Ingredient Analysis

フィブロイン

成分 2件の商品に配合 ID: 48679
成分 化粧品・ヘアケア配合成分
+80

安全性
+50

素材の品質
+30

使用感
基本情報
成分名フィブロイン
INCI名Fibroin
分子量350000〜370000 Da
由来動物性
推奨配合濃度0.5〜3%
適正pH域3.5〜7.0
EU規制規制なし
日本規制 化粧品成分基準収載 規制なし
カテゴリ 成分
成分特性チャート −100(マイナス効果)〜 +100(プラス効果)
各スコアは当サイト独自基準による評価値です
成分スコア詳細 各評価項目の詳細(スコア: −100〜+100)
素材の品質 +50
成分の素材品質・配合価値
安全性 +80
肌・頭皮への安全性
補修力 +50
髪のダメージ補修・強化力
頭皮改善 +30
頭皮環境の改善・ケア効果
潤滑性 +40
なめらかさ・コーティング効果
育毛力 +0
育毛・発毛促進への寄与
使用感 +30
使用時の感触・仕上がり感
環境配慮 -10
環境負荷・生分解性の評価

概要

カイコ(Bombyx mori)の繭から得られる線維状タンパク質。グリシン約35%・アラニン約27%・セリン・チロシンを主要アミノ酸とし、側鎖の小さいアミノ酸が全体の90%近くを占める特異的な組成を持つ。分子量35〜37万の高分子で、多孔質構造による高い保湿性、静菌作用、線維芽細胞増殖促進によるコラーゲン産生促進、メラニン生成抑制、皮膚再生促進などの多機能性を示す。医療用縫合糸としての実績から安全性も高く評価される動物由来タンパク質。

フィブロインの解析

フィブロインは、カイコ(Bombyx mori)が産生する絹糸の主成分となる線維状タンパク質で、繭の構造を支えるコアタンパク質である。絹糸はフィブロインが2本の繊維として走り、それをセリシンが接着・被覆する二層構造を持つ。化粧品に用いられるフィブロインはセリシンを除去・精製したもので、CAS登録番号9007-76-5として知られる。

アミノ酸組成に大きな特徴があり、グリシン(約35%)・アラニン(約27%)・セリン・チロシンの4種で全アミノ酸残基の90%近くを占める。これら側鎖の小さいアミノ酸が密に規則配列することで、β-シート構造が形成され、絹特有の強靭さと光沢が生まれる。このβ-シート構造が皮膚表面でフィルムを形成し、光の乱反射を抑えた艶やかな仕上がりを実現する。シルク独特の光沢感はこの光学的特性によるものである。

保湿性については、多孔質ナノ構造が水分子を物理的に保持することで優れた水分保持能を発揮する。一般的なタンパク質系保湿剤(コラーゲン・エラスチン加水分解物など)が主に皮膚表面での膜形成による保湿に留まるのに対し、フィブロインはその構造的特性から長時間の水分保持が期待できる。ただし分子量35〜37万という巨大さから、未加水分解のままでは皮膚への浸透性は低く、角質層表面での作用が主体となる。

機能性面では、線維芽細胞の増殖促進作用によりコラーゲン・ヒアルロン酸産生を促す抗老化効果が研究により示されており、またメラニン生成抑制によるホワイトニング効果も報告されている。さらに静菌作用により皮膚常在菌のバランスを保つ効果も期待される。医療分野では生体適合性の高さから手術用縫合糸や組織工学用足場材料として長年実績を積んでおり、化粧品成分としての安全性の根拠ともなっている。

近年、特許製法による水溶性高分子フィブロインの開発が注目を集めている。従来、フィブロインはβ-シート構造の安定性ゆえに一般溶媒に溶けにくく、加水分解処理なしに水溶液化することは困難とされてきたが、シルク本来の高次構造を保ったまま水溶化することで機能性を損なわずに製品への配合が可能になった。環境負荷の観点では動物由来(蚕)であることや養蚕業との関わりを考慮する必要があるが、生分解性は高く自然循環する素材である。

相性の良い成分

コラーゲン ヒアルロン酸 セラミド グリセリン