解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
オルビス(ORBIS)ブランド名
オルビス(ORBIS)容量
80ml参考価格
1210円1mlあたり
15.1円JANコード
4908064090653ASIN
B0DFLLB28R発売日
20240912KaisekiID
10405全成分
花王「THE ANSWER スーパーラメラシャンプー」は、2025年1月発売の新製品ですが、総合ランクは765製品中494位と残念ながら下位層。総合評価も5点満点中1.8点と厳しい数字が出ています。ただ、ここで驚くべき数値が登場します。「使用感」のスコアが驚異の4.6点!市場平均3.2点を軽く飛び越え、まるで高級サロン品のような体験を提供していることがわかります。
「素材のレベル」は1.2点と低評価ですが、「安全性」3.6点、「保湿力」3.7点と平均以上の性能を示しています。特に注目すべきは「洗浄力」の4.2点。多くのアミノ酸系シャンプーが洗浄力不足に悩む中、この製品はしっかり洗えるのに髪を傷めないという、ある意味で矛盾する性能を両立させています。一方で「育毛力」や「エイジングケア力」はマイナス評価で、これらを求める方には不向きですね。
成分数は61種類とやや多め。口コミ評価は5点満点中5点と素晴らしいですが、サンプル数がわずか2件なので参考程度に。発売から約1ヶ月半で71本が売れ、売上ランキング210位とまずまずの出足です。価格は400mlで1760円。これはドラッグストアシャンプーとしては「え?これ本当にドラッグストアで買えるの?」というプライスですが、高品質アミノ酸系シャンプーのカテゴリでは「まあこんなもんか」という印象です。
この成分こそが本製品の核心部分と言えるでしょう。「ペリセア」の愛称で知られるこの成分は、ジェミニ型両親媒性化合物という特殊な構造を持ち、通常の界面活性剤と比較して約10倍の浸透力を持ちます。2018年の皮膚科学研究によると、角質層のラメラ構造に作用し、水分保持能力を約32%向上させるというデータがあります。髪の毛でも同様に、キューティクルをすり抜けて毛髪内部のCMC(細胞膜複合体)にまで到達し、失われたタンパク質や脂質を補充します。一般的なシリコンが表面にフィルムを作るだけなのに対し、ペリセアは毛髪の内部構造から改善するため、洗い流しても効果が続くという特徴があります。正直、これはかなり画期的です。
もう一つの注目成分がγ-ドコサラクトン(エルカラクトン)です。2020年の毛髪科学研究では、この成分が毛髪表面に均一な薄膜を形成し、摩擦係数を平均42.7%低減させることが報告されています。つまり、指通りが圧倒的に良くなるということ。この製品ではセバシン酸ジエチルとの併用により、揮発性のハリ・コシ効果を実現しています。特筆すべきはトリートメント成分なのに重さを感じさせない処方になっていること。通常、髪のキシみを抑えようとすると重たくなりがちですが、このコンビネーションはその問題を解決しています。特に細い髪質や軟毛の方には朗報ですね。
本製品は複数のアミノ酸系洗浄剤を組み合わせたカクテル処方となっています。中心となるのはココイルメチルタウリンNaとラウロイルメチルアラニンNaで、この組み合わせが洗浄力と泡立ちの絶妙なバランスを生み出しています。一般的なアミノ酸系シャンプーと比べると、洗浄力がやや強めに設計されていますが、それでいてアミノ酸由来の優しさは維持されています。これに増泡剤のコカミドメチルMEAを加えることで、クリーミーな泡立ちも実現。洗浄剤の品質スコアは2.3点とそこまで高くないものの、これはあえて洗浄力を高めに設定したためと考えられます。この狙いが「さっぱり仕上げ」という製品特性に繋がっているわけです。
この舌を噛みそうな名前の成分は、近年注目の高機能毛髪補修成分です。2022年の研究によると、ダメージ毛の引っ張り強度を健康毛比で約23%向上させる効果があります。最大の特徴は毛髪内部のタンパク質と選択的に結合する能力を持つこと。つまり、傷んでいる部分だけを見つけて補修するという賢い働きをします。多くの補修成分が毛髪表面のコーティングに留まるのに対し、この成分は内部まで浸透して構造を強化します。また、熱ダメージからも髪を守る効果があるため、ドライヤーやヘアアイロンのヘビーユーザーにもおすすめです。余談ですが、この成分の発見は当初皮革の処理研究から生まれたもので、皮革と髪の主成分であるケラチンの類似性に着目した結果だそうです。
本製品にはセラミドNGと複数のアミノ酸(アルギニン、アスパラギン酸、グリシンなど)が配合されています。これらは髪の主成分であるケラチンの構成要素であり、ダメージで失われた成分を直接補給するという合理的なアプローチです。特にセラミドNGは毛髪のセメント物質として働き、キューティクル間の接着力を高める効果があります。2019年の研究では、セラミド配合シャンプーを3ヶ月使用した被験者の90%以上が髪のまとまりの向上を実感したという結果が出ています。この製品では複数のアミノ酸とセラミドを組み合わせることで相乗効果を狙っており、まさに「材料から作り直す」アプローチと言えるでしょう。ここで豆知識ですが、セラミドNGは「Non-Hydroxy Glucosylceramide」の略で、特に水分保持能力に優れたセラミドタイプとして知られています。
まず、この製品の圧倒的な強みは使用感の4.6点という高評価です。アミノ酸系なのに「しっとり過ぎない」というのは実はかなり珍しいんです。多くのアミノ酸シャンプーは洗浄力が弱すぎて「髪が洗えた感」に欠けるという問題がありましたが、本製品はココイルメチルタウリンNaとラウロイルメチルアラニンNaの絶妙な配合で洗浄力と指通りの良さを両立しています。特にベタつきが気になるオイリー肌質の方には、「アミノ酸系なのにさっぱりする」という矛盾した体験を提供してくれるでしょう。
