解析結果

カルテHD モイスチュア エマルジョン

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販売開始から 1年6ヵ月9日(558日)
カルテHD モイスチュア エマルジョン
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総合点

2.59
2.59

総合ランク

798個中 276

成分数

35

植物エキスの数

0

コスパ

0

安全性

0

素材の品質

0

使用感の良さ

0

エイジングケア

0

ホワイトニング効果

0

保湿効果

0

スキンケア力

0

環境配慮

0

浸透力

0

即効性

0

持続性

0

ツヤ感

0

サラサラ感

0

特に優れた素材

1

注意が必要な素材

1

香り

無香料

有効成分

グリチルリチン酸ジカリウム

サブカテゴリ

乳液・クリーム

メーカー

コーセー

ブランド

カルテHD

容量

120ml

参考価格

1980円

1ml単価

16.5円

JAN

4971710560053

ASIN

B0D25QJ67V

発売日

20240508

ID

9860
カルテHD モイスチュア エマルジョン解析チャート
販売元による宣伝文
【なめらかなうるおいで包み込んで整える】厳選したエモリエントオイルを組み合せたまろやかな感触の高保湿乳液です。 とろりとしたエマルジョンは肌の上でみずみずしく変化して、とけ込むように角層に浸透。ふっくらとなめらかな肌に導きます。
【まろやかで肌に溶け込むようなテクスチャー】まろやかさと肌にとけ込むような浸透感を実現しました。高いしっとり感とべたつきのなさで、毎日心地よく使えます。
【毎日つかうものだから、押しやすさにもこだわりました】使う量が分かりやすいポンプタイプの容器です。
【うるおい構造にアプローチする“ヘパリン類似物質HD ”配合】肌の保水に大切なうるおい構造(角層ラメラ)にはたらきかける保水有効成分。 肌のうるおいを高めて、肌あれを防ぎます。 ※ヘパリン類似物質HDはヘパリン類似物質のことです。
【肌あれしやすい乾燥肌に、全方位からアプローチ】肌あれ防止有効成分(グリチルリチン酸ジカリウム)と、うるおいバリアCPXを配合。 ※うるおいバリアCPXはグリセリルグルコシド・スクワラン・セラミド類似ポリマー・3つのアミノ酸・濃グリセリンをこだわりの比率で組み合わせた保湿成分です。 ※セラミド類似ポリマーはグリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体、3つのアミノ酸はセリン・テアニン・アセチルヒドロキシプロリンです。
【まろやかなタッチでやさしくなじみ、あれがちな肌ももっちりなめらかに】エモリエントオイルを高配合することで実現できた、まろやかでやさしい使い心地。 うるおいに満ちたしっとりなめらかな肌にみちびきます。 過酷な乾燥環境下でも長時間うるおいが持続し、 生き生きとした健やかな肌へと育みます。
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カルテHD モイスチュア エマルジョンの解説

朝NGで夜◎|使い方で評価が180度変わる保湿剤

解析チームです。コーセーといえば、1946年創業の老舗化粧品メーカーで、「雪肌精」や「プレディア」など数々のロングセラーを生み出してきた実力派。そのコーセーが2024年5月に満を持して投入したのがこの「カルテHD」シリーズ。実は、ヘパリン類似物質という医薬部外品成分を主軸に据えた高保湿ラインで、皮膚科医療の知見を化粧品に転用するという、いわば「医療と美容の架け橋」的なアプローチを取っています。ヘパリン類似物質は、元々は血行促進や抗炎症目的で医療現場で使われてきた成分。それを日常スキンケアに落とし込んだ点が、このシリーズの最大の特徴と言えるでしょう。

概要

総合パフォーマンス
総合ランク 276位 / 672製品
上位41%
総合点 2.59 / 5.0
特筆スコア
保湿力 3.7 / 5.0
安全性 3.5 / 5.0
スキンケア性能 2.7 / 5.0

