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かつてWENという同様のクレンジングコンディショナーが販売されていましたが、この商品とほとんど構成としては同じです。単純に言えば、コンディショナーでシャンプーをさせるという形です。
このクレンジングコンディショナータイプの先駆けである「WEN」は、米国FDAへ210000件のクレームが寄せられることとなりました。これは、化粧品カテゴリではFDA史上最大のクレーム件数となる不名誉な記録です。その被害の内容は脱毛を筆頭に深刻な皮膚疾患が生じたというもので、基本的にはハゲたという認識で良いでしょう。
それもそのはず、ベースの陽イオン界面活性剤は0.01%程度の配合でも除毛剤として機能するような成分ですので、ふつうコンディショナーやトリートメントを頭皮に塗ることはありませんね。ハゲるからです。それなのに、なぜコンディショナーで頭を洗わせようとするのでしょう?
シャンプー解析ドットコムでは、FDAにクレームが殺到する以前にWENを解析し、懸念を伝えてきました(できるだけ控えめに)。当時WENの販売元であったガシー・レンカー・ジャパン社よりSLAPP訴訟をちらつかせる警告文をいただいたものですが、逆に警告どころか退場となったのはガシー・レンカー・ジャパン社の方でした(今では会社名を変えてしまいました)。
解析ドットコムの使命の1つといえるのが、このような地雷シャンプーから消費者を守る、ということがあります。実際にWENがこれほどの被害を出しているのに、次から次へと同様のクレンジングコンディショナータイプの商品が新発売になるのを見ていると、極めて残念な思いに苛まれます。
単純な話です。コンディショナーやトリートメントを頭皮につけないでください。
どんなに良いエキスが配合されていたとしても、ベースが陽イオン界面活性剤だと脱毛剤のように振る舞います。
濃度によっては幸運にも脱毛しないで済むかもしれませんが、殺菌力は尋常ではないので、頭皮の善玉常在菌が死滅し皮膚疾患へ一直線です。
これほどデメリットが峻烈であるのにもかかわらず、髪の指通りが良いというだけの理由でシャンプーのように使わせようとしているのです。
この製品に限らず、賢明な消費者のみなさまは陽イオン界面活性剤ベースのコンディショナータイプのシャンプーを一切拒否すべき。どう転んでもメリットになることはありません。
髪をさらっとさせたいなら、コンディショナーを別で普通に使ったほうがよほど良い仕上がりになります。頭皮につけなければコンディショナーはコンディショナーとしてだけ働きます。
適材適所の原則から脱線しないように注意しましょう。