| 成分名 | カリ含有石ケン素地 |
| 慣用名・別名 | カリ石ケン素地, 石ケン素地, 脂肪酸カリウム塩, 高級脂肪酸アルカリ金属塩 |
| INCI名 | Potassium Soap |
| 由来 | 植物性,鉱物 |
| 推奨配合濃度 | 2〜15% |
| 適正pH域 | 9〜11 |
| EU規制 | 規制なし |
| 日本規制 | 化粧品成分基準収載 規制なし |
| カテゴリ | アニオン界面活性剤 |
カリ含有石ケン素地とは、水酸化ナトリウム(苛性ソーダ)と水酸化カリウム(苛性カリ)の両方を用いて油脂や高級脂肪酸をケン化・中和して得られる混合型アニオン界面活性剤である。水酸化ナトリウムのみで作った「石ケン素地」は固形石鹸になりやすく、水酸化カリウムのみで作った「カリ石ケン素地」は軟質・液状になりやすい。カリ含有石ケン素地はその中間的な性質を持ち、主として液体洗顔料・液体ボディソープ・シャンプーなどに使用される。
最大の問題は強アルカリ性(pH9〜11)であること。毛髪は等電点がpH3.5〜5.5であり、アルカリ性環境下でキューティクルが大きく膨潤・開裂する。結果として髪はきしみ・パサつき・ダメージを受けやすくなる。肌においても同様で、角質層のNMF(天然保湿因子)を過剰に溶出させ、皮膚バリア機能を著しく低下させる。この皮膚への保湿因子溶出能はSLS(ラウリル硫酸ナトリウム)をも上回るとの研究報告がある。
また、硬水地域では水中のカルシウムイオンやマグネシウムイオンと反応して不溶性の金属石鹸(石鹸カス)を形成しやすい。これが毛髪・皮膚表面に残留すると、くすみや乾燥感の原因となる。軟水の日本国内でも水道水中のミネラルによって一定程度発生し得る。環境面では界面活性剤としては比較的生分解性が高い部類に入るが、金属石鹸の形成により河川・下水処理に一定の負荷を与えうる。
「天然由来=安全」というイメージで石鹸系洗浄剤が選ばれる場面も多いが、植物由来でもアルカリ性によるダメージリスクは変わらない。敏感肌・乾燥肌・ダメージヘアの方は特に注意が必要であり、使用後は酸性のコンディショナーでpH補正を行うことが推奨される。育毛・スカルプケア目的の製品への配合は避けるべき成分といえる。