カテゴリ:洗い流さないトリートメント
総合ランク
総合点

1mlあたり
口コミの評価
カテゴリ内順位
成分に高リスクが検出されました
SVHC高懸念・EU規制の成分が検出されました(2件)
個人差要因皮膚感作性2件・経皮吸収28件
メーカー
ミルボンブランド
Milbon容量
120ml参考価格
2130円1ml単価
17.8円JAN
4954835290982ASIN
B06XZZP4ZW発売日
2017年3月21日ID
10458シリーズ名
エルジューダ対象の髪タイプ
普通〜太い髪・硬くゴワつきやすい髪向け公式サイト
公式サイトを見る使い方
商品説明
解析チームです。ミルボン「ディーセス エルジューダ メロウセラム」は、保湿力・使用感では圧倒的なスコアを叩き出す一方、安全性スコアが全評価の中で最低水準という、際立った二面性を持つヘアオイルセラムです。評価サイトでの口コミ評価点は4.86/5点とほぼ満点に近い高評価を集めていますが、成分データと照らし合わせると、その背景には注意すべき点が存在します。
120ml / 参考価格 2,168円 / 2017年発売
業界平均3.0を下回る(評価対象734製品中381位)
スタッツを整理すると、保湿力4.6点(業界平均比+53%)・使用感4.3点(同+43%)という高水準の指標が目を引く一方、全体的な安全性は0.2点と本評価対象全製品の中でも最低水準に位置します。エイジングケア力2.8点はやや物足りない水準、コスパは1.0点と要注意の評価です。「使った感触は圧倒的に良いが、成分構成上のリスクが無視できない」という構造です。
口コミでの評価(4.86/5点・22件)は非常に高く、「さらさらした使用感」「べたつかない」「香りが好み」という声が多数見られます。ただし後述する安全性上の懸念点は、短期使用では体感しにくい性質のリスクであるため、数値との乖離が生まれているとみられます。
本製品の安全性スコア0.2点の最大の要因がこの成分です。イソチアゾリノン系の合成防腐剤で、チオール基を持つ酵素を不活性化することで幅広い菌・カビを抑制する強力な抗菌剤です。パラベンフリー処方の代替として2000年代後半に急速に普及しましたが、皮膚感作性(接触性アレルギー)の強さが問題視されています。
欧州皮膚科学会(ESCD)の報告によると、MITは接触皮膚炎のアレルゲンとして急増しており、リーブオン製品への配合はEUでは事実上禁止されています(Annex III制限)。日本では粘膜への使用不可・配合上限0.01%のポジティブリスト成分として規制されており、CIRでも「条件付き安全(Safe with Qualifications)」の判定にとどまります。
注目すべき点は、本製品が採用するカルボキシメチルジスルフィドケラチンのジスルフィド結合とMITの相互作用リスクです。成分間の注意情報として「チオール基含有成分との拮抗」が記録されており、ケラチン成分の機能への影響も否定できません。繰り返し使用することで感作が蓄積されるリスクが報告されており(European Journal of Dermatology, 2013)、日常使いのヘアケアとしては慎重に捉えるべき処方です。
本製品の最大の差別化成分です。羊毛ケラチンのシスチン結合(ジスルフィド結合)をカルボキシメチル化(-CH₂COOH基の導入)により修飾した先進的タンパク質です。この化学修飾により通常の加水分解ケラチンでは達成できない水溶性と毛髪内部への浸透性を両立しており、ダメージ部位のシステイン残基と相互作用して構造的な補修に関与します。
一般的な加水分解ケラチン(分子量数百〜数千Da)は毛髪のコルテックス(内部)まで届きにくいという課題がありますが、CMADKはイオン性の官能基を持つことで毛髪のアニオン性ダメージ部位への選択的吸着性が向上しています。ポリクオタニウム-65との組み合わせによってダメージへの選択的吸着効果がさらに高まる設計です。
余談ですが、ミルボンの研究グループによると、CMADK(CMAジスルフィドケラチン)は毛髪が持つ本来のケラチンタンパクと同種のアミノ酸配列を保持したまま修飾されているため、異物認識されにくく持続的な吸着が期待できるとされています。これがエルジューダシリーズが美容師からの支持を集める科学的根拠の一つです。
