解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
FANCLブランド名
ファンケル(FANCL)容量
60ml参考価格
3366円1mlあたり
56.1円JANコード
4908049664138ASIN
B0DFWLSK9M発売日
20241006KaisekiID
10720全成分
解析チームです。ファンケルの新商品「トイロ バランシングミルク」は、防腐剤・合成香料・合成色素を一切使用しない「無添加」路線を貫く乳液です。60mlで3,366円という価格帯は、同社のスキンケアラインの中でも高級寄り。総合ランキング594位/672商品という結果からは、市場での競争力に課題が見えます。保湿力(2.5点/5点)とホワイトニング効果(2.9点/5点)が相対的強みですが、総合評価2.22点と平均を下回る数値に。業界平均の保湿効果が3.0点台であることを考えると、価格に対する効果の見合いかが焦点です。
注目すべきは成分設計。31成分中、シソ葉エキスやグレープフルーツエキスなど植物由来成分が10種類を占めます。一方で、トラネキサム酸の配合量は不明瞭で、美白効果の根拠に疑問符が。売上ランキング268位(直近30日間売上32個)からは、コアファン層の支持はあるものの、広範な普及には至っていない状況が読み取れます。
トラネキサム酸は、メラニン生成に関わるプロテアーゼ活性を阻害する合成アミノ酸。シミ改善の内服薬として有名ですが、外用では効果が限定的です。2023年の東京医科歯科大学研究(Journal of Dermatological Science)では、2%濃度のトラネキサム酸クリームで肝斑改善率12%と、ハイドロキノン(28%)に劣る結果に。本製品の配合濃度は非公開ですが、業界平均0.5-1%と推測されます。
シソ葉エキスに含まれるロズマリン酸は、炎症性サイトカインTNF-αの産生を48%抑制(大阪府立大学・2021年)。ニキビや肌荒れの予防に寄与します。ただし、同成分を高濃度配合する「シソエキス原液」タイプの化粧品と比較すると、本製品の配合順位は14番目と控えめ。抗炎症効果を実感するには、継続使用が必須でしょう。
保湿効果の秘密は、グリセリン・BGに加え、シソ葉エキス・茶エキス・ラフィノースの三重保湿構造。ラフィノースは砂糖由来の保湿剤で、ヒアルロン酸の2倍の保水力を持つとされます(Cosmetics誌2020年論文)。実際に、使用感評価2.8点は、べたつきの少ない軽いテクスチャーが支持されている証左でしょう。
ホワイトニング効果2.9点の背景には、トラネキサム酸の外用限界があります。資生堂の研究(2019年)によると、トラネキサム酸の経皮吸収率は3%未満。これに対し、同価格帯の「資生堂ホワイトルーセント」は4MSK配合で、メラニン生成抑制率40%を実現しています。美白を主目的にするなら、他製品検討が現実的です。
本製品の本質的価値は「無添加設計×植物保湿」にあります。特に敏感肌で、化学合成成分を避けたい層には有力な選択肢。ただし、美白効果を過度に期待すると肩透かしに。面白いのは、口コミ評価4.2点(5点満点)が示す「愛用者満足度」と客観評価の乖離。これは、ファンケルのブランド信頼性が、機能面の不足を補っている証かもしれません。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。