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「最先端の研究が凝縮されたシャンプー」のベースが古典的な石鹸というのはなんとも皮肉ですが、笑ってばかりもいられません。このシャンプーは育毛がほぼ唯一の目的であり、各成分のベクトルもそちらに向いているものばかりです。
キャピキシルをはじめ、アデノシン三リン酸2Na、リシン、天然の界面活性剤ソープナッツやムクロジ果皮エキスなどで構成されています。
ムクロジ果皮
特にキャピキシルの配合はミノキシジル同様に育毛効果を大変期待させるものですね。
※キャピキシルとは、「アカツメクサ花エキス」と「アセチルテトラペプチド3」組み合わせ。ミノキシジルのような副作用の心配が少なく、研究上ではhair growth activity値が3倍という5α-リダクターゼ阻害作用、毛母細胞活性化作用が期待されます。
アカツメクサ花
さて、ここまで見ると育毛効果にかなり期待できそうな内容ですが、肝心の部分、ベース洗浄剤が「最先端」とは程遠い古典的な成分なのです。そう、石鹸ですね。
前述の清浄系エキスや他の界面活性剤も添加されてはいるものの、大部分を占める洗浄剤が石鹸というのは興味深い特徴です。石鹸ベースで作るには当然アルカリ性である必要があり、頭皮の環境を考えればあまりうれしくない事態です。というのも、アルカリに曝されることで保湿バリア成分が溶出してしまい、セラミドの合成などを阻害して頭皮を乾燥状態・悪玉菌増殖しやすい環境に変化させてしまうためです。さらには髪にとってもキューティクルが開き、バサバサとダメージしやすい状態、また乾燥状態を招きます。
こういった状態が育毛に望ましいとは考えづらいものですが。。
石鹸は殺菌作用がある。これが頭皮、育毛に良いということではない。
論理としては、皮脂や肌バリアをできるだけ除去して、エキスの浸透を良くする、という古典的な育毛剤の発想なのかもしれません。だとすれば、最先端の研究が凝縮されたシャンプーという謳い文句にはクエスチョンが付きます。また、育毛にとってベストな選択肢というのも考えづらいかなという印象です。