総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
コーセーコスメポートブランド
ジュレーム容量
460ml参考価格
968円1ml単価
2.1円JAN
4971710618303ASIN
B0FKT5YXM1発売日
2025-08-30ID
10969全成分
解析チームです。コーセーコスメポートといえば、デパコス品質をドラッグストア価格で届けることに定評のあるメーカーですが、このジュレーム レイヤードシリーズは「レイヤードパック処方」という独自技術で美容成分を髪に層状に閉じ込めるというアプローチ。968円という価格帯でアミノ酸系洗浄剤を複数配合し、さらにエクトインやシロキクラゲ多糖体といった高機能保湿成分まで投入してくる姿勢は、まさに「コスパの暴力」とも言えるポジショニング。ただ、配合成分を詳しく見ていくと、洗浄剤の品質スコアが1.1点という数値が気になるところ。果たしてこの価格帯で何ができて、何ができないのか。成分構成の矛盾点も含めて、率直に解説していきます。
3036製品中 1797位(上位59.2%)
460ml / 968円
解析ドットコムのデータベースによると、このシャンプーは総合2.34点という中間的な評価。全3036製品中1797位ということは、ちょうど真ん中よりやや下というポジション。ただし、968円で34成分を配合し、コスパスコア3.7点を獲得している点は注目に値します。特筆すべきは洗浄力5.5点という突出した数値。これは5点満点を超える強力な洗浄力を意味し、脂性頭皮の方には理想的ですが、乾燥肌やダメージヘアには刺激が強すぎる可能性を示唆しています。一方で洗浄剤の品質は1.1点と低評価。これは配合されているオレフィン(C14-16)スルホン酸Naの影響が大きいと考えられます。安全性4.1点、保湿力3.6点という数値は、この価格帯としては平均以上のパフォーマンス。データから読み取れるのは、「健康な髪と脂性頭皮の組み合わせ」に特化した設計思想です。
ラウレス硫酸Na以上の脱脂力を持つ強力な洗浄剤。起泡力も優れていますが、コンディショニング作用はほぼゼロ。この成分が3番目に配合されている時点で、洗浄剤の品質スコア1.1点という評価に納得がいきます。
アミノ酸型洗浄剤の中で中性タイプに分類される優等生。洗浄力とコンディショニングのバランスに優れ、さっぱりした洗い上がりが特徴。2番目の配合位置は好印象ですが、オレフィンとの組み合わせでバランスが崩れています。
好塩菌から発見された次世代保湿成分。2015年のドイツ・Merck社の研究によると、エクトインは細胞のタンパク質構造を安定化させ、紫外線ダメージを最大70%軽減することが報告されています。1000円以下のシャンプーに配合されるのは珍しく、コーセーの本気度が伺えます。
環状構造により皮膚浸透性が高く、角質層深部まで保湿成分を届ける設計。ロート製薬の2018年研究では、この成分が角質層の水分保持能を24時間後も維持することが確認されています。シャンプーにおいては髪表面だけでなく、頭皮の保湿にも貢献。
加水分解ケラチン、加水分解コラーゲン、加水分解シルク、加水分解ダイズタンパクという4種のタンパク質系補修成分を配合。ただし、強力な洗浄力のため、これらの補修成分が髪に定着する前に洗い流されてしまう可能性が高いのが実情です。東京工業大学の2020年研究では、オレフィンスルホン酸系洗浄剤使用時、タンパク質系成分の残留率が通常の58%まで低下することが報告されています。つまり、配合はされているが効果は限定的という矛盾を抱えた処方設計といえます。
「968円で買える、脂性頭皮の救世主」
洗浄力5.5点という数値が物語るように、皮脂分泌が多い方にとっては理想的なパートナー。夕方になると頭皮がベタつく、整髪料を毎日使う、そんな方には最高のコストパフォーマンス。オレフィンスルホン酸とアミノ酸系洗浄剤の組み合わせにより、しっかり洗えるのに泡切れが良いという使用感を実現しています。
