手で泡立ててから使うメリットって?
シャンプーの正しい手順、というような話になるとまず言われること。
「手でよく泡立ててから使いましょう」
みなさん、何となく聞いたことがあったり、実際そのようにしている方が多いかと思います。
でも、本当にこれって正しい方法でしょうか。
洗顔料などでも同じですが、「泡立ててから使うと肌に優しい」「肌に残らない」といった言われ方をしてますね。
私も以前は疑いもなくそれが正しいと思っていました。
疑問に思い始めた理由
今現在、私がどう洗っているかと言うと、まったく手で泡立てたりせずに直で頭だったり、顔だったりに液を乗せて洗い始めてます。
なぜそうしているのか。
手で泡立てることにはメリットがない。むしろ、デメリットが多い
そう思ったからですね。
まず、なぜ泡立ててから使うのか、というと、そもそも頭に乗せてからでは泡立ちにくいという事情があったからですね。以前は。
以前というのは、せっけんを使っていた時代のことです。
せっけんは、御存知の通り泡立ちにくく、固形です。固形のものを頭に乗せて洗うのは都合がよくありません。手でよく伸ばして予め洗いやすい状態にしてから頭に乗せる、という手順を踏む必要があったわけです。
せっけんはまた、水道水のミネラル分と反応して不溶性の石鹸カスを生成するので、ものすごく頭皮や顔への残留性が高くなります。
そういった事情もあって、なるべく肌に残りづらいように、また泡が立った状態で使えるように、手であらかじめ泡立てる、という手順が必要だったのです。
今でも手でよく泡立ててから、と言われるのはせっけん時代の慣習の名残りだと言っても過言ではないでしょう。
現代では最初から液状で、水道水のミネラル分に左右されず、泡立ちも良いシャンプーがほとんどなので、手で泡立てる必然性がないのです。
ラウレス硫酸ナトリウムでもアミノ酸系でも、肌での残留性はせっけんに比べると遥かに軽減されているので、液状だから、泡立てたからといって結果が大きく変わることはまず考えづらいのです。
そして、シャンプーに含まれるヘアコンディショニング成分の数々は、手でいつまでも泡立てていると手にくっついてしまい、髪を補修する前に無力化してしまう恐れもあります。
本来、髪や頭皮にくっつけることでメリットになる成分も多いですから、頭皮にシャンプー液を乗せて洗い出すのが最も合理的なやり方と言っていいでしょう。
泡立てネットも同じ理由でオススメせず。ただしボディーソープにはアリ。
泡立てネット、洗顔ネットを使ってからシャンプーする、という人もいるかもしれませんね。これも同じ理由でオススメしません。
今のよくあるシャンプーはそんなことせずとも簡単に泡立ちますし、前述のとおりコンディショニング成分が全部ネットにくっついてしまって、髪をケアする能力が著しく落ちてしまうデメリットもあります。
さっさとシャンプーは頭に乗せて、速やかに泡立てていきましょう。
※もちろん、その前にしっかり濯いでおくのは言うまでもありません。
ボディーソープや洗顔料に関してはコンディショニング成分のことを気にしなくて良いので、泡立てネットを使っても使わなくてもOKでしょう。
泡立ちが悪い場合は「追いシャンプー」
アミノ酸系のシャンプーの中には、皮脂や汚れが多い状況だと泡立ちがとても悪いタイプもあります。その場合は、「追いシャンプー」と「追い湯」を足してしっかり泡立つまで増量していきましょう。
手で泡立てても、皮脂や整髪料などの残っている状況ではすぐに泡が負けてしまうので、「追いシャンプー」がもっとも合理的な手段となります。
シャンプーは頭で泡立てよう。
さて、この記事の内容をまとめていきたいと思います。
- 手でしっかり泡立てるのは石けんシャンプーの名残り
- 液体シャンプーは直接頭ヘドン
- 頭から泡立てることでヘアコンディショニング成分も最大活用
- 洗浄剤の残留性は低いので濯いだら容易に流れ落ちます。
- コンディショニング成分はダメージ部に吸着して残るように設計されています。
- 油分(オリーブオイルとかアルガンオイルとか)は水に溶けないので濯いでも残りやすい
- 泡立てネットはコンディショニング成分を吸収しちゃうのでヘアケア的にダメ。
- 洗顔でも、液体のまま顔に付けたって特に問題なし。流せば落ちる。
- 泡立っているから優しいということはない。むしろ逆に活性化しているので肌には液体の状態より負担は大きい
- 泡立ちが悪いときはシャンプーが汚れに対して少ない。追いシャンプーをしましょう。
シャンプーを手で泡立ててから使う、というのは意味がない。
ということがお分かりいただけましたでしょうか。
サンドウィッチマンのネタで「カステラはギュッって潰して小さくすればカロリーゼロ」、なんて話がありましたが、泡立てたら刺激がなくなる、泡立てたら肌に残りづらいなんてことはないのです。
手で泡立てても、そのシャンプーは変わらずそこにあるのです。残るものは残るし、刺激のあるものは刺激になります。