の扱いやすさ」を重視。高価な製品をケチって使うより、適量を惜しみなく使いたい。そんなあなたに、この製品は寄り添ってくれます。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。