Ingredient Analysis

トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレア

成分 2件の商品に配合 ID: 87526
成分 化粧品・ヘアケア配合成分
-45

安全性
+55

素材の品質
+10

使用感
基本情報
成分名トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレア
慣用名・別名SYN®-HYCAN(DSM社ブランド名)
INCI名Tetradecyl Aminobutyroylvalylaminobutyric Urea Trifluoroacetate
由来合成
推奨配合濃度0.1〜1%
適正pH域4.5〜6.5
EU規制Annex III制限あり
日本規制 規制なし
カテゴリ 成分
成分特性チャート −100(マイナス効果)〜 +100(プラス効果)
各スコアは当サイト独自基準による評価値です
成分スコア詳細 各評価項目の詳細(スコア: −100〜+100)
素材の品質 +55
成分の素材品質・配合価値
安全性 -45
肌・頭皮への安全性
補修力 +50
髪のダメージ補修・強化力
頭皮改善 -20
頭皮環境の改善・ケア効果
潤滑性 +15
なめらかさ・コーティング効果
育毛力 +0
育毛・発毛促進への寄与
使用感 +10
使用時の感触・仕上がり感
環境配慮 -50
環境負荷・生分解性の評価

概要

DSM社開発の合成トリペプチド(SYN®-HYCAN)。テトラデシル鎖による脂溶性修飾でバリル-アミノ酪酸ウレア構造を皮膚深部へ送達し、ヒアルロン酸産生促進・デコリン・ルミカンなどのプロテオグリカン発現増強を介して真皮のエクストラセルラーマトリックスを再構築。肌弾力・ハリ改善・たるみ軽減に作用する。一方、トリフルオロ酢酸塩部位はPFAS(有機フッ素化合物)に分類され、発がん性・ホルモン攪乱性・環境蓄積性リスクが懸念される両面性を持つ先進成分。

トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアの解析

トリフルオロ酢酸テトラデシルアミノブチロイルバリルアミノ酪酸ウレアは、スイスの特殊化学メーカーDSM(現dsm-firmenich)が開発した合成トリペプチド素材「SYN®-HYCAN」の活性成分。複雑な名称はその構造の精緻さを反映しており、バリン・アミノ酪酸・ウレアの連結体にテトラデシル(C14脂肪鎖)を結合させることで、皮膚への親和性と浸透力を大幅に高めた脂質修飾ペプチドである。

作用機序は多層的。第一にヒアルロン酸(HA)合成酵素の発現を上方制御し、真皮のHA量を増加させることで内側から肌をふっくらと保つ。第二に真皮の構造タンパクであるデコリン・ルミカン(クラスIプロテオグリカン)の産生を促進し、コラーゲン線維の正確な配列と太さを整える。これらが複合的に機能することで、皮膚の生体力学特性—弾力性・伸展性・外力への抵抗力—が実質的に改善される。8週間臨床試験では皮膚弾力パラメーターの有意な改善が報告されている。

類似成分との比較では、パルミトイル-トリペプチド-1やアセチルヘキサペプチド-3がコラーゲン合成やアセチルコリン拮抗に特化するのに対し、本成分はHAとプロテオグリカンという「足場構造」へのアプローチが独自性。たとえるなら、コラーゲンが「柱」だとすれば、デコリン・ルミカンはその柱を正しく束ねる「締め金具」であり、本成分はその締め金具の製造を助ける職人のような役割を担う。

しかし最大の懸念はPFASとしての側面。「トリフルオロ酢酸」部位は炭素-フッ素結合(C-F)を含む有機フッ素化合物であり、FDAのPFAS化粧品成分リストにも掲載されている。PFASは「永遠の化学物質(forever chemicals)」とも呼ばれ、生体内・環境中での難分解性が特徴。ホルモン攪乱性・免疫抑制・発がん性リスクが国際的に議論されており、EU・米国・日本でも規制の動向が注目されている。使用者・配合者双方がこのトレードオフを十分に認識した上で判断することが求められる先進かつ論争的な成分。

相性の良い成分

ヒアルロン酸、レチノール、ビタミンC誘導体

相性の悪い成分・混合注意

強酸化剤、アルカリ剤

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