解析チームです。
今回はメンズスキンケア市場の中でも、「時短・多機能・香り」で勝負をかけるBSTEPのオールインワン化粧水を徹底解析。製造は株式会社ウォークス、最近グングンと売上を伸ばしてきている注目株です。男性用の化粧水でありながら、シソ葉エキスやヒアルロン酸など、女性向け製品でもお馴染みの成分を贅沢に配合。そのうえで、アフターシェーブも兼ねるという“全部入り仕様”。本当にそこまで美味しい話があるのか？

概要

BSTEP化粧水は、2024年2月に発売された比較的新しいメンズ向けオールインワンローション。総合ランクでは689位中672位と決して上位とは言えない位置ですが、口コミ評価は驚異の4.7点／5点中と高く、売上も180日間で334本とまずまずの動きを見せています。

各種スタッツを分析すると、保湿力（2.8点）とホワイトニング（2.8点）が平均以上。一方でエイジングケア（1.9点）や素材レベル（1.8点）には課題が残ります。内容成分は33種とやや多めで、多機能処方の裏付けとも言える構成です。

一言でいえば「価格以上の機能性を感じさせるが、専門性よりも“手軽さ”に特化した商品」と言えるでしょう。市場平均と比較しても、男性の時短ニーズを強く意識した設計となっており、「洗顔後、これ一本で完結したい！」というユーザー層にぴったりです。

注目の成分

1. ラウリン酸ポリグリセリル-10
   天然由来の非イオン性乳化剤で、肌にやさしい乳化作用を持ちます。加えて、アクネ菌に対する抗菌作用があることが報告されており、ニキビケアとの相性も良好（参考：*J. Cosmet. Sci. 2006;57:1–12*）。
2. シソ葉エキス
   抗炎症作用を持つロズマリン酸や、アレルギー抑制に働くフラボノイド配糖体を含む機能性植物エキス。皮脂過多やヒゲ剃り後の赤みケアにも有効な成分です。
3. オレイン酸Na
   石鹸成分として知られていますが、乳化やクレンジング補助にも使用されます。肌との親和性が高く、軽い洗浄作用もあります。ただし、敏感肌では刺激に感じる可能性もあります。

メリットとデメリット

まず注目すべきは、使用感と香り。口コミでも「ベタつかないのにしっとりする」「甘く爽やかな鈴蘭ベースの香りが好印象」といった意見が多く、女性ウケの良い香り設計がポイント。

また、有機JAS認証のオーガニック成分（黒寿仙、DAILILU-FFなど）が8種類も含まれており、「自然派志向」のユーザーにも訴求できる構成です。さらに、ペプチド系（オリゴペプチド-68）や発酵由来エキス（サッカロミセス/ハトムギ種子発酵液など）の採用により、角層の整肌・透明感アップが期待されます。

一方、弱点もあります。スタッツ分析では、素材レベルが1.8点と低く、高機能エイジングケアの観点では非力。また、防腐剤としてフェノキシエタノールが使用されており、敏感肌ユーザーにはやや気になる部分です。

まとめると、「美容成分の“質”よりも“広さと印象”で勝負している」化粧水です。万人受けの設計を狙ったがゆえに、尖った効能を求めるユーザーには物足りないかもしれません。

まとめ

BSTEPのメンズオールインワン化粧水は、まさに「よくばり男子のための1本完結スキンケア」。シェービング後でもOK、保湿もOK、しかもいい香り。正直、“高機能”とは言い難いですが、“高満足度”は十分狙えるアイテムです。

「夜に時間がない」「いろいろ塗るのが面倒」「でも香りや質感は妥協したくない」そんなタイプには刺さる一本。オーガニック志向でありながら価格も1,820円と比較的リーズナブル。気になるのは、エイジングケア力の薄さと刺激リスクのある成分の存在。とはいえ、全体としてはバランス型の“攻めない万能タイプ”と言えるでしょう。

1. ◎：20代〜30代のメンズ、スキンケア初心者
2. ○：ナチュラル成分が好きな男性、アフターシェーブ兼用を探している人
3. △：敏感肌の方、エイジングケア重視の方