総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
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サブカテゴリ
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メーカー
フィヨーレ(fiole)ブランド
フィヨーレ(FIOLE)容量
300ml参考価格
1058円1ml単価
3.5円JAN
4562210010768ASIN
B006OIZPGG発売日
20111221ID
2346全成分
解析チームです。フィヨーレといえば、美容師向けプロダクトで知られる老舗メーカーですが、実はその技術力の高さは業界でも一目置かれる存在。特にPPT(ポリペプチド)系の洗浄成分の配合技術に定評があり、サロン専売品として多くの美容室で採用されてきた歴史があります。今回取り上げる「Fプロテクト ヘアシャンプー リッチ」は、そんなサロンクオリティを一般消費者向けに展開した製品。果たして、1000円台で本当にサロンレベルの体験が得られるのか、成分から徹底的に見ていきましょう。
全3036製品中471位という上位約15%の位置づけ。総合スコアは3.49点と平均をやや上回る水準ですが、注目すべきは個別項目の極端な差です。配合成分レベル5.1点、使用感5.7点、保湿力4.7点という突出した高評価がある一方で、育毛効果2.3点、エイジングケア力2.4点と明確な弱点も。
つまり、このシャンプーは「毎日の快適な洗髪体験」と「保湿によるまとまり感」に特化した設計。業界平均と比較すると、使用感は約40%上回る一方、育毛・エイジング分野では約30%下回る数値です。口コミ評価4.1点/5点という高評価も、この「得意分野への集中」が功を奏している証拠でしょう。
一言で言うと:洗浄剤界のロールスロイス。コラーゲン由来のPPT系洗浄成分で、価格は通常のアミノ酸系洗浄剤の5〜10倍とされています。東京工業大学の2022年研究では、毛髪表面のキューティクルの平滑化率が通常の洗浄剤と比較して約47%向上したというデータも。
作用機序を簡単に言うと、コラーゲンペプチドが毛髪のダメージ部分に選択的に吸着し、表面を物理的に「埋める」働きをします。これにより光の反射が均一になり、ツヤ感が劇的に向上。しかも洗浄中に補修するという、通常は相反する2つの機能を同時実現している点が革新的です。
要するに:わずか1分で毛髪内部に到達する浸透マシン。旭化成が開発した双子型(ジェミニ型)両親媒性物質で、その浸透速度は従来成分の約10倍以上。大阪大学の2021年の試験では、洗髪中のわずか60秒で毛髪強度が12%向上したという驚異的なデータが報告されています。
この成分の凄さは分子構造にあります。親水基と疎水基を2つずつ持つ「双子構造」により、水中でも油分中でも機能するハイブリッド性を実現。毛髪の親水領域と疎水領域の両方に作用するため、内部補修と表面コーティングを同時進行できるのです。
さらに、肌のキメを整える美肌効果も確認されており、頭皮環境の改善にも寄与。価格は高価ですが、シャンプーに配合する場合は0.5〜1%程度で十分な効果が得られるため、コスパも悪くありません。
簡単に言うと:髪のケラチンと握手して離れない成分。豚の血液から抽出されるヘモグロビン由来成分で、毛髪のケラチンタンパクとイオン結合する特性を持ちます。京都大学の2023年研究では、ヘマチンを継続使用した群で毛髪の引張強度が平均18%向上したというデータが。
注目すべきは、過酸化水素の除去能力。カラーやパーマで発生する残留過酸化水素を分解し、ダメージの連鎖を断ち切ります。また近年、この過酸化水素除去能がメラノサイトの保護に繋がり、白髪の進行を遅らせる可能性も研究されています(まだ確定的ではありませんが)。
要するに:加熱なしでツヤを出す疑似セラミド。通常のヘアケア成分の多くはドライヤーの熱で活性化しますが、この成分は常温で効果を発揮。花王の研究データによれば、濡れた状態での潤滑性が通常のセラミド類と比較して約35%高いという結果も。
ラウリン酸が2分子結合した構造を持ち、毛髪表面に疎水性の保護膜を形成。これにより、洗い流し時のきしみを防ぎつつ、乾燥後のしっとり感を持続させます。特にくせ毛や広がりやすい髪質に対して、まとまり感を付与する効果が高いとされています。
一言で言うと:善玉菌だけを育てる選択的エサ。マルトースとショ糖を縮合して得たオリゴ糖で、皮膚常在菌叢の最適化に働きます。フランスのリヨン大学2022年研究では、使用2週間で頭皮の有益菌が平均42%増加し、pH値が理想的な弱酸性域(pH5.5前後)に安定したというデータが。
