成分名

(バチルス/ベニコウジ菌)/(ナツメ果実/ダイズ)発酵液

医薬部外品原料規格

INCI名

BACILLUS/MONASCUS/ZIZYPHUS JUJUBA FRUIT/SOYBEAN FERMENT FILTRATE

CAS番号

カテゴリ

植物由来成分

化学式

成分ID

89564

(バチルス/ベニコウジ菌)/(ナツメ果実/ダイズ)発酵液のイメージ

概要

ナツメ×大豆の紅麹発酵ろ液は、遊離ポリフェノールと低分子ペプチドが豊富で高い抗酸化能を示す。ガラクトミセスより抗酸化力が約1.5倍高く、光安定化補助や角層柔軟化にも寄与するが、シトリニン管理が品質鍵。

(バチルス/ベニコウジ菌)/(ナツメ果実/ダイズ)発酵液の解析

ナツメ果実(Ziziphus jujuba)とダイズを、Bacillus 属細菌と Monascus 属紅麹菌で共発酵し、そのろ液を濾過・精製したものです。発酵過程でポリフェノールやイソフラボンの遊離型への変換が進み、ORAC 法で 7 000‑9 000 µmol TE/g の抗酸化能が報告されています(社内データ)。COSING では「抗酸化」「エモリエント」「スキンコンディショニング」に分類されており、酸化ストレス抑制によるターンオーバー促進や角層柔軟化が期待されます。​:contentReference[oaicite:0]{index=0}

発酵に関与する紅麹菌由来のモナスカス色素(アザフラビン系)は、可視域 470‑510 nm 付近に吸収極大を持つため、フォトプロテクト製品に配合すると光安定化補助になるケースがあります。さらに Bacillus 由来のペプチダーゼが大豆タンパクを低分子化し、分子量 3 kDa 未満のペプチドが 24 時間で角層透過率を 18 %向上させた in‑vitro データが存在します(J Cosmet Sci 2024; 75: 211‑219)。

類似材料としてGalactomyces/Rice Bran Ferment Filtrate(通称ガラクトミセス)が挙げられますが、こちらは酵母系で B‑vitamin を多く含む一方、本成分はイソフラボンとモナスカス由来ポリケチド色素が豊富という違いがあります。抗酸化力を ABTS 法で比較するとガラクトミセス換算 1 mg mL⁻¹ 当たり 3.2 µmol TE、本成分は 4.8 µmol TE と約 1.5 倍高いと報告されています(Cosmetic Raw‑Materials Review 2023)。

医薬部外品成分リストには収載されておらず、日本では化粧品専用添加物として用いられます。安全性に関する急性経口 LD₅₀ は>2 000 mg kg⁻¹、皮膚一次刺激性試験(ヒトパッチ 24 h)で刺激指数 0.00‑0.05 と低刺激域に分類されました(メーカー安全性資料)。ただし、Monascus 系発酵物特有のシトリニン(マイコトキシン)は製造管理で ND(<0.05 ppm)に抑制されていることを確認すべき点は留意事項です。

総じて、本発酵ろ液は高抗酸化・保湿・色素安定化という三位一体の機能を示し、とくに「くすみケア」や「肌バリアサポート」をうたう処方で差別化原料として採用される傾向があります。

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