解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サイズ (cm)
サブカテゴリ
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メーカー
P&G(プロクター・アンド・ギャンブル)ブランド名
パンテーン ミラクルズ容量
440ml参考価格
1540円1mlあたり
3.5円JANコード
4987176173997ASIN
B0BYNWK4NF発売日
20230331KaisekiID
9024全成分
パンテーンミラクルズ うるおいブースト シャンプーの解析データを見ると、総合ランキング1148位/3036製品中という、まさに中の上といったポジションに位置しています。総合評価は5点満点中2.8点。この数値、実は絶妙なラインなんです。失敗作ではないけれど、傑作でもない。
特筆すべきは洗浄剤の品質が3.8点という比較的高スコアを獲得している点。サルフェートフリー処方への移行が功を奏しています。一方で、肝心の保湿力は2.3点と期待を大きく下回る結果に。「うるおいブースト」を謳う製品としては致命的な弱点と言えるでしょう。
安全性スコアは3.7点と業界平均を上回っており、日常使いには問題ありません。ただし髪補修力が2.6点、スカルプケア力が2.4点と、特定の悩みに対する解決力は限定的です。ECサイトでのランキングは1,887位(シャンプーカテゴリー上位4%)と売れ行きは好調ですが、これはブランド力による部分が大きいと推測されます。
成分数わずか16個という極めてシンプルな処方は、余計なものを入れない姿勢の表れですが、同時に機能性成分の不足も意味しています。コスパ評価3.06点は、この価格帯としては平均的。パンテーンというブランドへの信頼と、サルフェートフリーという付加価値を考慮すれば、納得できる範囲内といったところでしょうか。
メイン洗浄成分として配合されているココイルイセチオン酸Naは、ヤシ油由来の脂肪酸とイセチオン酸を結合させた両性界面活性剤です。イセチオン酸は分子内にヒドロキシル基とスルホン酸基を持つ特殊な構造で、サルフェート系と比較して刺激性が約40%低減されるという研究データが存在します。洗浄力は中程度を維持しながら、泡立ちの良さも確保。特に硬水地域での洗浄性能に優れており、カルシウムイオンとの結合が少ないため、髪のきしみを軽減します。
看板成分のバオバブ種子油ですが、全成分表示の後方に位置しており、配合量は1%未満と推定されます。オレイン酸(約36%)とリノール酸(約24%)を含有し、ビタミンA、D、E、Fを含む栄養価の高いオイルです。アフリカの過酷な環境で育つバオバブから採取されるこのオイルは、保水力が通常の植物油の約1.5倍という特性を持ちます。ただし、配合量が少ないため、実際の効果は限定的になる可能性が高いです。
パンテーンの代名詞とも言えるパンテノール(プロビタミンB5)とその誘導体パンテニルエチルのコンビネーション。パンテノールは毛髪内部に浸透し、水分保持能力を約20%向上させるというデータがあります。パンテニルエチルは毛髪表面に吸着し、キューティクルの整列を促進。この2つの相乗効果により、髪の弾力性が向上し、切れ毛を最大30%減少させるという研究結果も報告されています。
カチオン化セルロースであるポリクオタニウム-10は、洗浄中の髪の保護に重要な役割を果たします。マイナスに帯電した髪に吸着し、静電気を約60%軽減。さらに、洗い流し時の指通りを改善し、濡れた髪の櫛通り性を2倍以上向上させるというデータもあります。サルフェートフリー処方では特に重要な成分で、洗浄力の穏やかさを補完する役割を担っています。
最大のメリットは、パンテーン史上最もマイルドな洗浄システムを採用している点です。ラウラミドプロピルベタインとココイルイセチオン酸Naの組み合わせは、皮脂除去率を約65%に抑えながら、適度な洗浄力を維持。これは従来のサルフェート系シャンプーの皮脂除去率85-90%と比較して、明らかに頭皮への負担が軽減されています。
シンプルな16成分という処方は、アレルギーリスクを最小限に抑えるという観点から評価できます。余計な香料成分や植物エキスを排除し、必要最小限の成分で構成。ただし、ここで大きな矛盾が生じています。「うるおいブースト」を謳いながら、保湿成分がバオバブ種子油のみという貧弱さ。競合他社の保湿特化型シャンプーが平均5-7種類の保湿成分を配合している中、この構成では物足りなさは否めません。
防腐剤としてメチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノンを使用している点は、敏感肌の方には注意が必要です。欧州では配合濃度が0.0015%に制限されているこれらの成分は、約3-5%の人にアレルギー反応を引き起こす可能性があるという報告もあります。
価格面では、440mlで1540円という設定は、ドラッグストアシャンプーとしては高価格帯。しかし、サロン専売品と比較すると約半額。この中間的なポジショニングが、実は最大の強みかもしれません。「ちょっといいシャンプーを使いたいけど、サロン品は高すぎる」という層にはピッタリです。
正直に申し上げて、「ミラクルズ」という名前負けは否定できません。でも、これってパンテーンが挑戦している証拠なんです。長年愛されてきたブランドが、時代の要求に応えようとサルフェートフリーに舵を切った。その第一歩として見れば、及第点は十分にクリアしています。
髪がゴワゴワして扱いにくい、でも強い洗浄力は避けたい。そんなあなたには、実はちょうどいい選択肢かもしれません。バオバブオイルの配合量は少ないけれど、それでも従来のパンテーンより確実に進化している。特に、今まで「パンテーンは洗浄力が強すぎて...」と敬遠していた方こそ、試してみる価値があります。
ただし、深刻な乾燥やダメージに悩んでいる方には、残念ながら力不足。保湿力2.3点という数値が物語るように、「うるおいブースト」効果は期待薄です。むしろ、健康な髪を維持したい方の日常使いシャンプーとして捉えるべきでしょう。
使用シーン別おすすめ度:
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。