解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
スハマ化学ブランド名
スハマ化学容量
2000ml参考価格
2195円1mlあたり
1.1円JANコード
4992668006011ASIN
B0D5CR2QKPKaisekiID
9946解析チームです。「シンプルイズベスト」という言葉がありますが、シャンプーの世界でも当てはまるのでしょうか?今日は、スハマ化学が製造する「スハマ ピンクオイルシャンプー」という商品について、徹底的に解析した結果をお伝えします。
皆さん、シャンプーを選ぶ時、何を基準にしていますか?香りや使用感、それとも成分でしょうか?このピンクオイルシャンプー、一見すると自然派のイメージがありますが、実態はどうなのでしょう。ヤシの実由来と聞くと体に優しそうですが、それだけで安心していいのでしょうか?
実は、シャンプーの世界には知られざる真実がたくさんあります。今回は、その一端を皆さんにお伝えしていきます。さあ、一緒にこの商品の真の姿に迫っていきましょう。
解析結果によると、このスハマ ピンクオイルシャンプーの総合順位は、なんと2966個中1552位。5点満点中わずか1.96点という驚くべき低評価です。これは一体どういうことなのでしょうか?
まず目を引くのが、素材のレベルの低さです。5点満点中1.2点という衝撃的な数字が示すように、このシャンプーの原材料の質には大きな問題があります。さらに、使用感も1.5点と低く、ユーザー体験の面でも課題がありそうです。
一方で、安全性は3.1点とやや高めの評価を得ています。しかし、これは単に刺激が少ないということを示しているだけかもしれません。髪の健康に本当に良いのかどうかは、別の観点から考える必要がありそうです。
容量は2000mlと大容量ですが、価格は2195円。一見コスパが良さそうに見えますが、実際のコスパ評価は5点満点中2.2点と決して高くありません。これは、商品の質を考慮すると、必ずしも「安いから良い」とは言えないということでしょう。
この商品の全成分リストを見てみると、わずか8個の成分しか使用されていないことがわかります。これは、一般的なシャンプーと比べると驚くほど少ない数です。
主な成分は水、ヤシ油、水酸化K(水酸化カリウム)、パーム核油脂肪酸アミドDEA、PEG-3コカミドです。これらは基本的に洗浄剤としての役割を果たしています。特に水酸化Kは、ヤシ油と反応させてセッケンを作る役割があります。
しかし、ここで注目すべきは、髪や頭皮をケアするような成分がほとんど含まれていないということです。一般的なシャンプーには、保湿成分やコンディショニング成分が含まれていますが、このシャンプーにはそれらが見当たりません。
さらに気になるのが、着色料として使用されている赤215です。これは合成着色料の一種で、必要以上に使用すると頭皮への刺激となる可能性があります。
このシャンプーのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
メリットとしては、以下の点が挙げられます:
一方で、デメリットは次のようなものがあります:
特に注目すべきは、このシャンプーのpH値です。一般的に、健康な髪と頭皮のpHは4.5〜5.5程度の弱酸性です。しかし、このシャンプーは石鹸ベースであり、強アルカリ性である可能性が高いのです。
アルカリ性のシャンプーを継続して使用すると、髪のキューティクルが開いてしまい、髪の内部の水分や油分が失われやすくなります。その結果、髪がパサつきやすくなったり、切れ毛や枝毛が増えたりする可能性があります。
さらに、頭皮への影響も懸念されます。頭皮は弱酸性の状態が最も健康的ですが、アルカリ性のシャンプーを使い続けると、頭皮の酸性膜が破壊され、バリア機能が低下する可能性があります。これにより、頭皮トラブルや脱毛のリスクが高まる可能性があるのです。
この点について、Journal of Cosmetic Dermatologyに掲載された研究では、「pHの高いシャンプーの使用は、頭皮や髪の健康に悪影響を及ぼす可能性がある」と指摘されています[1]。
ここで少し話は逸れますが、石鹼シャンプーの歴史について触れてみましょう。実は、シャンプーの起源は石鹼にあります。19世紀後半まで、人々は髪を洗うのに普通の石鹼を使っていました。
しかし、石鹼には大きな問題がありました。それは、硬水と反応して不溶性の石鹼カスを作ってしまうことです。この石鹼カスは髪に付着して、ギシギシした不快な感触を残します。また、アルカリ性の強い石鹼は髪や頭皮にダメージを与えることもわかってきました。
そこで20世紀に入ると、より髪に優しい合成洗浄剤(サーファクタント)を使ったシャンプーが開発されるようになりました。これにより、髪や頭皮への負担が減り、より効果的な洗髪が可能になったのです。
この歴史を踏まえると、現代において石鹸ベースのシャンプーを使用することは、ある意味で「時代に逆行している」とも言えるかもしれません。もちろん、天然由来の原料を使っているという点では一定の意義がありますが、髪や頭皮の健康という観点からは疑問が残ります。
みなさん、いかがでしたか?このスハマ ピンクオイルシャンプー、思わず「これ、本当にシャンプーなの?」と言いたくなるような驚きの連続でしたね。
確かに、「天然やしの実の油を主原料として作られた」という謳い文句は魅力的に聞こえます。しかし、私たちの解析結果は、この商品が髪や頭皮の健康にとって決して理想的なものではないことを示しています。
シンプルな成分構成は、時として「必要なものが足りない」ということを意味します。このシャンプーには、現代の髪質改善シャンプーに期待される保湿成分やコンディショニング成分が不足しています。それどころか、アルカリ性の強い洗浄剤が髪や頭皮にダメージを与える可能性すらあるのです。
さらに、着色料の使用も気になるポイントです。シャンプーに色をつける必要はあるのでしょうか?むしろ、不要な化学物質を避けたいと考える消費者のニーズに反しているようにも思えます。
コスパの面でも、一見お得に見える大容量・低価格ですが、髪や頭皮への悪影響を考えると、決して経済的とは言えないでしょう。むしろ、長期的に見れば髪の傷みを修復するためのコストがかかる可能性すらあります。
結論として、このシャンプーは「安くて大容量だから」という理由だけで選ぶべきものではありません。髪や頭皮の健康を大切にしたい方には、もっと適切な選択肢があるはずです。
シャンプー選びは、単に「洗える」だけでなく、「髪や頭皮にとって何が最適か」を考えることが重要です。皆さんも、自分の髪質や頭皮の状態に合わせて、慎重にシャンプーを選んでいただきたいと思います。
最後に、この商品の分析から得られた重要なポイントをまとめてみましょう:
[1] Trüeb, R. M., Henry, J. P., Davis, M. G., & Schwartz, J. R. (2018). Shampoo and conditioners: What a dermatologist should know. Journal of Cosmetic Dermatology, 17(6), 1073-1081.
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。