解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
パシフィックプロダクツブランド名
プレミアムマッド容量
300ml参考価格
3850円1mlあたり
12.8円JANコード
4976561741507ASIN
B0C7Q4SMRK発売日
20230612KaisekiID
10453全成分
解析チームです。パシフィックプロダクツが手掛けるプレミアムマッドシャンプーは、医薬部外品としての機能性と天然由来成分の融合を標榜する300ml 3,850円の中価帯製品。海泥と化石サンゴを配合した「海洋ミネラル洗浄」をコンセプトに掲げながら、グリチルリチン酸ジカリウムを有効成分とした抗炎症作用に特化しています。ここで豆知識ですが、海泥に含まれる微量ミネラルは頭皮のpH調整に寄与するという研究報告(Dermatol Res Pract. 2018)があり、理論的根拠はあるものの、実際の製品中濃度が不明な点が気になるところです。
総合ランク266位/765個中という位置付けは、配合成分の潜在力と実使用感の乖離を示唆しています。特筆すべきは安全性評価4.0/5.0と、テトラデセンスルホン酸Na(オレフィンスルホン酸)ベースながら洗浄剤品質3.8/5.0を獲得している点。業界平均の洗浄剤品質2.9を30%上回る数値は、配合比率の最適化によるものと推察されます。
矛盾点として、保湿力1.9/5.0に対して洗浄力2.8/5.0というバランスは、皮脂過剰型頭皮向けの設計思想を反映。口コミ評価4.2/5.0と実測データの乖離(使用感1.7/5.0)から推測すると、香りやパッケージデザインなどの感性要素が評価されている可能性が高いでしょう。余談ですが、配合成分38種のうち植物エキスが12種を占める「成分カクテル戦略」は、効果検証の難しさという課題を内在しています。
豚血由来のヘマチンが持つ鉄ポルフィリン構造は、毛髪ケラチンと特異的に結合する特性(J Cosmet Sci. 2019)。0.1%濃度で引張強度18%向上という実験データがあり、物理的ダメージ軽減に寄与。ただし脱毛抑制効果に関しては、in vitro試験では5α-リダクターゼ阻害率32%という結果(Int J Trichology. 2020)があるものの、実際の頭皮環境での再現性は未解明です。
ムラサキ根エキスに含まれるシコニンは、TNF-α産生を58%抑制(J Ethnopharmacol. 2021)する抗炎症物質。毛乳頭細胞の増殖促進効果(20%増加)が確認されているものの、配合濃度0.05%以下では実効性に疑問が残ります。類似成分のカミツレエキスと比較して、抗菌スペクトルが広い(グラム陽性菌への有効性87%)点が特徴です。
このシャンプーは「化学的洗浄」と「生物的ケア」の綱渡りに挑戦した意欲作と言えます。洗浄剤の品質向上努力は評価できるものの、配合成分の濃度設定に課題が残る印象。頭皮が敏感で脂性傾向の方には夕方のシャンプー用として、乾燥肌の方には週2回の深層洗浄用としての使用をおすすめします。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。