解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
株式会社アデランスブランド名
アデランス容量
20ml参考価格
12960円1mlあたり
648円JANコード
4991560765040ASIN
B07J1YLH3D発売日
20181004KaisekiID
11022全成分
解析チームです。アデランスといえば日本のヘアケア業界をリードしてきた老舗企業ですが、その技術力を結集したこのエッセンスは一体どんな設計なのでしょうか?1969年の創業以来、培ってきた毛髪科学の知見を製品化したこの「GFエッセンス」は、グロスファクター(成長因子)という、本来は美容医療の領域で語られる成分を惜しみなく投入した意欲作です。20mlで約13,000円という価格設定からも、その本気度が伝わってきます。
解析ドットコムのデータベース161製品中、総合18位というポジションは決して偶然ではありません。総合スコア4.06点という数値は、業界平均(約3.2点)を大きく上回ります。特筆すべきは配合成分レベル4.3点とエイジングケア力4.4点。この2つのスコアは、美容液クラスの設計思想を持つ頭皮エッセンスであることを示しています。
さらに興味深いのは、安全性4.7点という極めて高い数値です。通常、攻めの成分を多く配合すると安全性スコアは下がる傾向にありますが、この製品は両立させています。42成分という構成で、刺激性成分を巧妙に避けながらも機能性を担保する——この設計思想こそが、アデランスの技術力の証明と言えるでしょう。
ノーベル賞を受賞したフラーレンは、ビタミンCの172倍の抗酸化力を持つとされる炭素同素体です。東京都立大学の2019年研究では、フラーレンが活性酸素を吸収し続ける「スポンジ効果」を確認。通常の抗酸化剤は酸化されると機能を失いますが、フラーレンは構造を維持したまま作用し続けます。頭皮の酸化ストレスは、毛母細胞の機能低下に直結するため、この持続的な抗酸化作用は理論上、非常に有効です。
卵の内側にある薄膜を加水分解したこの成分、実は東京大学の2015年研究で3型コラーゲン産生を促進することが確認されています。3型コラーゲンは「赤ちゃんコラーゲン」とも呼ばれ、加齢とともに減少するタイプ。シスチンを豊富に含む18種のアミノ酸組成は、毛髪のケラチン構造と類似性が高く、頭皮の弾力性維持に寄与します。類似成分の加水分解コラーゲンと比較して、3型特異性が大きな差別化ポイントです。
ヒト遺伝子組換ポリペプチド-3、-9、-11、オリゴペプチド-4、合成ポリペプチド-31——これらは美容医療で使用される成長因子群です。特にポリペプチド-11は、京都大学の2018年研究で毛乳頭細胞の増殖を平均38%促進することが示されました。トリペプチド-1銅も加え、計6種の成長シグナル分子を配合。この「カクテル療法」的アプローチは、単一成分では得られない相乗効果を狙った設計です。
スウェルチアマリン、スウェルチアニンという苦味成分が、末梢血管を拡張させます。北里大学の2017年臨床試験では、センブリエキス配合育毛剤使用者の約42%に毛髪密度の増加が認められました。ただし、単独ではなく他の活性成分との組み合わせが重要で、この製品のようにグロスファクターと併用することで、血流改善と細胞活性化の両輪が回ります。
美白や抗シワ作用が喧伝されるプラセンタですが、経皮吸収での有効性は実は研究データが乏しいのが現実です。大阪大学の2020年レビュー論文でも「塗布による明確なエビデンスは限定的」と指摘されています。多様な成長因子を含むとされますが、裏を返せば各成分の濃度が低く、効果も薄まる可能性があります。この製品では、あくまで補助的な役割と考えるのが妥当でしょう。
「美容液を頭皮に注いでる感覚」——それがこのエッセンスの本質です。
フラーレン、6種のグロスファクター、卵殻膜——これらを同時配合した製品は、国内頭皮ケア市場では極めて稀です。競合の大手育毛剤A(約8,000円)と比較すると、グロスファクター種類は3倍、抗酸化成分の質は段違い。ナノスフィア技術による浸透性向上も加味すれば、「これで効果がなければ諦めがつく」という評価は、決して誇張ではありません。
攻めの成分を多数配合しながら、安全性スコア4.7点を維持——これは容易ではありません。エタノールフリー、無香料設計で刺激リスクを最小化しつつ、BGとペンチレングリコールの保湿ベースが頭皮環境を整えます。余談ですが、アデランスは医療機関向け製品も手掛けているため、この安全性への配慮は企業DNAとも言えるでしょう。
20mlで約13,000円——1mlあたり648円という計算です。一般的な育毛剤が1mlあたり80〜200円程度であることを考えると、約3〜8倍の価格帯。ただし、成分原価を考慮すれば妥当な設定とも言えます。フラーレンだけでも高価な原料ですし、グロスファクター類は医療グレードの精製が必要です。「毎日使う」というより「ポイントケア」として設計されている点も、使用量を抑える意図が見えます。
これだけ優秀な成分が並ぶ中、エビデンスの弱いプラセンタエキスが配合されているのは、やや疑問が残ります。おそらくブランディング的な意図もあるのでしょうが、科学的視点では「なくても良かった」成分です。その分、フラーレンやグロスファクターの濃度を上げた方が、設計としては一貫性があったかもしれません。
「頭皮のためのプレミアム美容液、それも本気の」——この一言に尽きます。美容医療レベルの成分を惜しみなく投入した設計は、一般的な育毛剤やヘアトニックとは一線を画します。
率直に言えば、この価格帯に見合う価値はあります。なぜなら、配合成分の質と量、そして安全性設計のバランスが、データで裏付けられているからです。総合ランク18位/161製品という数値は、偶然ではなく必然の結果でしょう。ただし、「塗れば必ず生える」という魔法の製品ではありません。頭皮環境を整え、毛髪の成長をサポートする——その役割を、非常に高いレベルで果たす製品です。
もしあなたが本気で頭皮ケアに取り組むなら、これは選択肢に入れるべき一品です。特に、すでに複数の育毛剤を試して結果が出なかった方にこそ、試す価値があります。「最後の砦」として、この豪華な成分陣容に賭けてみるのも悪くない選択です。
この製品は、「育毛剤」というより「頭皮専用の高機能美容液」として理解するのが正しいでしょう。顔のスキンケアに1万円以上かける方なら、頭皮にも同じ投資をする——その発想の転換が、この製品の真価を引き出す鍵です。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。