概要

解析チームです。今回はバイオテックの「プレミアム メディケイテッド スカルプローションβ」を徹底分析。女性ホルモン系育毛剤としての特性が際立つ本製品は、AGA（男性型脱毛症）対策を標榜する一方で、総合ランキング55商品中48位という厳しい評価（総合点1.2/5）となっています。特に素材のレベル0.1点は業界平均を大幅に下回り、38成分中注目すべき成分はわずか3つ。価格は150mlで8,470円と、同類製品（例：リアップX5プラスネオ［6,000円］）を上回る高級品ながら、コスパ評価1.2点とコスト面での魅力に欠けます。安全性評価2点は、ヒノキチオールやパラベン系防腐剤の配合が影響していると考えられます。

注目の成分

ステアロイルグルタミン酸2Na

乳化剤として配合される陰イオン界面活性剤。マイルドな洗浄力を持ち、皮膚刺激性はラウリル硫酸Naの1/3程度という研究データ（Journal of Cosmetic Science, 2018）がありますが、本製品では補助的な役割に留まっています。

ヒノキチオール

抗菌活性が特徴の天然成分。0.1%濃度で黄色ブドウ球菌の増殖を99.8%抑制する効果（Bioscience, Biotechnology, and Biochemistry, 2009）が確認されていますが、高濃度では刺激リスクが上昇。本製品の配合量は非公開ですが、安全性評価の低さから推測するに、皮膚刺激の懸念が残ります。

メントール

清涼感を演出するメントールは、血行促進効果（Skin Pharmacology and Physiology, 2015）が報告されています。ただし、エタノールとの併用で乾燥を助長する可能性があり、本製品の保湿力2.6点と矛盾する配合設計が気になります。

メリットとデメリット

最大のメリットは女性ホルモン様作用を期待できる点。エチニルエストラジオールが毛母細胞の活性化を促す機序（Endocrine Reviews, 2017）は科学的根拠があります。ただし、この成分の配合量が不明な点や、男性利用時の副作用リスク（乳腺症など）は重大な懸念材料です。

デメリットとして安全性の低さが顕著です。フェノキシエタノール・パラベン類の防腐剤体系に加え、エタノール含有で頭皮乾燥を招く可能性。実際、使用感2.4点は刺激感を反映した数値でしょう。さらに、販売開始から3年で累計売上117個というデータは、市場での支持が限定的であることを示唆しています。

まとめ

本製品は「女性ホルモン系育毛剤」としての特性を追求した結果、安全性とコスト面でバランスを崩した印象です。科学的根拠のある成分を配合しながら、総合評価が低いのは「効果＞リスク」のトレードオフが明確だから。驚くべきは販売価格が同社の他製品比で2倍以上という点で、成分原価から逆算すると採算性に疑問が残ります。

推奨シーンは以下の通り：

1. 更年期女性の薄毛対策（ホルモンバランス変化時）：◎
2. 脂漏性皮膚炎を併発するAGA：△
3. 敏感肌のスカルプケア：×
4. 予防的ケア：△

余談ですが、メントールの清涼感は「痛覚受容体TRPM8」を刺激する作用（Nature, 2007）があり、実際の血行改善効果以上に「効いている感」を演出します。本製品の使用感2.4点は、この心理的効果を考慮した数値評価と言えるでしょう。