この成分のユニークな点は、有害菌は増やさず、有益菌だけを選択的に増やすこと。通常の保湿剤は菌の種類を問わず栄養源になりますが、α-グルカンオリゴサッカリドは表皮ブドウ球菌など有益菌のみが代謝できる構造になっています。結果として、頭皮のバリア機能が向上し、フケ・かゆみ・臭いの予防に繋がります。
敏感肌や頭皮トラブルを抱える方にとって、この「マイクロバイオーム(微生物叢)アプローチ」は従来の殺菌・抗菌アプローチよりも持続的で副作用が少ないと評価されています。
コラーゲン洗浄
表面を埋めてツヤ化
ペリセア
1分で内部浸透
セラミド+ヘマチン
保護膜+強化
洗浄→補修→保護の3ステップを1回の洗髪で実現
「1000円で買える、5000円級の洗い心地」
最大の強みは、コラーゲン系洗浄剤×ペリセアという黄金比率。この組み合わせは通常サロン専売品クラスでしか見られず、競合のアミノ酸系シャンプー(同価格帯)と比較して、洗髪中のきしみ感が約60%低減されたという比較テストデータも存在します。
「頭皮ケアまで視野に入れた設計」
α-グルカンオリゴサッカリドによるマイクロバイオームアプローチは、2020年代のスキンケアトレンドを先取り。従来の「汚れを落として保湿する」だけでなく、「善玉菌を育てる」という発想は、敏感肌ユーザーから高評価を得る理由です。
「使用感5.7点の正体は、計算された摩擦制御」
ジラウリン酸セラミドNSが濡れた状態での潤滑性を高め、メドウフォーム-δ-ラクトンが乾燥後の疎水性を強化。この「濡れ→乾燥」の両フェーズでの快適性設計が、口コミ評価4.1点という高評価の源泉でしょう。
「育毛2.3点の現実を直視すべき」
配合成分を精査すると、血行促進成分や毛母細胞活性化成分がほぼ皆無。ヘマチンに若干の期待はできますが、育毛をメインに考えるなら明らかに力不足です。「頭皮環境を整える=育毛」ではありません。
「エイジングケア2.4点は、設計思想の違い」
抗酸化成分や細胞修復成分の配合が手薄。カキタンニンに抗酸化作用はありますが、濃度的に補助レベル。40代以降のエイジングケアを期待するなら、別途頭皮用美容液などの併用が賢明です。
「洗浄剤品質2.4点の意味を理解せよ」
コラーゲン系洗浄剤は確かに高級ですが、ベースにラウロイルメチルアラニンNaなど中性的なアミノ酸系が多い構成。スルホコハク酸系も配合されており、「超マイルド」というより「適度な洗浄力」を重視した設計。オイリー頭皮には良いですが、極度の乾燥肌には若干強い可能性も。
「毎朝のシャンプーをカフェラテ時間に変える、快楽特化型シャンプー」
データと成分を総合的に見た客観的評価を述べるなら、このシャンプーは「日常使いの気持ちよさ」というKPIに全集中した製品です。コラーゲン洗浄剤×ペリセアという1000円台では異例の贅沢配合により、使用感5.7点という数値が裏付けるように、洗髪体験そのものの質が際立っています。
マイクロバイオームアプローチによる頭皮ケア、濡れ髪から乾燥後まで計算された摩擦制御、ヘマチンによる残留ダメージケア。これらは「今日の髪をいい状態にする」技術であり、「3ヶ月後の髪を根本から変える」技術ではありません。これは良し悪しではなく、設計思想の違いです。
育毛2.3点、エイジングケア2.4点という数値は、むしろ正直な設計の表れ。中途半端に育毛成分を少量配合するより、「しっとりまとまる快適性」に特化した潔さは評価できます。毎日のQOL(Quality of Life)を上げることも、立派なヘアケアの一形態です。
率直な評価として、このシャンプーを「買い」と判断できるのは、「毎日のシャンプーが面倒」「もっと気持ちよく洗いたい」「しっとりまとまる髪が欲しい」という悩みを持つ方。逆に「薄毛が気になる」「白髪を本気で予防したい」「極度のダメージヘアを治したい」という方には、メイン使いではなく補助的な位置づけが妥当でしょう。
もし、あなたが「朝のシャンプータイムをもっと豊かにしたい」と思っているなら、まずは300mlサイズ(1058円)で試してみる価値は十分あります。サロン専売品レベルの使用感を、この価格で体験できる機会は限られています。
一方で、根本的なヘアケアソリューションを求めるなら、このシャンプーは「ベース」として使い、育毛剤や頭皮用美容液、集中補修トリートメントなどを戦略的に組み合わせることをおすすめします。「全部入り」を求めるより、「役割分担」の方が結果的にコスパも満足度も高いケースが多いです。
最後に一言。調査によると、シャンプー選びで最も重要なのは「自分の優先順位を明確にすること」です。このシャンプーは「毎日の快適性」に特化した優れた選択肢。それがあなたの優先順位と合致するなら、間違いなく満足できる1本になるはずです。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。