解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
資生堂ジャパン (SHISEIDO JAPAN)ブランド名
SHISEIDO GINZA TOKYO容量
150ml参考価格
9900円1mlあたり
66円JANコード
4514254145814ASIN
B0D4Y98T7H発売日
20240521KaisekiID
10797全成分
解析チームです。創業150年超の資生堂――その技術結晶ともいえるバイタルパーフェクション ブライトリバイタル ローションは、“ハリと美白*を一挙に”を掲げた医薬部外品ローションです。資生堂研究所が蓄積してきたメラニン制御研究と、植物エキス×高機能エモリエントを組み合わせた処方は、処方組み立ての緻密さが際立つ一方、150 mLで9,900円という価格に首をかしげる声も。今回は“美白ローションは価格に比例するのか?”という永遠の命題を深掘りします。
総合ランク624位/672製品、総合点2.21/5。業界平均(3.0)比で−26 %と苦戦気味です。コスト指標に目を向けると、本品は66円/mL。高価格帯代表SK‑II フェイシャルトリートメントエッセンス(75 mL/12,650円=169円/mL)より61 %安価ですが、同社エリクシール ブライトニングローションWT(170 mL/3,630円=21円/mL)より3倍高価。コスト対効果が評価に直結し、ホワイトニングスコア2.8が平均並みなのもランク低迷の一因でしょう。口コミ評価4.2/5は「リピ率高めの隠れ推し」カテゴリに当たり、売上ランキング791位と“静かなファン層”が支える構図が見えます。
余談ですが、2024年の国産美白ローション市場は前年比+14 %拡大(日本化粧品工業連合会調べ)。そのうち植物エキス主導型は全体の11 %と限定的で、資生堂のような大手が高単価帯で攻める例はなお希少です。
月桃(Alpinia zerumbet)の葉ポリフェノールは抗酸化能IC50=18 µg/mLとビタミンC並みの活性を示し、コラーゲン分解酵素MMP‑1活性を35 %抑制した報告があります。加えてPPAR‑γ活性化で血管内皮細胞の老化を抑制したマウス試験も。肌弾力を守りながらハリ感を底上げする“緑の盾”といえます。
資生堂が誇るメラニン排出促進型美白有効成分。自社臨床でシミ面積−11 %/12週を示し、ハイドロキノン誘導体に比べ刺激リスクを抑えた点が特徴です。チロシナーゼ活性は24 %抑制に留まるものの、角質ターンオーバー促進による“押し出し美白”が光ります。
高純度の炭化水素エモリエントで、皮膜形成性はスクワランに匹敵。最新潤滑油研究ではポリアルファオレフィン(PAO)の酸化安定性が天然スクワランに迫る結果が報告され、スキンケアでもTEWL▲18 %と水分蒸散抑制に寄与する可能性が示唆されています。
0.5 %塗布でUVB誘発シワ形成を45 %減らした動物試験があり、血行促進によるくま改善も期待。さらに近年のレビューでは抗酸化・DNA修復促進作用も報告され、隠れた“フォトエイジングの消防士”です。
メリット: 最大の長所は多層防御型ブライトニング。4MSKが“排出”、ゲットウ葉エキスが“抗酸化&コラーゲン保護”、カフェインが“紫外線後ケア”と、シミ発生プロセスを多角的にブロック。さらにα‑オレフィンオリゴマーがスクワラン級の保水膜を形成し、バリア強度アップが期待できます。資生堂独自の「VP8テクノロジー」(ゲットウ葉・アシタバ・茶葉などの複合)を含むため、表皮遺伝子発現解析でセラミド合成関連遺伝子を+38 %上昇させたデータも。
デメリット: とはいえホワイトニングスコア2.8は平均的。ハイドロキノン誘導体やビタミンC誘導体高濃度製品と比べ即効性に欠け、敏感肌向けにエタノール配合量を抑えた結果、浸透スピードはやや鈍重。成分数38と多く、香料・着色料を含むため“極限シンプル処方”愛好家には不向きです。コスパ指数2.37はミドルハイ層を超えたラグジュアリーユーザー向け。最後に、赤227・黄4のタール色素はブランディングの香りづけ程度なので、刺激感がゼロとは言い切れません。
価格とブライトニング効果のバランスに悩むなら、このローションは“攻めより守り”の一本。“ガツンと漂白”よりも、じわりとシミの輪郭をぼかしながらハリを補強する設計です。処方には最新の植物バイオ研究が詰まり、発酵コスメに飽きたユーザーへ“和漢スパイス”という選択肢を提示。高価ゆえ毎日浴びるように使うより、肌が揺らいだ夜のレスキューとして投入すると真価を発揮しそう。美白を最優先に追うなら物足りなさは否めませんが、“ハリ×くすみ×バリア”を同時に底上げしたい30代後半からの肌にはフィットするポテンシャルあり。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。