全成分表の上位(2番目)に配置された揮発性シリコーンで、本製品の「さらさら感・べたつかない」という使用感を主導する成分です。塗布後に揮発するため残留感がなく、同時に他の有効成分(CMADK・バオバブオイル等)の毛髪への浸透を助ける溶剤・浸透助剤として機能します。
ただし環状シリコーンのD4・D5成分は環境中での生分解性が極めて低く、内分泌かく乱の懸念からEUではSVHC(高懸念物質)として指定され、Annex IIIで制限されています。日本では規制なしのため配合は合法ですが、EU基準との乖離が認識された成分です。口コミで多数報告される「さらさら感」はこの成分が使用感の主役を担っている側面があります。
アフリカ原産バオバブ(学名:Adansonia digitata)由来の2成分をオイルとエキスの両形態で同時配合している点が処方設計の巧みさといえます。バオバブ種子油はオレイン酸(C18:1)・リノール酸(C18:2)を主体とし、毛髪への親油性保護膜形成とエモリエント効果を担います。一方、加水分解バオバブエキスは酵素処理により低分子化されたムチン様多糖類・ポリフェノール・ビタミンCが主体で、保湿と抗酸化のダブルアプローチが可能です。
EWGスコア2と安全性も高水準。アルガニアスピノサ核油(アルガンオイル)も並走配合されており、オレイン酸・トコフェロール・フィトステロールによる保湿力4.6点という圧倒的スコアの処方的根拠はこれらの組み合わせにあります。
石油由来の二価アルコールで、保湿・溶剤・防腐補助の三役を担う汎用成分です。日本の旧表示指定成分(アレルギー原因になり得るとして表示義務が課された成分群)に分類されており、高濃度配合では皮膚刺激リスクが上昇します。近年はDPGやBGへの置き換えが進んでいますが、本製品はPGとDPG・BGを3成分並走配合しており、溶剤の多重化による安定性向上を優先した処方設計とみられます。
敏感な頭皮を持つ方には複数の多価アルコールの同時配合が蓄積刺激につながる可能性があります。
メチルイソチアゾリノンはチオール基含有成分と拮抗することが成分データで明記されています。本製品の核心成分であるCMADKケラチンはジスルフィド結合を持つため、MITとの相互作用が補修機能に影響する可能性が否定できません。つまり、最も効いてほしい補修成分と防腐剤が処方内で相殺方向に働くリスクがある処方設計といえます。
またアモジメチコン・アミノプロピルジメチコンとラウリルベタイン(陰イオン界面活性剤)の拮抗も記録されており、製品安定性への配慮が求められる組み合わせです。
「肌触りは一流、安全設計は要再考」の二重人格セラム
使用感・保湿力という"体感"と、防腐剤リスクという"データ"が正反対の方向を向く製品。
保湿力4.6点・使用感4.3点という体感スコアは本物です。バオバブオイル二重配合×アルガンオイル×複数アミノ変性シリコーンの組み合わせが生み出す「軽いのに潤う」質感は、成分構成に裏打ちされた実力です。ミルボン独自のCMADK(カルボキシメチルジスルフィドケラチン)はダメージ補修に対する化学的な根拠を持つ先進素材であり、この技術力は評価できます。
しかしEWGスコア8のメチルイソチアゾリノン(MIT)が配合されている事実は見過ごせません。EU基準ではリーブオン製品への使用が事実上禁止されており、低濃度の繰り返し暴露でもアレルギー感作が生じうるリスクが欧州皮膚科学会のデータで示されています。「皮膚に塗ってすすがない」タイプのアウトバストリートメントはその定義上リーブオン製品であり、この点が安全性スコア0.2点という評価に直結しています。
口コミでは「8本以上リピート」「香りが爽やか」「さらさらが続く」という高満足の声が圧倒的ですが、これらはMITによる接触感作リスクが短期〜中期では体感しにくいという性質上の乖離であり、長期リピーターほど蓄積的な感作リスクへの意識が必要です。
余談ですが、欧州消費者安全科学委員会(SCCS)の2013年評価によると、MITは洗い流さない製品(リーブオン)において0.0015%という極めて低濃度でも感作を誘発する可能性があるとされており、これが現在のEU規制の根拠となっています。日本の規制上限0.01%はこの水準の約6倍であることを念頭に置くと、規制の差異の大きさが理解できます。
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