| 成分名 | アセチルテトラペプチド-11 |
| 慣用名・別名 | アセチルテトラペプチド-11 |
| INCI名 | Acetyl Tetrapeptide-11 |
| 化学式 | C27H38N4O7 |
| 分子量 | 550 Da |
| 由来 | 合成 |
| 推奨配合濃度 | 0.5〜2% |
| 適正pH域 | 4.5〜7.0 |
| EU規制 | 規制なし |
| 日本規制 | 規制なし |
| カテゴリ | 成分 |
アセチルテトラペプチド-11は、プロリン×2・チロシン・ロイシンの4アミノ酸(Ac-Pro-Pro-Tyr-Leu)からなる合成ペプチドで、アセチル化によって安定性と細胞膜透過性を高めた設計です。CAS番号928006-88-6、分子量530.61という比較的小さな構造が、皮膚深部への浸透を可能にしています。
最大の特徴は、角質層の天然保湿因子(NMF)製造の要であるフィラグリンの産生を促進することです。フィラグリンは角質細胞内でアミノ酸・ピロリドンカルボン酸・ウロカニン酸などに分解され、肌の水分保持能力を根幹から支えます。これが不足すると乾燥・バリア破綻・アトピー性皮膚炎様の問題が起きるため、フィラグリン誘導は現代スキンケアの重要課題です。
作用機序は多段階にわたります。まず皮膚表面のシグナル受容体と結合してケラチノサイト(表皮角化細胞)の増殖・分化を活性化。続いてシンデカン-1(ヘパラン硫酸プロテオグリカン)の合成を促し、細胞外マトリックスと増殖因子の相互作用を調整します。さらにXVII型コラーゲン(BP180)の産生を高めることで、表皮と真皮をつなぐ基底膜領域の結合力を強化し、肌の構造的安定性と弾力を向上させます。
他のペプチドとの差別化も明確です。アセチルヘキサペプチド-8が神経筋接合部の弛緩に特化するのに対し、本成分はバリア機能・保湿・コラーゲン基盤の三位一体改善を担います。テトラペプチド-5がエラスチン主導型であるのと対比すると、アセチルテトラペプチド-11は「表皮~基底膜の統合ケア」に優位性があります。合成ペプチドとして酸化・微生物分解に強く、化粧品中での安定配合が実現しやすい点も処方設計上の強みです。エイジングケア美容液・クリームへの少量高効果配合が主流で、ヒアルロン酸やビタミンC誘導体との併用でさらなる相乗効果が期待されています。