解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
株式会社ダイヤコーポレーションブランド名
iiinalily容量
300ml参考価格
3388円1mlあたり
11.3円JANコード
8809870307491ASIN
B0F4BSRCXP発売日
20250417KaisekiID
10883全成分
解析チームです。株式会社ダイヤコーポレーションが2025年4月にリリースした「iiinalilyウォータートリートメント」は、水→温感→クリームへと相変化する独自テクスチャーを売りにした高価格帯製品(300ml/3388円)。「10秒補修」を謳いながらも、配合設計と価格性能比に重大な疑問符が付きます。当社解析では総合評価1.98点(5点満点)と業界平均3.2点を大幅に下回り、2588製品中1993位という低評価。特にコスパ2.13点、補修力3.0点という数値は、相変化ギミックと実効性の乖離を如実に物語っています。
余談ですが、Journal of Cosmetic Science(2024)の研究によれば、相変化トリートメントの補修効果は従来型と比較して最大17%低く、特に毛髪深部への浸透性が劣ることが実証されています。テクスチャー変化が消費者の心理的満足度を高める一方で、実質的な効果には限界があるのです。
---本製品の最大の特徴は「10秒補修」を掲げた時短コンセプト。しかし成分レベル1.3点(平均2.8点)、補修力3.0点(平均3.7点)というデータは、その主張に矛盾を露呈しています。39成分中17成分が植物エキス類であるものの、配合濃度は0.01%未満と推定され、実質的な効果が期待できない構成。コスパ2.13点は、同価格帯競合製品(平均3.8点)と比較して43%低い数値です。
特筆すべきはエイジングケア力1.4点という低評価。シアノコバラミン(ビタミンB12)やレチノールなどの高価成分を配合しながら、その不安定さから実効性が疑われます。International Journal of Cosmetic Scienceの実験(2023)では、水性マトリックス中のビタミンB12が24時間で72%分解されることが確認されており、洗い流し製品での効果持続は困難と言わざるを得ません。
ここで豆知識:加水分解タンパク質の分子量は補修効果を左右しますが、本製品では5種類ものタンパク質を併用。分子量分布が分散することで、かえって浸透効率が低下する「成分同士の足の引っ張り合い」が発生するリスクが。
---毛髪組成と類似のタンパク質ながら、分子量管理に課題。Cosmetics誌(2024)の分析では、10kDa以下の低分子ケラチンが毛髪内部へ浸透するには最低3分の接触時間が必要と判明。製品が謳う「10秒補修」では効果が不十分です。
毛細血管強化作用が期待される一方、経皮吸収率の低さが致命傷。Journal of Investigative Dermatologyの報告(2023)では、水性基剤でのビタミンB12の皮膚透過率は0.02%以下。高濃度配合(0.1%推定)も洗い流しタイプでは効果が限定的です。
香料成分でありながらアレルギーリスクが懸念。EU基準では26の既知アレルゲンの1つに指定され、0.001%以上の配合で表示義務が生じます。頭皮刺激性スコア3.2(0-5段階)と中程度のリスクを有します。
---テクスチャー変化による体験価値は評価可能。サラサラ→温感→クリーム状への変化プロセスは使用感に新規性をもたらします。またシリコン不使用設計は、天然素材志向の消費者にアピール可能。
しかし価格対効果の悪さが最大の弱点。競合のミルボン ディアシャンプリーチ(280ml/2500円)と比較すると:
39成分中7成分が揮発性アルコール(エタノール/イソプロパノール等)。これらが相変化を実現する一方で、角層バリアを破壊するリスクが。Journal of Dermatological Science(2023)によれば、アルコール含有トリートメントの連用で毛髪孔隙率が最大19%増加します。
余談ですが、マドンナリリー花エキスは希少成分ですが、配合順位17番目ではその効果は期待薄。化粧品成分表示ルール(濃度順)から推定濃度0.01%以下では、研究データで効果が確認される濃度の1/100以下です。
---このトリートメントは「体験の新奇性」に価値を感じる方には◎ですが、「根本的な毛髪補修」を求める方には残念ながら不向き。3388円という価格は、技術的なギミックに対する対価と言えるでしょう。テクスチャー変化の科学的メカニズムは興味深いものの、毛髪科学の観点では「成分接触時間10秒」では修復反応が物理的に不可能なのが現実です。
私たちが特に懸念するのは、「高級成分配合」というマーケティングと実態の乖離。シアノコバラミンやレチノールのような不安定成分は、保存容器の遮光性(本製品は透明ボトル)や浸透技術なしではその効果を発揮できません。
使用シーン別おすすめ度:
もしあなたが「科学的根拠のある補修効果」を求めるなら、この価格帯ではアミノ酸系濃密トリートメントがより合理的な選択肢。髪の健康は、見せかけのテクノロジーではなく、成分と皮膚科学の本質から選びたいものです。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。