成分名
医薬部外品原料規格
INCI名
CAS番号
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化学式
成分ID
発酵に関与する紅麹菌由来のモナスカス色素(アザフラビン系)は、可視域 470‑510 nm 付近に吸収極大を持つため、フォトプロテクト製品に配合すると光安定化補助になるケースがあります。さらに Bacillus 由来のペプチダーゼが大豆タンパクを低分子化し、分子量 3 kDa 未満のペプチドが 24 時間で角層透過率を 18 %向上させた in‑vitro データが存在します(J Cosmet Sci 2024; 75: 211‑219)。
類似材料としてGalactomyces/Rice Bran Ferment Filtrate(通称ガラクトミセス)が挙げられますが、こちらは酵母系で B‑vitamin を多く含む一方、本成分はイソフラボンとモナスカス由来ポリケチド色素が豊富という違いがあります。抗酸化力を ABTS 法で比較するとガラクトミセス換算 1 mg mL⁻¹ 当たり 3.2 µmol TE、本成分は 4.8 µmol TE と約 1.5 倍高いと報告されています(Cosmetic Raw‑Materials Review 2023)。
医薬部外品成分リストには収載されておらず、日本では化粧品専用添加物として用いられます。安全性に関する急性経口 LD₅₀ は>2 000 mg kg⁻¹、皮膚一次刺激性試験(ヒトパッチ 24 h)で刺激指数 0.00‑0.05 と低刺激域に分類されました(メーカー安全性資料)。ただし、Monascus 系発酵物特有のシトリニン(マイコトキシン)は製造管理で ND(<0.05 ppm)に抑制されていることを確認すべき点は留意事項です。
総じて、本発酵ろ液は高抗酸化・保湿・色素安定化という三位一体の機能を示し、とくに「くすみケア」や「肌バリアサポート」をうたう処方で差別化原料として採用される傾向があります。
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