解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
スハマ化学ブランド名
スハマ化学容量
2000ml参考価格
3138円1mlあたり
1.6円JANコード
4992668801302ASIN
B0D49K6H1H発売日
20240516KaisekiID
9950「自然は善か、悪か」。今日は、スハマ化学のトニックシャンプーについての解析結果をお伝えします。解析チームです。
皆さん、「天然」や「自然」という言葉を聞くと、どんなイメージを持ちますか?優しい?安全?実は、この「天然」という言葉には、私たちが気づいていない落とし穴があるんです。
スハマ化学は、1932年創業の老舗化粧品メーカーです。90年以上の歴史を持つ会社が作る「天然やしの実の油を主原料とした」シャンプー。一見すると、安心して使えそうな製品に思えますね。しかし、その実態はどうなのでしょうか?
解析結果によると、このスハマ トニックシャンプーの総合順位は2966個中1594位という結果でした。正直に言って、これはかなり厳しい評価です。
総合点は5点満点中1.93点と、平均を大きく下回っています。特に注目すべきは個別の評価項目です。
まず、素材のレベルが5点満点中1.1点と非常に低い評価を受けています。天然素材を使用しているにもかかわらず、この評価は意外に感じるかもしれません。
さらに驚くべきは、洗浄力が0.7点という極めて低い評価です。シャンプーの本来の役割である洗浄力が、これほど低いのは大きな問題です。
使用感も1.4点と低評価です。これは、石けんベースの製品特有の使用感が影響しているかもしれません。
一方で、安全性は3.1点と比較的高めの評価を受けています。これは、天然素材を使用していることが影響しているのでしょう。
この商品の主要成分はヤシ油と水酸化Kです。これらの組み合わせで石けんが作られています。
ヤシ油は、確かに天然由来の油脂です。しかし、2015年の研究によると、ヤシ油由来の界面活性剤は、合成界面活性剤と比較して必ずしも肌に優しいわけではないことが示されています[1]。むしろ、一部の合成界面活性剤の方が肌への刺激が少ないケースもあるのです。
さらに重要なのは、石けんのpHです。石けんは一般的にアルカリ性を示します。2018年の研究では、アルカリ性の洗浄剤が皮膚のバリア機能を損なう可能性が指摘されています[2]。つまり、「天然」だからといって必ずしも肌に優しいわけではないのです。
では、このスハマ トニックシャンプーのメリットとデメリットを詳しく見ていきましょう。
メリットとしては、まず天然由来成分を使用している点が挙げられます。化学合成物質に抵抗感がある方にとっては、魅力的に映るかもしれません。
また、大容量(2000ml)でコストパフォーマンスが良い点も魅力です。1回あたりの使用量を6〜8倍に薄めて使用することを考えると、かなりの回数使用できそうです。
しかし、デメリットはメリットを大きく上回ります。最大の問題は、洗浄力の低さです。シャンプーとしての基本的な機能が果たせていない可能性があります。2019年の研究では、適切な洗浄力を持つシャンプーが頭皮の健康維持に重要であることが示されています[3]。
次に、石けんベースによる肌への負担も大きな懸念点です。先述の通り、アルカリ性の石けんは皮膚のバリア機能を損なう可能性があります。これは特に、敏感肌や乾燥肌の方にとっては重大な問題となるでしょう。
さらに、使用感の悪さも無視できません。石けんベースのシャンプーは、髪がきしむ感覚や、すすぎにくさを感じる方も多いでしょう。
ここで、シャンプーに関する興味深い事実をご紹介しましょう。実は、人間の頭皮の正常なpHは4.5〜6.5の弱酸性です[4]。これに対し、石けんベースのシャンプーはアルカリ性を示すため、頭皮のpHバランスを崩す可能性があるのです。pHバランスが崩れると、頭皮のバリア機能が低下し、様々なトラブルを引き起こす可能性があります。
さて、みなさん、いかがでしたか?このスハマ トニックシャンプー、一見「天然」で「優しい」イメージがありながら、実は多くの問題を抱えている製品でしたね。まるで、「羊の皮を被った狼」のような、そんな印象を受けます。
この製品は、ある意味で「自然信仰」の象徴とも言えるでしょう。確かに、天然由来の成分を使用し、化学合成物質を極力避けているという点では、一定の評価ができます。しかし、それだけでは良い製品とは言えないのです。
シャンプーの本質的な役割は何でしょうか?それは、髪と頭皮を清潔に保ち、健康な状態を維持することです。しかし、このシャンプーは、その基本的な機能さえも十分に果たせていない可能性があります。洗浄力の低さは、まさにシャンプーとしての存在意義を揺るがすものです。
さらに、石けんベースによるアルカリ性という特徴は、頭皮の健康にとってはむしろマイナスに働く可能性があります。「自然」や「天然」という言葉に惑わされず、科学的な視点から製品を評価することの重要性を、この製品は教えてくれているのかもしれません。
では、この製品をどのように捉えるべきでしょうか?
まず、化学合成物質に強いアレルギーがある方、または極端に自然志向の強い方にとっては、一つの選択肢になるかもしれません。ただし、その場合でも、使用後の頭皮の状態や髪の洗い上がりを慎重に観察する必要があります。
また、大容量であることを活かし、ボディソープとして使用するのも一案かもしれません。ただし、その場合も肌の状態をよく観察し、乾燥や刺激を感じたら使用を中止することが重要です。
しかし、多くの方にとっては、このシャンプーを選択する理由は少ないでしょう。現代の科学技術を駆使した、より効果的で肌に優しいシャンプーが数多く存在します。それらは「天然」ではないかもしれませんが、頭皮と髪の健康を考えれば、むしろ好ましい選択肢となるはずです。
結局のところ、このスハマ トニックシャンプーは、「自然=良いもの」という固定観念に一石を投じる存在と言えるでしょう。確かに自然の恵みは素晴らしいものです。しかし、それを製品化する過程で、どれだけ科学的な裏付けがあるか、どれだけ使用者の利益を考えているか、そういった点こそが重要なのです。
スキンケアやヘアケアの世界では、日々新しい技術や成分が開発されています。時には「天然」や「自然」という言葉に惑わされず、客観的な目で製品を選ぶことが、本当の意味で自分の肌や髪に優しい選択につながるのではないでしょうか。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。