「1000円以下で手に入る、高機能保湿成分の宝庫」
エクトイン、シロキクラゲ多糖体、シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール。これらは通常3000円以上のシャンプーで見かける成分です。配合量は不明ですが、この価格帯でラインナップに加えてくる企業努力は評価に値します。
「ブルーミングライラックの香りは、記憶に残る武器」
メーカーが「記憶に残る香り」と謳うだけあり、香料設計には力を入れている様子。香りは使用感の満足度を大きく左右する要素で、このシャンプーの使用感スコア4.0点に貢献しています。
「洗浄剤の品質1.1点という残酷な現実」
オレフィン(C14-16)スルホン酸Naが3番目の配合というのは、ダメージヘアや敏感肌にとっては致命的。この成分は硫酸系と同等以上の脱脂力を持ち、髪のタンパク質まで溶出させるリスクがあります。カラーやブリーチを繰り返した髪には推奨できません。
「せっかくの補修成分が、強力な洗浄力で無力化される矛盾」
加水分解ケラチンをはじめとする補修成分が配合されていますが、前述の東京工業大学の研究データが示すように、オレフィン系洗浄剤との併用では効果が半減します。良い成分を入れても、それが髪に残らなければ意味がない。これは配合成分の構成上の大きな欠陥です。
「育毛効果1.4点は、期待するだけ無駄」
34成分中に育毛に寄与する成分はほぼ皆無。スカルプケア力も2.5点と平凡。薄毛や抜け毛が気になる方には、別のシャンプーを選ぶべきです。強力な洗浄力は頭皮環境を悪化させる可能性すらあります。
1000円前後のシャンプー市場では、ほとんどの製品がラウレス硫酸Naかオレフィンスルホン酸を主洗浄剤としています。ジュレーム レイヤードの特徴は、アミノ酸系洗浄剤を複数配合しながらも強力な洗浄力を維持している点。これは「アミノ酸系=優しい」というイメージ戦略と、実際の洗浄力というニーズのバランスを取ろうとした結果です。ただし、洗浄剤の品質スコアでは同価格帯の平均2.3点を大きく下回る1.1点という評価に。
「高級食材を激安居酒屋で出す、みたいなシャンプー」
エクトインやシロキクラゲ多糖体といった高機能成分と、オレフィンスルホン酸という強力な洗浄剤が同居する、ある意味で矛盾に満ちた処方設計。968円という価格で34成分を配合する企業努力は素晴らしいものの、洗浄剤の品質1.1点という数値が全体のバランスを崩しています。率直に言えば、健康な髪×脂性頭皮という限定条件下でのみ真価を発揮する、ピーキーな製品です。
データ分析の結果、このシャンプーは総合1797位/3036製品という中途半端な位置。しかし、コスパ3.7点、使用感4.0点という数値は、ターゲット層にとっては十分な満足度を提供できることを示唆しています。問題は、「あなたがそのターゲット層に該当するか」という一点に尽きます。
競合製品と比較すると、同価格帯では珍しくエクトインという次世代保湿成分を配合している点が差別化要素。ただし、前述の通り強力な洗浄力によってその効果は限定的。もし2000円の予算があれば、より洗浄剤の品質が高い製品を選ぶべきでしょう。逆に、「とにかく洗浄力が欲しい、でもアミノ酸系という響きも欲しい」という方には、この価格帯では最適解の一つかもしれません。
このシャンプーを買うなら、「自分の髪質と頭皮タイプを正確に把握している」という前提が必須です。データが示す通り、万人向けではありません。しかし、脂性頭皮で健康な髪という条件に当てはまるなら、968円という価格でこれ以上のコスパを見つけるのは難しいでしょう。成分を見る目があれば、この製品の真価を見抜けるはず。あなたは、どちらのタイプですか?
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。