総合ランク
総合点

1mlあたり
カテゴリ内順位
一部の成分に注意が必要です
CMR発がん性の成分が検出されました(1件)
個人差要因皮膚感作性1件・アレルゲン1件・内分泌撹乱性1件・経皮吸収22件
メーカー
イプサブランド
イプサ(IPSA)容量
10ml参考価格
3680円1ml単価
368円JAN
4931449426457ASIN
B01GPNHX14ID
7435商品説明
解析チームです。イプサのザ・タイムR デイエッセンススティックは、スティック形態に約65%の水分を封じ込めた日中用美容液。アルコールフリーで携帯性も高く、コンセプト自体は面白いのですが、成分処方を深掘りすると気になる点がいくつか浮かびます。
総合点2.24点は平均3.0点を0.76点下回る水準で、評価の言語化ルール上「要注意」ゾーンに入ります。スコアを項目別に見ると、使用感の3.1点(標準的)が唯一、平均をクリア。一方、配合成分のレベルとエイジングケア力がともに1.9点で最低値、コスパも2.03点と割り切れない水準です。10ml・3,680円という単価設定に対し、処方の中身がそのコストを支えているかどうか、成分面から精査します。
成分構成の特徴はシリコーン系素材の多用です。ジメチコン・ジフェニルシロキシフェニルトリメチコン・カプリリルメチコン・PEG-10ジメチコン・(ジメチコン/(PEG-10/15))クロスポリマーと、乳化・感触設計のほぼすべてをシリコーン系が担っています。使用感スコアが唯一平均越えなのはこの処方設計の結果とみられますが、スキンケア性能・保湿力など機能面のスコアは軒並み低水準です。
処方の設計図 ─ 成分28個の役割分類
全体の約50%を油剤・シリコーン乳化剤が占め、処方の重心は「感触設計」にある。
細胞膜の構成成分であるリン脂質の構造を模倣した保湿ポリマー。EWGスコア1、コメドジェニック度0と安全性面での懸念がなく、保水力はヒアルロン酸の約2倍とされています(日油株式会社技術データより)。経皮吸収リスクも0.20と低く抑えられており、長時間の表面保湿には向いた設計です。グリセリン・トレハロースとの三重保湿ネットワークも処方上確認でき、保湿力スコア2.6点に対してポテンシャルは持つ構成です。
トレハロースはきのこ・酵母・昆虫に広く存在する非還元性二糖類(EWGスコア1、生分解性1.00)。乾燥環境下で水分子を捕捉する「乾燥保護」機能があり、東京農工大学らの研究では熱・乾燥ストレスへの細胞保護効果が報告されています。グリセリン(EWGスコア1、医薬部外品承認成分)との組み合わせは相乗効果が確認されており、外気の乾燥にさらされる日中用スキンケアとして理に適った配合です。ただし、この二成分の保湿ポテンシャルを活かしきるには、表面を覆うパラフィン・シリコーン層とのバランス設計が鍵になります。
酸化防止剤として配合されているBHTはEWGスコア7(28成分中で最高値)。動物実験で内分泌かく乱作用(EDC)の疑いが報告されており、CMR分類でも「2」(懸念物質)に指定されています。推奨配合量0.01〜0.1%という微量配合であることは考慮が必要ですが、経皮吸収リスクが0.80と本製品の成分群の中で際立って高い点は見逃せません。EUでは化粧品への配合は現時点で禁止されていませんが、安全性スコア2.7点の主な押し下げ要因の一つです。
香り付けと頭皮(肌)への抗炎症作用を目的とした天然精油ですが、主成分のリナロール・酢酸リナリルはEU化粧品規則のアレルゲン表示義務対象。さらにGHS感作性1B(皮膚感作性物質)に分類されており、開封後の酸化進行で過酸化物が生成し接触アレルギーリスクが高まります。生分解性0.85は高水準で環境面は問題なし。ただし敏感肌での継続使用には注意が必要な成分です。
配合順の上位5番目に登場する石油由来固形ワックス。スティック形態を成立させる骨格成分ですが、コメドジェニック度は5/5(最高値)。皮膚表面に物理的な閉塞バリアを作るため、毛穴詰まりが気になる肌への長期使用はリスクがあります。EWGスコアは4で、生分解性も0.20と低く環境負荷も残ります。
EWGスコア分布(登録成分21個)
低スコア成分が過半数を占める一方、安定剤2成分(BHT・EDTA-2Na)が安全性評価全体を引き下げている。
「感触設計先行の日中保湿スティック。中身より"塗り心地"に先行投資した処方」
使用感スコアが唯一平均を超える一方、配合成分レベル・エイジングケア力・コスパが軒並み2点台前半。スティック形態の使いやすさと即時のなめらか感は本物ですが、それはリピジュアやトレハロースより、パラフィン・シリコーン群が主に担っています。
余談ですが、米国EWGの研究によると、経皮吸収リスクが0.7を超える成分を含む製品では、成分濃度が低い場合でも長期反復暴露の累積リスクが考慮されるべきとされています。BHTの経皮吸収リスク0.80という数値は、その観点で気に留めておく価値があります。
口コミとの照合:口コミデータが未蓄積のため直接比較はできませんが、メーカーが訴求する「ひと塗りでなめらかに整う」という使用感体験は、シリコーン多層処方という解析結果と一致しています。
使用シーン別推奨度: