一般的な日焼け止めなどと比べると、少し物足りなさを感じてしまう処方です。
肌を守るという意味では様々な解釈があるでしょうが、酸化チタンがトップに来ていることからも紫外線を防ぐという役割を重視しているのは間違いありません。
ただし、そういったUVカット効果自体は十分に期待できるほど能力があるわけではなさそうです。
機能的に働く紫外線防止剤としては紫外線吸収剤と紫外線散乱剤の合わせ技が最も効率的で合理的に働くものと知られています。お互いの長所を活かし、弱点を補い合う関係になれるからですね。
ところが、この製品はおそらくオーガニック系のこだわり、縛りがあるため役に立つ紫外線吸収剤の配合が見られません。これによって失われるのは、幅広いUVカット効果、感触の良さといった面であり、何よりも高い紫外線防止効果を期待できないというのは致命的なように考えられます。
紫外線防止効果は今一つですが、植物エキス、植物精油などを多く配合することによって抗酸化力という面でのスキンプロテクション効果や香りをつけることができています。エイジングケアという意味でのスキンプロテクション効果は多少期待できるのではないかと思われます。
紫外線散乱剤(酸化チタンやシリカなど)のみでUVカット効果を出すという製品では、単純に感触がベタついてしまうという欠点があります。そして、いわゆる白浮きが発生しやすいタイプとなります。酸化チタンがトップに来ていることからもその懸念はより大きくなりそうです。
その感触の悪さを補うために、いくつかのエステルオイルが配合されべたついた感触を少しさらっと感じさせる役割を担っています。これらのエステルオイルは毒性があるわけではないので配合自体にデメリットはほぼないと言えるでしょう。逆に言えば、植物由来にばかりこだわって作ることが正解ではないということです。エステルオイル=人工油はベタつかず、安全性が高いオイルですので、様々な成分を含有している植物オイルよりも安全性を設計しやすいということがあります。
ある種の化粧下地としては決してお勧めしないということ酷いものではありません。安全性は高く、それなりのUVカット効果や美容効果を備えています。
ただし、uVカット効果自体は本の30分や1時間程度防ぐくらいのレベルである、と認識しておいたほうがよいでしょう。美容効果自体も美容液と肩を並べるレベルではありません。言うなれば、スキンをプロテクションする効果はあまりないのです。その辺りを考慮して選択肢に入れるかどうか考えてみると良いでしょう。
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