解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
ライオンブランド名
プロテク(PRO TEC)容量
330ml参考価格
3495円1mlあたり
10.6円JANコード
0797142962357, 4903301162612ASIN
B004VCSLTA発売日
20110407KaisekiID
7195全成分
どうもこんにちは、解析チームです。今回はちょっと辛口でいきます。巷でよく見かける「泥配合」「リンスイン」系のシャンプー。こういう言葉に惹かれて手に取る方も多いと思うんですが、成分を見ると、出てくるのがラウリン酸、ミリスチン酸、水酸化Kというトリオ。はい、これってつまり石鹸です。
「え?泥でスカルプケアできるんじゃないの?」と期待していた方には申し訳ないんですが、実際にはこの組み合わせ、かなりアルカリ性で洗浄力の強い“石けん系ベース”なんです。感触をごまかすためにポリクオタニウム-7(帯電防止剤)がちょっと入ってますが、これは言うなれば“おまけの柔軟剤”。
仕上がりの良さで知られるアミノ酸系シャンプーや、バランスに優れたベタイン系とは一線を画す、“ゴシゴシ系洗浄”と覚えておくと良いかもしれません。
さて、石鹸系ということはアルカリ性。これ、髪にも肌にもあまりやさしくないんです。というのも、人間の皮膚や頭皮はpH4.5〜5.5の弱酸性。そこへアルカリがドンと乗ると、角質層の保湿成分(NMF)が一気に溶け出すと言われています(『Cosmetic Dermatology』2021より)。
さらに厄介なのが石鹸カス。水と反応してカルシウム塩をつくるため、洗い残しの可能性も高く、皮膚刺激やフケの一因になることも…。洗浄力はあるけど、肌に残りやすい。ラウリル硫酸Naすらマイルドに感じてしまうかもしれません。
配合されているイソプロピルメチルフェノール(IPMP)は、有効成分としてニキビやフケ原因菌に効果的な殺菌成分。この点は医学的にも根拠があります。ですが、もともと石鹸自体がアルカリで殺菌作用をもっているため、ダブルパンチで常在菌バリアもリセットされてしまう恐れがあるんですね。
特に乾燥肌・敏感肌の方にとっては、「菌も潰すけど肌もうるおいも削る」仕様になる可能性が高く、デイリーケアとして使うにはかなり強すぎる印象です。真菌性の脂漏性皮膚炎など、特定の症状がある場合には一時的に有効ですが、それ以外では「使い続けてメリットを実感できるか」は慎重に見極める必要があります。
正直に言って、「なんとなく良さそう」で選ぶにはパンチが強すぎるタイプのシャンプーです。洗浄力は強く、スッキリ感はあるかもしれませんが、地肌や髪に残るダメージの方が大きく出やすい。リンスインでも“時短で手軽”の裏にあるトレードオフは無視できません。
目的が明確な方──例えば脂漏性皮膚炎に悩んでいて、短期的に殺菌力を求めている、といったケースであれば「アリ」ですが、そうでなければ、アミノ酸系・ベタイン系といったマイルドな洗浄剤が主役になる時代に、あえて石鹸ベースを選ぶ理由は薄いと感じます。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。