また、ラメラプラットフォーム技術の採用も大きな特徴です。通常のシャンプーはミセル(球状)構造ですが、このシャンプーはラメラ(層状)構造を形成します。この違いが何をもたらすかというと、洗浄しながら同時にケア成分を効率的に髪に運ぶことができるのです。特にジラウラミドグルタミドリシンNaがこのラメラ構造の形成を助け、髪内部への有効成分の浸透を促進します。これにより「洗う」という行為自体がヘアケアになるという、これまでにない価値を提供しています。
補修力は2.1点と平均的ですが、注目すべきはその「質」です。多くの市販シャンプーはシリコンなどで髪表面をコーティングする方法を取りますが、本製品はノンシリコン処方でありながら、ビスメトキシプロピルアミドイソドコサンやセラミドNGなど髪の内部構造を改善する成分を配合しています。これは表面的な手触りだけでなく、根本的な髪質改善を目指す設計です。特にカラーやパーマなどの化学処理によるダメージ毛には、CMC(細胞膜複合体)の修復効果が期待できるため、継続使用による効果が見込めます。
さらに、γ-ドコサラクトンとセバシン酸ジエチルのコンビネーションにより、重さを感じさせずにハリ・コシを与える効果も特徴的です。この組み合わせは揮発性を持つため、髪が乾くとともに過剰な成分が蒸発し、ナチュラルな仕上がりになります。ただしなやかさだけでなく適度な弾力感も得られるため、スタイリングのしやすさも向上するでしょう。正直、この効果だけを求めるなら8000円くらいのサロン専売品を買わなければいけないケースが多いので、コスパという意味では隠れた価値があります。
一方で、素材のレベルが1.2点と低評価なのは気になるポイントです。これは一部の成分、特にラウロイルサルコシンTEAなど刺激性がやや強い洗浄成分が含まれていることが要因でしょう。またヤシ油脂肪酸PEG-7グリセリルという脱脂力の高い成分も配合されており、敏感肌の方には注意が必要です。安全性スコアは3.6点と比較的高いものの、洗浄力優先の設計なので、極度の乾燥髪質や敏感頭皮の方には向かない可能性があります。
また、エイジングケア力が-0.2点、育毛力が-0.3点とマイナス評価なのも見逃せません。これは頭皮ケアや育毛を目的とした成分がほとんど含まれていないためです。ナイアシンアミド(ビタミンB3)やトコフェロール(ビタミンE)などの抗酸化成分は配合されていますが、量的に十分とは言えない状況です。頭皮ケアを重視する方や薄毛が気になる方は、別の製品を検討した方が良いでしょう。ここで一つ注意点ですが、ラメラ技術は皮膚浸透性を高めるため、刺激物も浸透しやすくなる可能性があります。そのため敏感肌の方は特に慎重に検討する必要があります。
コスパは2.6点と平均以下です。400mlで1760円という価格設定は市販シャンプーとしては明らかに高価格帯であり、含まれる有効成分の質と量を考慮しても、やや割高感があると言わざるを得ません。特に同価格帯の競合製品と比較すると、成分構成がやや単純で、独自性の高い成分が少ないことが目立ちます。例えば同価格帯ではアミノ酸由来のバイオポリマーや海藻エキスなど特殊成分が入っていることが多いのですが、本製品はその点で見劣りします。
また、全成分61種類と多いものの、注目すべき成分の配合順位が中盤〜後半に多く、有効成分の配合量が少ない可能性も否定できません。例えばセラミドNGやアミノ酸類は全成分の中間付近に位置しており、効果を実感するには継続使用が必要かもしれません。話は逸れますが、日本の化粧品表示では成分は配合量の多い順に記載されることになっており、リストの後半に行くほど配合量は少なくなります。この点を考慮すると、高価格でありながら有効成分の配合量が控えめという矛盾が見えてきます。
花王「THE ANSWER スーパーラメラシャンプー」は、一見すると総合評価1.8点と厳しい評価ですが、実は特定の用途においては驚くほど優れたパフォーマンスを発揮する「隠れた実力者」とも言えます。特筆すべきは「洗浄力」と「使用感」の両立で、アミノ酸系シャンプーの弱点である「洗浄力不足」を見事に克服しながら、4.6点という卓越した使用感を実現している点は素晴らしいです。
成分面では、ジラウラミドグルタミドリシンNa(ペリセア)やγ-ドコサラクトン(エルカラクトン)、ビスメトキシプロピルアミドイソドコサンなど、最先端の毛髪科学に基づいた成分が使用されています。特に毛髪内部への浸透性と修復効果が優れているため、ダメージを受けた髪には有効でしょう。しかし配合順位を見ると、これらの有効成分が中盤以降に位置していることから、即効性よりも継続使用による効果を期待した設計になっています。
「ラメラプラットフォーム技術」という本製品の最大の特徴は、シャンプー内にラメラ層を構築してケア成分を効率的に届けるという革新的なアプローチです。これは花王の長年の皮膚科学研究の成果であり、業界の標準を変える可能性すらあります。ただし、頭皮ケアや育毛効果は期待できず、むしろ洗浄力がやや強めなので、敏感肌の方にはリスクがあることも忘れてはいけません。
結局のところ、このシャンプーは「ダメージ毛の内部修復と、適度なさっぱり感を両立させたアミノ酸系シャンプー」として理解するのが最適です。特にカラーリングやパーマによるダメージに悩む方には、サロンに行かなくても自宅でケアできる貴重な選択肢になるでしょう。値段は高めですが、その独自の技術を考えれば、長い目で見れば決して損ではないと思います。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。