| 成分名 | 乳酸菌培養液(牛乳) |
| 慣用名・別名 | 乳酸桿菌/乳発酵液(牛乳)、ラクトバチルス/ミルク発酵液 |
| INCI名 | Lactobacillus/Milk Ferment Filtrate |
| 由来 | 発酵 |
| 推奨配合濃度 | 1〜5% |
| 適正pH域 | 3.5〜5.5 |
| EU規制 | 規制なし |
| 日本規制 | 規制なし |
| カテゴリ | 植物由来成分 |
乳酸菌培養液(牛乳)は、牛乳を乳酸桿菌(Lactobacillus属)で発酵させ、菌体をろ過除去した液体成分。いわば「ヨーグルトのエッセンス」とも言える自然由来の発酵素材であり、発酵プロセスによって乳タンパク質が低分子ペプチドやアミノ酸へと分解されるほか、乳酸・有機酸・バクテリオシン・細胞外多糖体(EPS)などが豊富に含まれる複合組成物だ。
作用機序の中核は皮膚マイクロバイオームの最適化にある。乳酸により皮膚表面のpHを弱酸性(約4.5〜5.5)に維持することで、黄色ブドウ球菌などの悪玉菌の増殖を抑制しつつ、表皮ブドウ球菌などの美肌菌を育む環境を整える。これはポストバイオティクスの概念に相当し、菌そのものを塗布するのではなく、菌の代謝産物によって間接的にマイクロバイオームを制御する点が先進的である。
保湿面では、低分子化したペプチドやアミノ酸がNMF(天然保湿因子)の構成要素として角質層に補充され、乳酸自体も優れたヒューメクタントとして機能する。さらにEPSが水分をゲル状に保持することで持続保湿にも寄与する。エイジングケア面では、発酵で生成されたペプチドが線維芽細胞を賦活させコラーゲン合成を促す可能性が示唆されている。
同じカテゴリーの乳酸桿菌/豆乳発酵液と比較すると、牛乳由来の本成分は乳タンパク(カゼイン・ホエイ)由来のペプチドが豊富で動物性アミノ酸プロファイルを持つ点が特徴。一方で乳アレルギーのある肌への使用には注意が必要であり、これが安全性評価のやや慎重な要因となる。頭皮ケアにおいても、常在菌バランスの改善によるフケ・かゆみへの間接的な効果が期待でき、シャンプーやスキャルプトリートメントへの配合実績も増えている。
化粧品処方上はエキス・発酵液として少量配合されることが多く、防腐剤や保湿剤との相乗効果も期待される。天然由来・発酵由来として環境負荷は比較的低いが、動物由来成分のためビーガン処方には適合しない点にも留意が必要だ。