様々な効果を一本に集約させようとしたシャンプー
基本的には時短シャンプーとして作られているようで、リンスインシャンプー&スカルプケア&速乾というように、オールインワン的なものを目指している節があります。
確かに内容としては、その方向性を十分に感じさせる作りになっています。ただし、そのクオリティとしてはそこまで高いとは言えないかもしれません。
様々な要素が低めに共存している印象
オールインワン的な要素を含んでいるとはいえ、どの要素も割と控えめに存在しているという印象が拭えません。
洗浄剤は良く言えばアミノ酸系でマイルドですが、洗浄力もコンディショニング効果もスカルプケア効果もどこか中途半端な設定になってしまっているような印象があります。良く言えばソフトなタッチで優しく包み込む、というような感じですが。
速乾機能についても、例えばシリコンの代替成分であるPPG3カプリリルエーテルの配合や3級カチオン界面活性剤のベヘナミドプロピルジメチルアミンの配合がそれに当たると思われますが比較的低刺激とはいえ、カチオン界面活性剤で望みを叶えようとしてしまうあたりが少し安易な感じがします。単純にジメチコンを配合するなどに比べて明らかにリスクが上昇しますし、無駄な皮膜を形成して髪に残留させれば使うたびに感触や質感が悪化していくというスパイラルに陥りかねません。
少しこのコンディショナーやトリートメントの機能も含む、という部分では無理があるような設計になってしまっていますね。
頭皮ケア機能としては、無駄に脱脂をしない洗浄剤と、大豆イソフラボンの抗酸化作用やルイボスエキス、オレンジ油の清浄効果、メントールの血行促進作用などによって多少それなりの恩恵は得られそうです。ただこれも、一般的なシャンプーと比較して際立って優れているというほどではなく、やはり控えめなないように感じます。
良くも悪くも中途半端
このように、あらゆる要素を含んでいるが、それぞれが控えめで、かつ少し無理があるような部分もあり、あえて時短のためにこのような無理を表示させる必要があるのかな、というような印象が大きいです。素直にシャンプーはシャンプー、トリートメントはトリートメント、スカルプケアはトニックなどで分けて使うほうがよほど効果が大きく、無理がなく、肌の負担も軽く済み良いことばかりなのではないでしょうか。
時間を最も重視している方にとっては、効果の大きさよりも時間の節約の方が重要で、このような製品も役に立つ可能性はあります。しかし、シャンプーとトリートメントを分けて使うぐらいの手間は惜しまない、というのであれば迷わずきちんとそれぞれの役割を果たしてくれる製品を使い分けることをお勧めします。
この製品自体、絶対使ってはいけないというレベルのデメリットがあるわけではありませんが、単純にクオリティとして良さを消しあっているような面があるので、より良いものを望めばたくさんありますよという意味で他の選択肢を考えることもお勧めします。
時短できる分、メリットが減り、デメリットが増えている印象。