育毛シャンプー界隈でかなり宣伝に力をいれている商品の1つ。
なんとウルトラの父や、ルー大柴を広告塔に据え、大々的に展開されているシャンプーですので、1度は見たことがある、という方も多いのでは。
お笑い芸人も巻き込んでの宣伝活動は凄まじい勢い、さらに、育毛剤売上No.1、人気調査No.1、口コミ評価No.1、モンドセレクション金賞受賞、楽天ショップ・オブ・ザ・イヤー3年連続大賞受賞など、一体どれだけすごいんだと言わんばかりの猛アピール。
これだけのマーケティングを展開していますから、必然的にシャンプーの値段は5000円近くという高額となっています。これは、中身が良いからなのか、CM料がかかりすぎているのか、中身を見てみないとわからないですね。
さっそく、チャップアップシャンプーの中身を見ていきましょう。
まず洗浄剤。
ベースはココイルグルタミン酸2Naとコカミドプロピルベタイン。添加でラウロイルアスパラギン酸NaやココイルトレオニンNa、ココイルグルタミン酸Na、ラウリン酸ポリグリセリル-10。
いわゆるアミノ酸系シャンプーです。ちょっと泡立ちが不安視される構成ですが、非イオン界面活性剤トリイソステアリン酸PEG-120メチルグルコースの配合などで粘度を向上させることで使用感を調整できています。
低刺激で洗浄力はさほど高くありません。コンディショニング効果もアミノ酸系の中ではそれほど高いとまでは言えないでしょう。
スカルプシャンプー、育毛シャンプーでありながらヘアケア成分が実は目立つチャップアップ。
メチルグルセス-20をはじめ、ポリクオタニウム-53やPPG-3カプリリルエーテルなど、とにかく指通り重視!といった成分が並びます。PPG-3カプリリルエーテルはシリコーンの代わりに使われるような成分ですので、かなり使用感を重視しているのがわかりますよね。
さらに、y-ドコサラクトン+セバシン酸ジエチルではっきりとしたハリコシ感を、メチルグルセス-20は被膜効果があるのでシリコン的な感触を付与します。
育毛シャンプーでここまでヘアケアに頑張ってるシャンプーってあまりないですね。良くも悪くも。
さて、チャップアップシャンプーに期待することは感触より育毛ですよね。いくら手触りが良くても、求めているのはそこじゃない感があります。
実際の育毛効果はどんなものでしょうか。
チャップアップシャンプーの育毛成分、実はほぼありません。
強いて言えば植物エキス群がそれにあたりますが、一般的に見られる頭皮ケア系のエキスが中心ではっきりと育毛効果が直接的にある成分は見当たりません。
例えば、グルコシルヘスペリジンなどは血流増加作用があるので、遠回しには育毛効果が期待できますが、ミノキシジルクラスの発毛作用と比較すると弱い。どうしても頭皮の環境改善、といった具合の存在でしょう。
カミツレやゴボウ、トウキンセンカ、ラベンダーなど、おなじみのエキスの抗炎症作用や抗酸化作用はたしかに遠回しには育毛に関与する可能性がありますが、やはり発毛させるまでは期待のしすぎ。
ヘアケアに余念がないわりに、育毛に関してはあまり注力してないようにすら感じるのは何故。
このチャップアップシャンプーの実のところは、髪にハリを感じさせるシャンプーなのであって、発毛させたいシャンプーではない。
つまり、リンスインシャンプーという方が近い。
狙いとしては、まるで育毛、発毛したかのように感じる仕上がり、なのであって、実際に髪自体が強く生えてくるなんて芸当は元より期待していない。
だから、リンスインシャンプー。
まとめるとこんな感じ。
1つ確かなことは、育毛に本気で取り組みたい方には不向きということ。
ヘアケアシャンプーとしては悪くないですし、ハリコシを求めているだけなら全然良いのですが、育毛に関しては正直役立ちません。
そして、このレベルで5000円近くかかるのは、個人的には高いと思います。なぜ?育毛力が期待できないから。
リンスインシャンプーに支払う額としてはあまりに高額です。繰り返しますが、毛に一時的なハリを与えたいだけなら価値があります。それを育毛と認識されるのであれば満足できる可能性があります。
生えてくる毛を増やしたい、毛を太くしたい、という考えなら、他を当たるべきと思います。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストア+などを運営。