解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
オルビス(ORBIS)ブランド名
オルビス(ORBIS)容量
215ml参考価格
1430円1mlあたり
6.7円JANコード
4908064094026ASIN
B0719BG6G2発売日
20170510KaisekiID
10762解析チームです。
今回ピックアップするのは、ORBIS(オルビス)のCLEARFUL(クリアフル) クリアボディ スムースローション。2017年から登場している定番アイテムですが、派手さはなくとも"毎日の肌ケアにちょうどいい"という信頼感がにじみ出る、いぶし銀のような存在です。ORBISは言わずと知れた老舗通販コスメブランド。油分フリーのスキンケアアイテムで名を馳せており、ニキビケア市場においても地盤は固め。今回のアイテムはボディ用化粧水、つまり顔ではなく「背中」や「胸元」など、皮脂分泌が盛んな部位にターゲットを絞った医薬部外品です。スプレータイプで逆さでも使えるという”地味に嬉しい仕様”まで押さえており、「これでいい」じゃなくて「これがいい」と言わせる完成度が魅力。さて、数字の面からも深掘りしていきましょう。
クリアボディ スムースローションは全672アイテム中599位と、正直上位ランカーではありません。ただし、口コミ評価は4.1点(948件)と実ユーザーからの評価は比較的高く、売上ランキングも48位と善戦しています。特筆すべきは「安全性3.2点」「使用感2.7点」といった日常使用のストレスを感じにくいバランスです。
構成成分は11種と非常にシンプル。メインの有効成分はグリチルリチン酸2K(抗炎症)、そして肌の引き締め・清涼感を狙ったメントール。保湿成分としてBG(1,3-ブチレングリコール)、整肌成分として芍薬エキス(シャクヤク)が使われており、「とにかく刺激を避けて穏やかに肌トラブルを予防したい」というニーズに合致する処方です。
また、ホワイトニング効果3.0点、スカルプケア力2.5点など、特化型ではないものの"副次的な嬉しさ"が散りばめられている点もポイント。薬用としての効能を穏やかに享受しつつ、日々のボディケアに自然に取り入れられる設計となっています。
甘草由来の抗炎症成分。炎症性のニキビ、つまり「赤ニキビ」に対して鎮静効果があるとされ、医薬部外品に頻用される定番素材です。ある研究(*Yoon et al., 2016*)では、局所塗布によってTNF-αやIL-6など炎症性サイトカインの発現を有意に抑制したことが報告されています。
清涼感と毛穴引き締め作用のある植物由来成分。使用感の向上だけでなく、皮膚表面の温度感覚をコントロールすることで皮脂分泌の抑制効果も期待されています。皮膚温低下により汗腺活動を抑えることができるというデータもあり(*Kasting et al., 2017*)、夏場のケアにも理にかなった選択肢です。
抗酸化・抗炎症の機能を持つ漢方由来成分。皮脂の酸化抑制と肌の引き締めに寄与するとされ、くすみケアや毛穴の目立ちにアプローチします。研究によれば、シャクヤクの抽出物はヒト表皮細胞における抗酸化酵素(SOD)活性を高める作用があり(*Kang et al., 2013*)、日常的な酸化ストレスから肌を守る効果が示唆されています。
乳化剤的な役割を担う界面活性成分。安定性を高めながら肌に優しくなじみ、全体の使用感を均質に保つ調整剤です。界面活性剤と聞くと刺激を連想する方も多いかもしれませんが、本品では洗浄用ではなく分散性を高める目的で使用されており、低刺激性を維持しています。
メリットとして最も注目すべきは、シンプルかつ実直な成分設計。成分数は11と最小限で、肌トラブルに対する即効性よりも「悪化させない」方向に振った安心感があります。特に、メントール+芍薬という組み合わせは、肌を冷却しつつ赤みや毛穴目立ちを穏やかに抑えるという狙いが明確。メントール濃度も体感レベルで「強すぎず、気持ちいい」絶妙なバランスに調整されている印象です。
反面、保湿力・エイジングケア力は控えめ(各2.2点)。乾燥肌の人や加齢によるハリ低下を気にする層には物足りなさが残るかもしれません。また、抗菌成分やビタミン類など“攻め”の美容成分は入っておらず、改善目的より予防・維持を重視した処方です。
売上ランキングでは健闘しているとはいえ、ランキング総合599位という位置から考えても「ニッチな需要」に応えている印象。万人受けよりも、汗をかきやすい10代〜30代の背中・胸ニキビに困っている層には刺さりやすい仕様です。
CLEARFUL スムースローションは、シンプルでブレない思想を持つボディ用薬用ローション。美白でもエイジングでもなく、「ニキビ予防」という一点突破型の製品でありながら、その使用感と成分設計は実に几帳面で、ORBISらしい几帳面さが光ります。多くを求めないが、肌に優しくありたい。そんなユーザー心理にジャストミートします。
また、成分の厳選度や設計思想を見ると、むしろ「処方箋コスメのミニマル版」のようにも見えてきます。ボトルの使いやすさやスプレーの細かさなど、“プロダクトデザインの完成度”も静かに評価されるべきポイント。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。