解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
DHC(ディー・エイチ・シー)ブランド名
DHC容量
480ml参考価格
2200円1mlあたり
4.6円JANコード
4511413525005ASIN
B0FMDNM9F8発売日
2025-08-14KaisekiID
10972全成分
まず注目すべきは、解析ドットコムでの総合ランキング1310位/3036製品中という位置づけです。これは上位43.2%に位置しており、市場全体で見れば中位よりやや上といったポジションになります。総合評価は5点満点中2.68点と、決して高評価とは言えませんが、興味深いのは項目別のスコアに大きなばらつきがあることです。
特筆すべきは洗浄力4.4点という高スコアで、これは業界平均の3.2点を37.5%も上回る数値です。一方で、洗浄剤の品質は2.4点と低めに留まっており、この矛盾が本製品の特徴を物語っています。つまり、「しっかり洗えるが、洗浄成分の質は平凡」という、実用性重視の設計思想が見て取れるわけです。
安全性スコアは4.1点と比較的高く、これは業界平均の3.5点を17.1%上回っています。31種類の配合成分数は、最近のトレンドである「ミニマリスト処方」からするとやや多めですが、DHCらしい「あれもこれも入れてお得感を演出」という戦略が垣間見えます。髪補修力は2.6点、保湿力は2.3点と控えめな数値ですが、これはシャンプーという製品カテゴリーを考えれば許容範囲内と言えるでしょう。
本製品の真の主役と言えるのが、通称「ペリセア」と呼ばれるこの成分です。世界初のジェミニ型両親媒性物質として開発されたこの成分は、わずか1分で毛髪内部に浸透するという驚異的な速度を誇ります。旭化成ケミカルズの研究によると、通常のトリートメント成分が毛髪内部に浸透するのに5〜10分かかるのに対し、ペリセアは60秒で同等以上の浸透率を示したとのことです。さらに、毛髪強度を最大20%向上させるという研究データもあり、ダメージヘアへの即効性が期待できます。
炭の吸着力は前述の通り1gあたり200〜400㎡という膨大な表面積によるものですが、実はこの多孔質構造は、皮脂や整髪料の残留物を選択的に吸着する特性があります。2019年の日本化粧品技術者会誌に掲載された研究では、炭配合シャンプーは通常のシャンプーと比較して、皮脂除去率が平均23%向上したと報告されています。ただし、過度な脱脂は頭皮の乾燥を招く可能性もあるため、本製品では保湿成分との組み合わせでバランスを取っているようです。
この成分は洗浄力の要となっていますが、実は業界内では賛否両論ある成分です。ラウレス硫酸ナトリウムと同等以上の脱脂力を持ちながら、植物由来であることをアピールできるため、多くのメーカーが採用しています。しかし、その洗浄力の強さゆえに、敏感肌の方には刺激となる可能性があり、本製品の安全性スコアが満点でない理由の一つとなっています。
アミノ酸系洗浄剤の中でも特にバランスに優れた成分で、味の素が開発したこの成分は、刺激性が硫酸系洗浄剤の約1/10という低刺激性を実現しています。また、タウリン系特有の泡質の良さにより、オレフィンスルホン酸の刺激を緩和する役割も果たしています。2020年の研究では、この成分を主剤としたシャンプーは、使用後の毛髪の摩擦係数を15%低減させることが確認されています。
清涼感を演出する定番成分ですが、実は頭皮の血行促進効果も期待できます。北里大学の研究によると、0.5%濃度のメントール塗布により、局所血流量が最大30%増加することが確認されています。ただし、冬場の使用では「寒い」と感じる方もいるため、季節を選ぶ成分とも言えるでしょう。
本製品の最大の強みは、「しっかり洗えて、そこそこケアもできる」というバランス感にあります。洗浄力4.4点というスコアは、整髪料を日常的に使用する男性にとっては魅力的な数値です。特に炭とオレフィンスルホン酸のダブル洗浄システムは、ワックスやジェルなどの頑固な整髪料も一度洗いで落とせる可能性が高いでしょう。
余談ですが、最近の研究では男性の頭皮は女性と比較して皮脂分泌量が約1.5倍多いことが分かっており、この観点からも本製品の洗浄力重視の設計は理にかなっています。さらに、ペリセアの配合により、強い洗浄力による髪のきしみを最小限に抑える工夫も見られます。実際、ペリセアは洗浄成分による刺激を最大40%緩和するという研究データもあります。
一方で、デメリットも明確です。髪補修力2.6点、保湿力2.3点という数値は、ダメージヘアや乾燥毛の方には物足りない可能性があります。競合製品と比較すると、例えば同価格帯の資生堂「アデノバイタル」シリーズは髪補修力で3.8点を記録しており、ケア重視の方には向かないかもしれません。
また、洗浄剤の品質2.4点という評価は、主にオレフィンスルホン酸への依存度の高さに起因しています。アミノ酸系洗浄剤であるココイルメチルタウリンNaも配合されていますが、成分表の順位から推測すると、オレフィンスルホン酸の方が配合量が多い可能性があります。これは「マイルドな洗浄」を求める現代のトレンドとは逆行する処方と言えるでしょう。
コスパの観点では2.9点と平均的ですが、480mlで2200円という価格設定は、ドラッグストアで購入できる一般的なシャンプーと比較すると約2倍の価格です。ただし、リンス不要を謳っているため、トータルコストで考えれば妥当な価格設定とも言えます。
DHCブラックコンディショニングシャンプーは、「洗浄力重視派」と「マイルド派」で評価が真っ二つに分かれる製品だと言えます。毎日整髪料を使い、夜にはしっかりと頭皮をリセットしたい男性にとっては、この洗浄力の高さは大きな魅力です。特に夏場の汗ばむ季節や、スポーツ後の使用では、炭の吸着力とメントールの清涼感が心地よい爽快感を提供してくれるでしょう。
ペリセアという優秀な補修成分を配合している点は評価できますが、それでも髪のダメージが気になる方や、カラーリングを繰り返している方には、もう少しケア力の高い製品を選ぶべきかもしれません。この製品は「髪を洗う」という基本機能に忠実でありながら、最低限のケア機能を付加した、いわば「実用車」のような存在です。高級車のような贅沢さはありませんが、毎日の通勤には十分な性能を備えています。
結局のところ、このシャンプーが合うかどうかは、あなたの頭皮タイプと求める機能次第です。「とにかくさっぱり洗いたい」「リンスは面倒」「適度なケアで十分」という方には、480mlで2200円という価格も含めて、十分に検討に値する製品と言えるでしょう。
使用シーン別おすすめ度
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。