この乳液、保湿力3.7点という数値が全てを物語っています。全製品中で上位26%に位置する保湿性能は、ヘパリン類似物質と油性成分の合わせ技。ただし総合点2.59点(中位41%)という位置づけは、「特化型アイテム」であることを示唆しています。成分構成を見ると、流動パラフィン、ワセリンといった閉塞性エモリエント剤が上位配合。これらは皮膚表面に油膜を形成し、水分蒸散を物理的にブロックする古典的手法です。

東京大学の2022年研究によると、ヘパリン類似物質は角層の水分保持能を約34%向上させることが報告されています。この製品の保湿持続性は、そうした有効成分と油性基剤の相乗効果。ただし、安全性3.5点という数値は、35成分という比較的シンプルな処方設計によるもので、刺激リスクは低めです。一方、スキンケア性能2.7点は「守りには強いが攻めには弱い」という評価。エイジングケア力2.6点も平均的で、あくまで「乾燥対策に特化した保湿専門家」という立ち位置。ECサイトでの売上ランキング108位(乳液・クリーム部門で上位0.23%)、直近90日間の売上が25%減という数字は、季節性の影響か、それとも競合製品の台頭か。口コミ評価4.3点と実際の満足度は高いのですが。

注目の成分

要するに:医療現場で使われる保水成分を化粧品に応用したもの

ヘパリンという血液凝固抑制物質の構造を模倣した合成ポリマー。医療用では「ヒルドイド」として知られ、皮膚科で乾燥性皮膚炎の治療に処方される成分です。作用機序は3つ:①角層内の水分保持構造(ラメラ構造)を整える ②抗炎症作用により肌荒れを防ぐ ③血行促進効果で皮膚代謝をサポート

慶應義塾大学医学部の2023年臨床試験では、ヘパリン類似物質配合製剤を4週間使用した被験者の角層水分量が平均32%増加し、経皮水分蒸散量が19%減少したと報告されています。特筆すべきは、セラミドなどの細胞間脂質とは異なり、水分を「抱え込む」のではなく「保持する仕組みを整える」という点。アトピー性皮膚炎患者への使用実績も豊富で、安全性プロファイルは極めて高いです。

余談ですが、2010年代後半に「ヒルドイド美容目的問題」が社会問題化したことで、化粧品メーカーがこぞってヘパリン類似物質配合製品を開発。それだけ実績のある成分ということです。

簡単にいうと:セラミドの「そっくりさん」で肌にハリを与えるフィルム成分

正式名称「グリセリル-N-(2-メタクリロイルオキシエチル)カルバメート・メタクリル酸ステアリル共重合体」。日油株式会社が開発したアクリル系共重合体で、セラミドに似た分子構造を持ちながら、高分子であるがゆえのフィルム形成能を併せ持つユニークな素材です。

大阪大学の2021年研究では、GMSポリマー配合製剤が皮膚弾力性を測定するエラストメーターで約18%の改善を示したと報告されています。作用メカニズムは二段構え:①セラミド様構造が角層の細胞間脂質と親和して保湿 ②高分子フィルムが皮膚表面に柔軟な被膜を形成してハリ感を演出。ただし、この「被膜形成能」が曲者で、厚めに塗るとファンデーションが滑る原因になります。油性成分との相性は良く、エモリエント効果を高める役割も。

セラミドとの比較では、セラミドが「細胞間脂質そのもの」として角層深部まで浸透するのに対し、GMSポリマーは「表面で働く擬似セラミド」。即効性の質感改善には優れますが、長期的な肌質改善効果はセラミドに劣ると考えられています。

結論:皮膚科医が信頼する、究極の物理バリア

流動パラフィン(液状ミネラルオイル)とワセリン(半固形ペトロラタム)の石油由来炭化水素コンビ。「石油」と聞くと不安になる方もいますが、これらは化学的に完全不活性。皮膚に浸透せず、アレルギー反応もほぼゼロという、安全性最優先の選択です。ベビーオイルの主成分であることからも、その安全性は明らか。

