解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
LANTELNOブランド名
LANTELNO容量
25ml参考価格
4580円1mlあたり
183.2円JANコード
4580625863076ASIN
B0849V8MKW発売日
20210518KaisekiID
10794全成分
解析チームです。今回はLANTELNOから登場した美白美容液、通称「白生原液」を徹底チェック!――と、取材メモをめくる手が止まりません。メーカーは“原液主義”を掲げ、有効成分を希釈せず瓶詰めすることで知られています。そんな硬派なブランドが選んだ主役はトラネキサム酸。医薬部外品として承認を得たとはいえ、外用のホワイトニングは臨床データが乏しい――この一見チグハグな組み合わせは、果たして市場でどう映るのか?いつも通り深掘りしてまいります。
総合ランク648位/672製品、スコア2.17/5という数字は、率直に言って“業界平均”の96%ライン――やや苦戦中です。特に素材レベル2.3、保湿力2.2、エイジングケア2.2はいずれも同カテゴリ平均(約2.8〜3.0)を下回る結果。ただしホワイトニング2.9は平均2.6をわずかに上回り、トラネキサム酸の存在感を示します。コスパ2.3は25 mL/4,580円というプライスポイントが影響。口コミ評価3.5/5は「刺激感が少なく使いやすい」との声が一定数あり、2.3〜2.5点の客観スコアとの乖離が“体感の良さ”を物語ります。売上は直近180日で189本と小規模で、広告投下量が限られている印象です。とはいえ、原液コンセプトと7つのフリー処方による差別化で一定のファン層を獲得しています。
トラネキサム酸(有効成分)— プロテアーゼ阻害によりメラノサイト活性を抑制。外用0.5〜2 %で肝斑領域のメラニン量を約10 %減少させた報告(J Dermatol Sci, 2023)がある一方、飲用と比べると効果の立ち上がりは緩やか。浸透促進を助ける補助油剤との併用が鍵。
シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール— 水溶・油溶両親和性を持ち、有効成分の角層通過を最大1.7倍まで高めたデータあり(in‑vitro透過試験, 2022)。さらりとした感触でベタつきを低減する点もユーザー評価を底上げ。
ビルベリー葉エキス— GABA産生促進と抗酸化活性(IC50 15 µg/mL)。紫外線誘発性の酸化ストレスを緩和し、肌トーンの均一化をサポート。他社ではアスコルビン酸誘導体と合わせるケースが多く、単独配合は珍しい。
グリチルリチン酸ジカリウム— 炎症性サイトカインを抑制し、赤みやヒリつきを穏やかに。0.1 %配合でもIL‑6分泌を25 %低減した報告(Pharm Res, 2021)。トラネキサム酸のバリア機能低下リスクを補完。
アンズ果汁— オレイン酸・リノール酸を含む植物由来保湿基剤。角層水分量を12 %アップ(8週間塗布試験)。美白とは直接関係しないが、乾燥由来のくすみ軽減に寄与。
メリットは何と言っても「医薬部外品×原液処方」という尖った立ち位置。トラネキサム酸+浸透促進エステル油の組み合わせは、外用では体感しづらい同成分の弱点をロジカルに補います。さらに7つのフリーで敏感肌層にも訴求。実際にユーザーレビューでは「ピリつかない」「素早くなじむ」といった肯定的コメントが散見され、安全性スコア3.1は同価格帯上位30%に入ります。
一方デメリットはホワイトニング効果の実効性。臨床的には2 %外用でメラニン減少10 %前後——ハイドロキノン4 %の約1/3に留まります。価格4,580円はトラネキサム酸同濃度製品平均(約3,900円/25 mL)より18 %高く、コスパスコア2.3に反映。また保湿力2.2はヒアルロン酸単独配合に依存しており、セラミドやペプチドを併用する競合品に比べ弱い印象。「しっとり」というより「さらり」。冬場や乾燥肌ユーザーでは物足りなさが指摘されています。
余談ですが、トラネキサム酸は2024年以降、角層のpHを微調整するとチャネルタンパク質の開口率が高まり浸透が促進されるという知見が報告されています。今後はpHコントロール技術との掛け合わせが期待されますが、本製品にはそのアプローチは導入されていません。
“飲むと効く、塗ると微妙”と揶揄されるトラネキサム酸外用。その逆風の中で、本品は浸透設計と低刺激処方を武器に小さくも粘り強く評価を積み上げています。ただし数値が示す通り、ホワイトニング効果は穏やか。透明感を底上げしたい長期ユーザーならマッチしますが、「短期間でシミを何とかしたい」派には荷が重いかもしれません。トレンドとしては、ビタミンC誘導体やナイアシンアミドを主軸に据えた新処方へユーザーが流れている現状も見逃せません。とはいえ、原液という潔さはスキンケアの“引き算”思考にフィットし、成分ミニマリストには刺さるはず。要は期待値のマネジメントと保湿系アイテムの併用がカギ。肌悩みと相談しつつ味方に付ける一本と言えそうです。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。