解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
メーカー
株式会社アデランスブランド名
アデランス容量
150ml参考価格
2837円1mlあたり
18.9円JANコード
4991560801199ASIN
B07QL4V58C発売日
20190411KaisekiID
11020全成分
解析チームです。毛髪研究のパイオニアとして50余年、近年では大学や研究機関との産学連携でiPS細胞を活用した毛髪再生研究にまで乗り出すアデランス。その膨大な知見が注がれたという「泡シャンプー&トリートメント」は、果たして単なる低刺激シャンプーなのか、それとも同社の研究成果が息づく逸品なのか。その実力を成分レベルで徹底的に掘り下げていきます。
このシャンプーを分析すると、その性格は一目瞭然です。全3036製品中369位(上位12%)とまずまずの位置につけていますが、特筆すべきは安全性4.7点、洗浄剤の品質4.7点(5点満点)という驚異的なディフェンス能力。これは、シャンプー界のトップディフェンダーと言っても過言ではありません。一方で、髪補修力は2.8点、育毛効果は2.2点と、攻撃面(積極的な補修や育毛)は控えめ。要するに、「頭皮への優しさを極限まで追求し、健やかな土台を守り育てる」ことに全振りした、守備特化型のエリート選手のような製品です。「リンスインシャンプー」カテゴリでは売上上位4%に入る人気も、この尖った個性によるものでしょう。
このシャンプーの核心は、洗浄成分と頭皮ケア成分の絶妙な組み合わせにあります。単に汚れを落とすだけでなく、頭皮環境そのものを育てるという強い意志を感じる設計です。
この成分こそ、本製品を単なるシャンプー以上の存在に押し上げているキーマンです。これは「プレバイオティクス」の一種で、簡単に言うと「頭皮にいる良い菌(善玉菌)のエサ」。私たちの肌には元々、表皮ブドウ球菌のような善玉菌がいて、肌を弱酸性に保ちバリア機能を維持しています。α-グルカンオリゴサッカリドは、この善玉菌を選択的に増やし、頭皮の菌バランス(マイクロバイオーム)を最適な状態に導きます。2025-2026年の頭皮ケアトレンド予測でもプレバイオティクスは主要な戦略として挙げられており、これはただ保湿するだけでなく、頭皮が自ら潤う力を育てる最先端のアプローチです。
洗浄剤の品質4.7点という高評価の源泉がこのコンビです。どちらもヤシ油由来のアミノ酸系洗浄成分ですが、役割が異なります。
「アミノ酸系シャンプー」と一括りにされがちですが、その中身はピンキリです。安価な製品では、アミノ酸系洗浄剤を少量だけ配合し、安価で洗浄力の強い成分をメインにしていることも少なくありません。この製品のように、特性の異なる高価なアミノ酸系洗浄剤を複数組み合わせているのは、コストがかかっても使用感を追求した証拠と言えるでしょう。
この成分は、医療分野でも使われるほど生体適合性が高い保湿成分「リピジュア®」です。最大の特徴は、人の細胞膜と似た構造(ラメラ構造)を肌表面に形成すること。これにより、強力な水分保持膜を作り、シャンプー後の乾燥から頭皮と髪を守ります。成分解析サイトの情報によると、ヒアルロン酸の約2倍の保湿力を持つとされ、洗い流した後もその効果が持続するのが強み。髪の補修力(2.8点)は高くありませんが、この成分が最低限のコンディショニング効果と保湿を担保しているのです。まさに、洗いながらにして肌にバリアを再構築するような成分です。
育毛剤にもよく配合される定番の植物エキスです。センブリエキスに含まれるスウェルチアマリンなどが頭皮の血行を、オタネニンジン根エキスに含まれるジンセノサイドが毛母細胞の働きをサポートし、健やかな髪が育つための土台作りを助けます。ただし、このシャンプーにおける育毛効果スコアは2.2点と低め。これは、あくまでシャンプーは洗い流すものであり、これらの成分が頭皮に留まる時間は短いためです。「発毛を促す」というよりは、「頭皮のコンディションを整えるサポート役」と捉えるのが正解です。
このシャンプーの評価は、何を求めるかによって180度変わります。その光と影を率直に解説します。
このシャンプーを一言で表すなら、「頭皮のパーソナルトレーナー」です。派手な補修技で髪を飾り立てるのではなく、地味ながらも頭皮の基礎体力(常在菌バランスやバリア機能)をじっくりと鍛え上げていく。そんなストイックな製品です。
正直なところ、シリコンたっぷりのトリートメントのような劇的なサラサラ感や、強い洗浄力の爽快感を求める人には向きません。「リンスイン」という言葉から想像される仕上がりとは、少し違うかもしれません。しかし、「繰り返す頭皮トラブルから抜け出したい」「年齢と共に頭皮の乾燥や揺らぎが気になってきた」「刺激を徹底的に避けたい」…そう考える人にとっては、これ以上ないほどの"アタリ"製品となるでしょう。
あなたのシャンプー選びの基準、まだ「洗浄力」や「指通り」だけですか?「頭皮を育てる」という新しい基準を、このシャンプーで体験してみる価値は十分にあります。これは、未来の自分の髪と頭皮への、賢い投資かもしれません。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。