広告を含みます。
美容学校生でもわかるようなことを取り違えてませんか?
このシャンプーの製作者曰く、
皮脂はあらゆる問題の根源であるという論説を述べていて、
皮脂を 除去することこそ、コンディション維持に欠かせない、と説いています。
果たして皮脂はそれほど忌むべき存在なのでしょうか。
今時、皮脂の役割ならサクっと調べられます。
毛穴の内面に開く皮脂腺開口部から皮膚表面に分泌され、皮膚や体毛の表面に常に薄い膜状に広がり、物理的、化学的に皮膚や毛髪を保護、保湿する役割を果たしている。また、これに含まれる脂肪が皮膚の常在菌により分解されることで生じる脂肪酸によって皮膚の表面は弱酸性となり、これが病原菌などを排除する機能も持つ。
wikipedia
この一文を読むだけで、
皮脂がないと困ったことになる理由が理解できると思います。
肌が健常な状態を維持できているのは、皮脂が分泌されていることに由来しているのです。
こうした皮膚の構造を全く無視して、脱脂することが美容なのだと説明する美容師というのも考えものです。
こういった内容は
美容学校の学生の段階で学んでいることであって、何も専門職の人しか知らない事実ではありません。
ちなみに、皮脂が様々な問題を起こすケースというのは、思春期のようにホルモンバランスの変化が原因で
角質が厚くなったような場合です。
皮脂そのものの問題というより、角質が厚くなったことによって
皮脂が放出されなくなったら、ニキビのような問題になるのです。
毛穴から分泌される皮脂は次々に押し出されていくので、「残留硬化油分」とシャンプー製作者は言っていますが、そんなに残ることはありません。
耳垢が掃除しなくても自然に出て行くのと同じように、皮脂も新陳代謝されて排出されていきます。
そういったことを踏まえると、皮脂は悪者で、ラウレス硫酸ナトリウムで脱脂することが良い、というのはおかしなロジックだと言えます。
ニキビのように角質に閉じ込められて炎症を起こしているような場合、 ラウレス硫酸ナトリウムで洗った程度では解決しにくいです。
また、「洗浄力が弱く重めのシャンプーを長年使っていると髪や頭皮に皮脂やトリートメント分が慢性的に残りやがて酸化し固まって髪の内外に付着します。」ともおっしゃっていますが、
そのようなデータを示した論文や実験結果は今まで見たことがありませんし、
皮脂が日々のシャンプーやすすぎに耐えていつまでも残り続けるというのは現実的ではありません。
皮脂を取りすぎてしまって髪が乾燥している方なら、毎日のように多く見かけますが。
洗浄力が控えめな、例えばアミノ酸系洗浄剤でも、実際には十分に皮脂を落としますし、
もっと言えばお湯ですすぐだけでも意外に皮脂は落ちています。
なので、ラウレス硫酸ナトリウムやオレフィンスルホン酸ナトリウムでゴシゴシ洗うのは
ただの皮脂の取りすぎになりやすいのです。
整髪料がたくさんついているなど、効率よくクレンジングしたい場合は役に立ちますが、
すっぴんの髪をクレンジングしたら、ただの皮脂の取りすぎなのです。
髪を保護するために多量の皮脂を分泌する。しかし髪があまりにも長いと全体に皮脂が行き渡らないため、リンスやトリートメントを使用して補うことがある。
wikipedia
上記のように、
皮脂は髪のバリアであり、その不足分をトリートメントが担う、
という解釈が本来のヘアケアです。