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とてもソフトな洗浄性と、個性豊かな植物エキスが濃密に配合されたシャンプーです。
中でも、植物エキス類の潤滑性やスキンケア効果、ヘアケア能は植物エキスというイメージを超える影響力を持っています。
さて、アミノ酸系洗浄剤をベースとした内容はわりとさっぱり感がありながら低刺激系。泡立ちがやや弱そうですが、洗浄力はまずまずありそう。微量ですがココイル加水分解コラーゲンK、アルキル(C12,14)オキシヒドロキシプロピルアルギニンHClの配合は上質感さえ感じさせるでしょう。コンディショニング作用はまずまずで潤いとスムース効果を髪に残せそうです。
さらに、エキス類のチョイスが非常に独特。ヘンナエキス、カッシアイタリカ葉エキスはいずれも透明ヘンナ=ヘアマニキュア的なコーティング効果を付与するほか、高いエイジングケア効果をもつエキスをふんだんに配合しています。育毛や整肌作用は少なからず期待できそうなシャンプーです。
イヌリンのような高機能の天然界面活性剤の保湿作用あり、ゲットウ葉エキス、藍藻エキスの美容効果あり、様々な効能が織り交ぜられているようです。
このように見ていくと、わりと使えそうな印象のシャンプーのように感じられますが、なんでも植物エキスなら良いかというとそうでもない。
例えば、ヘンナエキス、カッシアイタリカ葉エキスによるヘアマニキュアのようなコーティング作用。これは、ヘナ染めを経験した方はわかるかと思いますが、しっかり髪をコーティングされるものの、自然な健康毛のタッチとはずいぶん違うものになります。ダメージ部分も健康な部分も関係なくびっしりと重々しくコーティングされるため、手触りが硬くしなやかさに欠ける仕上がりになりやすい。さらに、カラーやパーマがかかりづらくなりやすい。髪のケア剤としては実に不便な素材という見方もできます。
そして、泡立ち(粘度)がやや落ちるため洗浄の快適さが落ちやすく、さらにココイルグリシンKがアルカリ寄りを好む傾向にあるため洗浄力が低くても肌を乾燥させやすい可能性がある。この使用感や仕上がり感というのは石鹸に近い印象を受けますので、一般的なアミノ酸系シャンプーとは少し違うということを考慮すべきでしょう。
植物由来成分にこだわり抜いた姿勢というのは理解できます。ただし、ナチュラルな感触とはかけ離れてでも拘る必要があるのかという印象を受けます。素直にシリコンが入っていたほうがよほどサラッと仕上がり、自然で、安全です。ヘンナやアルキル(C12,14)オキシヒドロキシプロピルアルギニンHClで代用していますが、これらの成分のほうがシリコンよりはるかに皮膚にダメージを与える可能性は高いのですから。
そして、パラベンのような防腐剤がない点も注意が必要です。単に腐りやすくなりますし、製品がアルカリ性寄りにしていることで防腐効果を高めているとしたら単に肌や髪に良くない製品ということになります。
このようによくよく見ていくと、脇の甘さのようなものが続々と見えてきます。ある意味反面教師として、天然由来にこだわりすぎないシャンプーがいかに合理的にできているかを実感できるのではないでしょうか。