| 成分名 | ジヒドロキシインドール |
| 慣用名・別名 | DHI |
| INCI名 | Dihydroxyindole |
| 化学式 | C8H7NO2 |
| 分子量 | 165.19 Da |
| 由来 | 合成 |
| 推奨配合濃度 | 0.1〜0.5% |
| 適正pH域 | 3.5〜6.0 |
| EU規制 | 規制なし |
| 日本規制 | 化粧品成分基準収載 |
| カテゴリ | 成分 |
ジヒドロキシインドール(DHI: Dihydroxyindole)は、生体内のメラニン生合成経路に自然由来の中間体として存在する複素環式化合物。チロシン→DOPA→DOPAキノン→ジヒドロキシインドールという経路を経て、最終的にユーメラニン(黒褐色色素)が生成される。化粧品としてはこの「着色メカニズムの出発点に近い場所」にある成分を直接活用した、非酸化染料的アプローチが特徴だ。
従来の酸化染毛剤がパラフェニレンジアミン(PPD)など強力な酸化剤と組み合わせて使われ、アレルギーリスクや頭皮ダメージが問題視されるのとは対照的に、DHIは穏やかな酸化重合によってポリジヒドロキシインドール(ユーメラニン類似色素)を形成する。この色素がキューティクル表層に集合体を作りながら定着し、白髪を徐々に黒く色づける。一度に劇的に変化させるのではなく、連用による漸進的な着色が本来の使われ方だ。
EU SCCP(消費者製品科学委員会)は2006年の審査にて、最大濃度0.5%の使用であれば健康リスクを与えないと結論。日本では化粧品成分リストに収載されており、毛髪着色剤として認められている。ポリジヒドロキシインドールはそのポリマー体で、皮膚コンディショニング剤としての用途もある。
類似コンセプトの成分としてビスマストリクロリドや酢酸鉛(現在は多くの国で規制)を使ったグラデーション染毛剤と比較すると、DHIは金属イオンを使わない点で安全性の観点から優位性がある。また、インドール骨格はアミノ酸・医薬品・植物アルカロイドにも広く存在する馴染み深い骨格であり、生体適合性の高さを示唆している。白髪ケアの「じわじわ染め」アプローチとして、ダメージレス志向の製品開発に継続して用いられる成分だ。