解析チームです。富士産業が20年以上にわたり女性の薄毛と真剣に向き合ってきたこと、ご存じでしたか？　実は同社は創業当初から「女性ホルモンの揺らぎ×頭皮環境」の研究に資金を投入し続け、蓄積データは延べ３万人分。その集大成としてリリィジュ RICHが誕生しました。ボトル１本に詰まったのは、14年の開発史と25件以上の社内試験──まさに“研究所の冷凍庫から直送された叡智”というわけです。さらにローズ由来の精油の残香が「育毛剤っぽさ」を忘れさせてくれる点も、女性の継続使用率を底上げする隠れた仕掛け。そんな逸品を深掘りしていきましょう。

概要

総合ランク104位／161製品と聞くとやや埋もれ気味ですが、ユーザー評価4.6点（業界平均4.1点比＋12％）は注目に値します。解析スコアは総合2.9点と平凡ながら、安全性3.5点はトップ20％圏内。対照的に育毛力2.2点は平均を19％下回り、ここが伸びしろと言えそうです。
売上を見ると直近180日で246本。１本5,289円換算で売上約130万円──同価格帯群（平均220万円）比で60％の規模ですが、リピート率は２カ月以内再購入が46％と健闘。つまり「刺さる人にはガッツリ刺さる」ニッチスターターです。

注目の成分

シクロヘキサンジカルボン酸ビスエトキシジグリコール

親水基と親油基を併せ持つエステル油で、アクティブ成分の“スムーズ通勤”を実現。特許文献ではカフェインの経皮吸収を40％向上させた報告があり、リリィジュでは有効成分全体の浸透ブースターとして採用されています。

ニコチン酸アミド（ナイアシンアミド）

ビタミンB₃の一種。培養ヒト毛乳頭細胞でDKK‑1遺伝子発現を37％抑制し、酸化ストレス誘発性の早期脱毛を防いだ試験データがあります。さらに同試験では細胞増殖率＋35％と報告。

センブリエキス

主要成分スウェルチアマリンが末梢血管を拡張し、頭皮血流を15％増強したヒト試験が存在。６カ月連用で毛髪本数＋12％の臨床データも公開済み。

マロニエエキス

エスシンを豊富に含み、微小循環を整えることで毛母細胞への栄養供給を助けるポテンシャル成分。女性の薄毛症例で毛径＋6％が確認されています。

メリットとデメリット

メリット：第一に“浸透力設計”。基剤レベルでブースターを仕込み、ナイアシンアミドやセンブリエキスの効果発現を後押しします。第二に“女性視点のホルモンバランス対応”。イソフラボン系ダイズエキスが男性ホルモンの相対優位を穏やかに調整し、産後・更年期の抜け毛シナリオを想定した処方です。第三に“安全設計”。旧表示指定成分ゼロ＆アルコール濃度1 wt%未満で、敏感頭皮にも配慮。
デメリット：育毛有効成分（ニコチン酸アミドなど）は入るものの、発毛促進指定薬用成分（ミノキシジル等）は不使用。そのため外用単独での育毛スコア2.2点に留まります。また１か月5,289円（1 mL＝約71円）は同カテゴリ中央値（48円/mL）より48％割高。香料添加によりローズ系フローラルが苦手な方には連用ストレスになり得る点も要観察。

まとめ

リリィジュ RICHは「浸透×女性ホルモン様アプローチ」に全振りした一本。臨床ベースの“毛髪本数＋12％”級インパクトこそ期待薄ですが、ハリ・コシ復活に体感的な即効性を求めるなら有力候補です。逆に「生え際の後退」を止めたいユーザーはミノキシジル外用などとの併用を視野に入れた方が建設的。処方の完成度は高く、頭皮が弱いが香りも妥協したくない大人女性には刺さる設計です。

1. ◎ ハリ・コシ低下が気になるボリュームダウン派
2. ◎ 産後・更年期の抜け毛ケアを“やさしく”始めたい派
3. △ 明確な生え際後退を攻めるハイインパクト派
4. △ 香り付きアイテムが苦手な超敏感頭皮派