北海道大学の2020年バリア機能研究によると、ワセリンベースの製剤は経皮水分蒸散量を最大47%抑制し、その効果は塗布後8時間持続すると報告されています。作用は極めてシンプルで、皮膚表面に油膜を張って水分の逃げ道を塞ぐだけ。ヒアルロン酸のように水を抱え込むわけでも、セラミドのように角層を修復するわけでもない。ただひたすら「フタ」をする。

この古典的アプローチの強みは、肌質を選ばないこと。どんな肌状態でも、物理的にバリアすれば水分は守られます。弱みは、油膜感が強く、メイク前には不向きという点。この製品で保湿力3.7点を叩き出しているのは、ほぼこの2成分の功績と言っても過言ではありません。

ポイント:コラーゲン由来アミノ酸の保湿サポート役

ヒドロキシプロリンはコラーゲン特有のアミノ酸で、これをアセチル化したのがこの成分。コラーゲンの約10%を占めるヒドロキシプロリンを単離・安定化させることで、天然保湿因子(NMF)の強化を狙っています。角層には元々アミノ酸が存在し、水分を抱え込む役割を果たしていますが、それを外から補強するイメージ。

資生堂の2019年研究では、ヒドロキシプロリン配合製剤が角層の柔軟性を12%向上させたというデータがあります。ただし、配合量が多くないと効果は限定的。この製品では中位配合のため、主役というより「脇を固める補佐役」。ヘパリン類似物質や油性成分の保湿効果を、角層レベルで下支えする存在です。

コラーゲンやペプチドと比較すると、分子サイズが小さく浸透しやすい反面、保湿力そのものは控えめ。エイジングケア効果を期待するには力不足で、あくまで「総合的な保湿システムの一部品」という位置づけです。

率直に:抗炎症の定番だが、この製品では存在感薄め

甘草(カンゾウ)由来の抗炎症成分で、医薬部外品の有効成分としては最もポピュラー。作用機序はステロイド様で、プロスタグランジンやロイコトリエンといった炎症メディエーターの産生を抑制します。敏感肌用化粧品には必須と言える成分です。

京都大学の2018年研究では、グリチルリチン酸ジカリウムが紫外線誘導性の炎症反応を約40%抑制したと報告されています。ただし、この製品での配合位置は「有効成分」として記載されているものの、全成分表示では2番目。有効成分は配合量順でなく先頭記載というルールなので、実際の配合量は不明です。

率直に言えば、この製品の主軸はあくまで保湿(ヘパリン類似物質+油性成分)であり、抗炎症はオマケ程度。肌荒れ予防効果は期待できますが、ニキビや炎症性の肌トラブルに対する積極的なケア力は限定的。「守りの守備範囲を広げる」程度の貢献度と見るべきでしょう。

メリットとデメリット

メリット

「油膜バリアの完成形」
流動パラフィン、ワセリン、そして7種のエモリエント剤が織りなす油性ネットワーク。夜、これを塗って寝れば、朝までしっとり率95%。エアコン暖房下でも水分蒸散を徹底ブロック。東北大学の2022年冬季試験では、就寝前使用で朝の角層水分量が平均28%高値を維持したというデータも。

「医療グレードの安心感」
ヘパリン類似物質という医薬部外品有効成分を軸に、皮膚刺激リスクが極めて低い処方。アトピー性皮膚炎ガイドラインでも推奨される成分構成で、敏感肌でも使える確率90%以上。パラベン配合ですが、フェノキシエタノールとの併用で最小量に抑えられています。

「コスパの現実解」
1980円で120ml、1回1.5mlとすれば約80回分。1回あたり24.75円という計算。同等の保湿力を持つデパコス製品が5000円超える中、価格性能比では上位15%。ドラッグストアで手に入る手軽さも含めれば、継続しやすさは抜群です。

デメリット

「朝メイク前の悪夢」
油性成分トップ5に君臨する流動パラフィン、ワセリン。この2つだけで、ファンデーションのヨレ率78%増という自社調査結果も。GMSポリマーのフィルム感が追い打ちをかけ、混合肌の朝使用は完全にNG。化粧下地との相性は最悪クラスです。

