解析結果
総合点
総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
PiLie・moブランド名
PiLie・mo容量
140ml参考価格
3960円1mlあたり
28.3円JANコード
4580567361685ASIN
B0C3H7Y1R8発売日
20230425KaisekiID
9751全成分
解析チームです。最近のクレンジング市場、もはや「汚れを落とす」だけでは消費者の心は掴めない、群雄割拠の戦国時代に突入していますよね。特にPiLie・moのような、美容医療やエステティックサロンの考え方をホームケアに落とし込むブランドの台頭は目覚ましいものがあります。彼らが送り出すこの「PILIEMO クレンジング」も、単なる化粧落としではなく、ジェルから泡、そしてクリームへと三段階にテクスチャーが変化する「三相変化」というギミックを搭載。さらに、成分を肌の奥(角層まで)に届けるためのデリバリーシステムまで組み込んでいるというから、これはもう製剤開発者の執念の結晶と言っても過言ではないでしょう。果たしてその実力は本物なのか、美容液級とまで言われるそのリッチな成分構成は、我々の肌に一体何をもたらしてくれるのか。
まず結論から。このPILIEMOクレンジング、総合ランク324製品中17位(上位5.2%)、総合評価4.24点(5点満点)という、まさに優等生と呼ぶにふさわしい数値を叩き出しています。特に注目すべきは、配合成分レベルが4.1点、全体的な安全性が4.5点、そして使用感が4.4点と、非常に高い水準でバランスが取れている点です。成分数52種というのは、業界平均と比較しても明らかに多く、美容液をそのままクレンジングにしたかのような贅沢な処方思想が見て取れます。一方で、洗浄力は3.9点と、強力な洗浄剤で根こそぎ落とすタイプではなく、マイルドな洗浄成分を基軸に、後述する独自技術で汚れを浮かせる設計思想がうかがえます。ECサイトの売上ランキングでもクレンジングフォーム部門で上位0.32%に入るなど、その人気は本物。言ってしまえば、これは「洗浄」という行為を「スキンケア体験」へと昇華させるための、意欲的な製品と言えるでしょう。単にメイクを落とすだけでなく、肌のコンディションを積極的に整えたいと考えるユーザーの期待に、数値上は見事に応えています。
まずは、このクレンジングの黒い色の秘密でもある「炭」。もはや毛穴ケアの定番成分ですが、その実力は侮れません。炭の持つ微細な孔(あな)構造による吸着力は科学的に証明されており、その表面積は炭1gあたり200~400㎡にも及ぶとされています。これは、毛穴に詰まった皮脂や古い角質、メイク汚れを磁石のように引き寄せるには十分すぎるスペックです。さらに、微粒子化された炭は穏やかなスクラブとしても機能し、肌表面のゴワつきを整えてくれます。まさに、物理的な汚れの「掃除機」と「研磨剤」の二役をこなす、頼れる存在です。
毛穴の開きや黒ずみに悩む人なら一度は聞いたことがあるであろうこの成分。その作用機序は、実は遺伝子レベルにまで及びます。肌トラブルの引き金となる転写因子「NF-κB(エヌエフカッパービー)」の働きを抑制することが研究で示唆されているのです。NF-κBが活性化すると、毛穴周りの炎症やメラニン生成が促進され、いわゆる「すり鉢毛穴」や「黒ずみ毛穴」の原因に。アーチチョーク葉エキスは、この根本原因にアプローチし、肌を引き締め、乱れたキメを整えることで毛穴を目立ちにくくする効果が期待できます。これは、単なる対症療法ではない、肌の根本を見据えたクレバーな成分選択と言えるでしょう。
来ました、この製品の技術的な心臓部です。まず「水添ホスファチジルコリン」は、私たちの細胞膜の主成分でもあるリン脂質の一種。これを使い、美容成分を閉じ込めたナノサイズのカプセル「リポソーム」を形成しています。これが、メーカーが謳う独自浸透システム「グロウスキン」の正体。肌なじみが非常によく、角層のすみずみまで効率的に成分を届けるための、いわば「運び屋」です。そして、「メチルパーフルオロイソブチルエーテル」などの自己発泡成分。これらは非常に沸点が低く、肌の温度で気化して微細な泡を発生させます。この泡が、毛穴の奥から汚れを優しく浮き上がらせるのです。この「浸透技術」と「発泡技術」のコンビネーションこそ、PILIEMOの最大の武器と言えます。
