解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
メーカー
オーシャンズワールドブランド名
OCEAN TRICO容量
400ml参考価格
1620円1mlあたり
4.1円JANコード
4580679800010KaisekiID
7260全成分
美容室OCEAN TOKYOから発売となったオーシャントリコアンサーシャンプー。日本一の美容室から発売とあって、華々しくデビューしたようですね。
中身の評価に美容室の評判や売上規模はまったく影響しないので、サロンのファンの方にとっては少々苦い解析結果になってしまうかもしれませんがご容赦ください。
シャンプーで肝心なのは洗浄剤です。これが水を除けばもっとも割合が多く、影響力最大のポイントです。オーシャントリコアンサーシャンプーのベースは、コカミドプロピルベタイン、ラウロイルメチルアラニンNa。アミノ酸系といえばアミノ酸系ですが、上質な感じのレベルではなく、どちらかといえばしっかり洗う系ですね。
コカミドDEA、ジステリアン酸PEG-150といった補助洗浄剤は、地味ですがこだわりを感じ取りやすい部分でもあります。え?こだわりを感じるかって?感じません。普通というか、凡庸です。悪いわけではありませんが、質は高くありません。
ココイルグリシンK、ココイルグリシンNaはいずれもアミノ酸系ですが、アミノ酸系にしては脱脂力が強く、刺激性も高めなため、やはり結構洗いたい、という姿勢が垣間見れます。
極めつけは、ヤシ脂肪酸アルギニン。これ、アミノ酸系洗浄剤の1つ、ではあるのですが、石けんです。アミノ酸系石けんです。
イメージ的にはアミノ酸系シャンプーはマイルドと思われがちですが、オーシャントリコアンサーシャンプーはアミノ酸系の中でも尖った洗浄性のものばかりを集めた感じで、石けんが含まれる以上アルカリ性にどうしても寄ってしまうという弱点も重なりますから、かなり脱脂力は高くなると見ていいです。
アミノ酸系らしいスムースな使用感はあるのですが、実際には使うたびに肌や髪の乾燥を招くタイプの洗浄ベースと言ってもいいでしょう。アミノ酸系のわりに(そして日本一の美容室のブランドのわりに)値段が控えめなのは、このへんの洗浄剤の質に反映されているような気がしますね。
洗浄剤の二流ぶりに比べ、添加剤は豪華な雰囲気が散りばめられています。
ナールスゲン(カルボキシメチルフェニルアミノカルボキシプロピルホスホン酸メチル)やヒトオリゴペプチド、プロテオグリカンのようなコラーゲンなどの生成促進成分、抗酸化成分、そして万能補修ケア剤のヘマチンも。
すすぎ時にスムース感を増幅させるビス(C13-15アルコキシ)PGアモジメチコンや、親和性の高い保湿剤のアミノ酸各種などを配合。ですね。
ナールスゲン、ヒトオリゴペプチド配合のシャンプーというのは珍しいですが、一見するとエイジングケアに素晴らしそうな予感がしますね。商品説明文ではこれらの成分が髪の補修に役立つ・・というような表現がなされていますが、基本的には肌のコラーゲン生成などを促進する役割で使われます。
良い成分であるのはもちろん異論ありませんが、シャンプーをして、流してしまうということを考えると果たして期待されるような補修効果を得られるのか、疑問です。よくある美容効果の研究では、塗布して何十時間、何日間と放置した結果、某かの効果がでた、というものがほとんどですから、シャンプーしたくらいで美容効果や、まして髪に補修作用を落とすということは難しいのでは。
さらに、アンサーシャンプーでは洗浄力が強めでアルカリ性寄りということも考慮する必要があるので、むしろ肌や髪のバリア成分が溶出するリスクのほうが高いような気がします。
アミノ酸11種類でダメージ補修って、アピールするほどの効果があると思えません。ありきたりな手法ですし、髪に親和性こそありますが補修するというほどの働きは期待できない。
EGF,FGF配合がダメージ補修成分?先にも指摘しましたが、無いよりはマシですが髪補修効果を期待するにはやや専門外な気がします。
紫外線吸収剤フリー、合成着色料フリーでどんな方でも安心できるヘアケア商品を目指しました。←シャンプーに含まれる紫外線吸収剤が原因で光毒性が発現した例って聞いたことありません。洗って流しちゃいますし、一般的な配合量ではまったく問題にならない気がします。合成着色料に関しても同様ですね。そこを気にするなら、洗浄剤のクオリティの方を気にした方がよほど有益だと思います。
全体の印象をまとめてみると、ちょっと微妙な洗浄剤ベースに、素材はいいがシャンプーには微妙な添加成分という感じです。
そして、全体をとおして散りばめられているのが使用感を良く感じさせる成分の投入。アミノ酸もそうですし、ヒアルロン酸、ビス(C13-15アルコキシ)PGアモジメチコン、ビス(PEG/PPG-20/20)ジメチコン、ポリクオタニウム-7といったあたりですね。
髪を本格的に補修するわけではないが、洗ってる間は潤いとなめらかさを感じさせる系の成分が多い印象です。そういう意味では、アミノ酸系石けんも同じような性格ですね。滑らかなタッチが特徴ですが、実際にはアルカリ石けんで乾燥を招くというオチです。
日本一の美容室らしいですが、美容室発のシャンプーに良品なしの原則に違わず、やや微妙な結果に終わる一品となりそうです。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。