| 成分名 | 乳酸桿菌培養溶解質 |
| 慣用名・別名 | 乳酸桿菌培養溶解質 |
| INCI名 | Lactobacillus Ferment Lysate |
| 化学式 | 複合体(乳酸・アミノ酸・ペプチド・多糖類・ビタミン類混合物) |
| 由来 | 発酵 |
| 推奨配合濃度 | 1〜5% |
| 適正pH域 | 4.0〜6.0 |
| EU規制 | 規制なし |
| 日本規制 | 化粧品成分基準収載 規制なし |
| カテゴリ | 植物由来成分 |
乳酸桿菌培養溶解質は、Lactobacillus属菌を培養したのち細胞壁を物理的・化学的に破壊(溶解)して得られるポストバイオティクス成分である。「ライセート(lysate)」とは細胞を溶かした産物を指し、生きた菌体を含まないため安定性・安全性が高く、化粧品への配合適性に優れる。成分構成は乳酸・各種アミノ酸・低分子ペプチド・多糖類・ビタミン類(B群など)・ポリフェノールなど多岐にわたる生理活性物質の複合体であり、単一成分では得られない相乗効果をもたらす。
最大の特徴は皮膚マイクロバイオームへの働きかけである。健常な皮膚表面には数百種の常在菌が絶妙なバランスを保っているが、本成分は有益菌の増殖を促し病原性菌の過増殖を抑制することで、そのバランスを整える。腸内フローラに対するプロバイオティクスの皮膚版として機能すると言える。
抗炎症・鎮静作用も際立っており、酒さ・アトピー性皮膚炎・炎症後紅斑など炎症を伴う肌状態への応用が進んでいる。発酵過程で産生される有機酸や抗菌ペプチドが皮膚表面の弱酸性環境維持を助け、外的刺激への防御力を高める。また乳酸由来の保湿効果と角質層の水分保持能向上により、乾燥・敏感肌のコンディショニングにも有効である。
抗老化の観点では、初期研究において光老化による小じわ軽減・弾力改善への寄与が示唆されており、さらに他の有効成分のバイオアベイラビリティ向上(植物エキスの低分子化促進など)も報告されている。比較成分群の中では、ビフィズス菌発酵液よりも乳酸濃度が高く、酵母発酵エキスよりもアミノ酸バランスに優れるとされる。
製造はバイオテクノロジーを活用した発酵プロセスによるため環境負荷が低く、サステナブルな美容素材として評価される。配合濃度は一般的に0.5〜3%の範囲で使用され、化粧水・美容液・クリーム・マスク・洗顔料など幅広い剤形に対応する。EWGスコアは比較的低く、安全性の高い成分として認知されている。