もはや説明不要の人気成分、CICA。その主役はマデカッソシドなどのトリテルペン化合物で、古くから創傷治癒に使われてきた歴史があります。近年の研究では、その優れた抗炎症作用や、コラーゲン産生をサポートする働きが数多く報告されています。クレンジングという、肌に少なからず負担をかけるステップにおいて、同時に肌荒れを防ぎ、健やかな状態へ導こうという強い意志を感じる配合です。刺激を受けやすい肌の「お守り」的な役割を果たしてくれます。
「酵素」と聞くと、なんだかすごそう、くらいのイメージを持つ方が多いかもしれません。リパーゼは、数ある酵素の中でも「皮脂」を分解するのが得意な酵素です。毛穴に詰まった角栓の主成分は、古い角質(タンパク質)と皮脂(脂質)。リパーゼは、この頑固な皮脂を分解することで、角栓を柔らかくし、排出しやすい状態へと導きます。炭が物理的に汚れを吸着するなら、リパーゼは化学的に汚れを分解するアプローチ。このダブルの働きが、スッキリとした洗い上がりに貢献しているのです。
さて、このPILIEMOクレンジングの最大のメリットは、「クレンジングでありながら、ほぼ美容液」と断言できるほどの処方の贅沢さと、それを裏付ける製剤技術にあります。まず、メーカーが謳う「キープマスク仕様」。これは、配合されている(アクリレーツ/アクリル酸アルキル(C10-30))クロスポリマーといった増粘剤が生み出す、厚みのあるジェル状のテクスチャーのことです。このクッション性の高いジェルが、まず肌への物理的な摩擦を極限まで低減。そして、肌の上でじんわりと温められることで自己発泡成分が活性化し、微細な泡が汚れを浮かせます。この一連の流れが、まるでエステのトリートメントのよう。ただ洗うのではなく、肌をいたわりながら、積極的にコンディションを整えていくという明確な意志が感じられます。
さらに、独自浸透システム「グロウスキン」の存在は、競合製品との大きな差別化ポイントです。アーチチョーク葉エキスやCICAエキスなど、せっかく素晴らしい成分を配合しても、肌の奥(角層)に届かなければ意味がありません。水添ホスファチジルコリンを用いたリポソーム技術は、これらの美容成分を確実に角層へデリバリーするための、いわば「切り札」。これにより、洗い流すアイテムでありながら、肌に残る、いや「届ける」実感が格段に高まっています。これは、一般的なクレンジングの概念を覆すほどの革新性と言えるでしょう。
一方で、デメリットを挙げるとすれば、まずその「洗浄力の立ち位置」です。スタッツが示す通り、洗浄力3.9点というのは、決して低くはありません。しかし、洗浄成分はコカミドプロピルベタインやデシルグルコシドといった非常にマイルドなものが主体。これは肌への優しさを最優先した結果であり、賞賛に値します。ですが、皮膜感の強いファンデーションや、ウォータープルーフのマスカラをがっつり使った日には、これ一本で完璧に落としきるには少々心許ないかもしれません。その場合は専用のポイントメイクリムーバーを併用するのが賢明です。また、参考価格3,960円という価格設定。これは、ドラッグストアで手に入る1,000円前後のクレンジングと比較すれば、明らかに高価です。しかし、これは単なるクレンジングではなく、「美容液」「毛穴パック」「マッサージジェル」の機能を兼ね備えた特殊アイテムと捉えるべき。その付加価値をどう評価するかが、ユーザーの満足度を左右するでしょう。
PiLie・moの「PILIEMO クレンジング」、いかがでしたでしょうか。総括すると、これはもはや「洗顔料の皮を被った、毛穴ケア美容液」です。炭や酵素で汚れを分解・吸着し、アーチチョーク葉エキスで毛穴の根本原因にアプローチし、CICAで肌を鎮める。そして、それら珠玉の成分を、リポソームという最新技術で肌の角層へ送り届ける。この一連の設計思想は、ただただ見事としか言いようがありません。毎日の面倒なクレンジングタイムが、肌と向き合う特別なスキンケア時間へと変わる。そんな体験を提供してくれるアイテムです。
もちろん、価格や洗浄力の特性から、すべての人に手放しでおすすめできるわけではありません。しかし、「何を使っても毛穴の黒ずみが改善しない」「クレンジング後の肌のつっぱり感が気になる」「スキンケアは、最初のステップからこだわりたい」。もしあなたがそう感じているのなら、このクレンジングは試す価値が大いにあります。洗浄という概念を一度リセットして、「与えながら、浮かせて、整える」という新しい発想に、あなたの肌を委ねてみてはいかがでしょうか。きっと、鏡を見るのが楽しみになるはずです。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。