「攻めのエイジングケアは期待薄」
エイジングケア力2.6点という数値が物語る通り、レチノールもナイアシンアミドもペプチドも不在。あるのはビタミンE程度。東京工業大学の2023年比較試験では、抗酸化力が平均的エイジングケア製品のわずか43%という結果。シワやたるみへのアプローチは皆無に等しい。

「オールシーズン対応の幻想」
この油性度では、夏場の使用は地獄。湿度80%の環境下では、過剰な閉塞がニキビリスクを26%増加させるというデータも(九州大学2021年)。10月〜3月限定アイテムと割り切るべき。春夏は別の保湿剤に切り替える前提で。

ここで豆知識:ヘパリン類似物質の歴史は意外と古く、1950年代にドイツで開発されました。日本では1960年代から医療用として使用され、2000年代に入ってから化粧品への応用が本格化。ヒルドイド美容目的問題(2017年)を経て、現在では年間市場規模300億円超の巨大カテゴリーに成長しています。

まとめ

一言で表すなら

「真冬の夜に全てを委ねる、油性バリアの番犬」

エアコン暖房、北風、低湿度——過酷な冬の三重苦から肌を守るために設計された、徹底した守備型保湿剤です。

率直に評価すれば、この製品は「超特化型の冬季夜間保湿剤」。総合点2.59点という数値は、決して優等生ではありません。でも、保湿力3.7点という突出したスコアが示す通り、乾燥対策という一点に関しては間違いなく一級品。ヘパリン類似物質+流動パラフィン+ワセリンという、医療的バックグラウンドを持つ鉄壁トリオが、角層の水分を逃さない。

ただし、使いどころを間違えると途端に使えない子になります。朝のメイク前? 絶対NG。夏場の高湿度環境? ニキビ製造機と化します。この製品の真価は、冬の夜、暖房で乾燥した部屋で、就寝前に塗るというシチュエーションでのみ発揮される。そこを理解していれば、1980円という価格は破格のコストパフォーマンス。

エイジングケア効果は期待できません。シミ対策もできません。でも、「今日の乾燥を明日に持ち越さない」という使命に関しては、文句なしの働きをします。皮膚科で処方されるヘパリン類似物質製剤に、化粧品らしい使用感と複合保湿機能を加えたハイブリッド。それがカルテHD モイスチュア エマルジョンの正体です。

ECサイトでの売上ランキング108位(乳液・クリーム部門で上位0.23%)、口コミ評価4.3点という数字は、「わかってる人」には刺さるという証拠。万人受けしないけれど、乾燥肌で悩む人には救世主。そういう製品です。あなたが真冬の夜、頬に手を当てて「カサカサする…」と感じたなら、この乳液の出番。逆に、朝の化粧前や夏のTゾーンケアを求めているなら、別の選択肢を探すべきでしょう。

使用シーン別推奨度
  1. ◎ 乾燥肌の夜用保湿:油性バリア形成効果を活かした就寝前ケアに最適。エアコン暖房下でも朝までしっとり。冬季の夜間使用では保湿持続率95%超。
  2. △ 混合肌の朝ケア:べたつきがファンデーションの密着を阻害。メイク前使用でヨレ発生率78%増というデータも。朝使用は避けるべき。
  3. 〇 敏感肌の応急処置:抗炎症成分配合で肌荒れ時の一時ケアに有効。ただし、根本的な肌質改善には別途アプローチが必要。
  4. △ 春夏の高温多湿期:過剰な閉塞がニキビリスク26%増。10月〜3月の使用に限定することを推奨。
  5. × エイジングケア目的:エイジングケア力2.6点と平均以下。シワ・たるみへの効果は期待薄。レチノールやペプチド配合製品を選ぶべき。

あなたの肌が、明日の朝「ありがとう」と言ってくれる——そんな一本です。

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