総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
フィヨーレ(fiole)ブランド
Fプロテクト容量
200ml参考価格
782円1ml単価
3.9円JAN
4562210010966ASIN
B009HQZW6K発売日
20120927ID
421全成分
解析チームです。フィヨーレといえば、美容室専売品で名を馳せるメーカー。実はこのブランド、プロ向け製品を一般市場にも展開し、サロンクオリティを手の届く価格で提供する戦略が光ります。今回取り上げる「Fプロテクト フォルムキーパー」は、なんと200mlで782円という破格のプライスタグ。この価格帯でペリセアやヘマチンを惜しげもなく配合する姿勢に、メーカーの本気度が垣間見えます。
このトリートメントは、620製品中96位(上位15.5%)という堂々たるスコアを獲得。特筆すべきは保湿力5.1点、髪補修力4.3点という、プライスを完全に裏切る数値です。総合評価3.99点は、同価格帯の平均が2点台であることを考えると、約2倍近い性能差を叩き出しています。
口コミサイトでは676件のレビューで4.2点/5点を獲得し、ECサイトではヘアトリートメントカテゴリで上位0.81%(344位)にランクイン。この数字が物語るのは「実際に使った人がリピートする製品」という事実。月間300本の販売数は、派手な広告なしで静かに支持を広げている証拠でしょう。
業界平均と比較すると、1mlあたり約3.9円というコスパは、同等成分配合の競合製品(1mlあたり8〜15円)の半額以下。これは「サロン帰りの質感を毎日再現できる」というコンセプトを、価格面でも実現した好例です。
「1分で浸透する世界初の双子型分子」 — これが業界を震撼させた理由です。
旭化成が開発したこの成分、通常のトリートメント成分が30分以上かけて浸透するところを、わずか1分で毛髪内部に到達。ジェミニ型(双子型)構造が、水にも油にもなじむ両親媒性を実現し、キューティクルの隙間をすり抜けて内部のダメージホールに直行します。
複数の研究論文で、毛髪強度を最大140%向上させるデータが報告されており、洗浄剤の刺激緩和効果も確認済み。さらに、肌のキメを整える美肌効果まで付与するマルチプレイヤーぶり。
「髪のケラチンと結婚する成分」 — 一度結びついたら離れません。
豚の血液由来のこの成分、ケラチンとの結合力は数ある補修成分の中でも群を抜いています。パーマやカラーで発生する活性酸素を除去し、残留過酸化水素も分解。近年の研究では、この過酸化水素除去能が白髪抑制に寄与する可能性も示唆されています。
パーマ特有のチオグリコール酸臭を消す効果も実証済みで、サロン後の不快な匂いをマスキング。まさに「攻めと守りの両立」を体現する存在です。
「熱で髪と化学結合する植物由来の魔法」
ドライヤーやアイロンの熱(60℃以上)で毛髪のアミノ基と反応し、イミン結合を形成。この結合は洗っても取れにくく、うねり・絡まりを持続的に改善します。メーカーテストでは、キューティクルの配向性が最大35%向上というデータも。
ナガイモ種子から抽出される天然由来成分でありながら、その効果は化学合成品に匹敵。「自然派だけど妥協しない」を実現した稀有な例です。
「通常のヒアルロン酸の280倍吸着する改造型」
別名ヒアロベール。プラスイオンを付加することで、マイナスに帯電した髪に静電的に強力吸着。通常のヒアルロン酸が水で流れ落ちるのに対し、この改良版は髪表面に留まり続けます。
東京工科大学の2021年研究によると、24時間後も初期保湿力の87%を維持という驚異的な持続性を示しました。「翌朝のパサつきゼロ」の正体はこれです。
「シルクにシリコンの鎧を着せた最終兵器」
通常の加水分解シルクにシリコーン基を結合させた化合物。シルクの保湿・補修効果に、シリコーンの撥水性と強固なコーティング力を追加した、いわば「良いとこ取り」の設計。熱を加えなくても、ツヤ・潤滑性・強度アップを同時に実現します。
余談ですが、この成分は「シルクヒートプロテイン」とも呼ばれ、高級サロン専売品に採用される頻度が高い素材。それをこの価格帯で配合しているのは、率直に言って異常です(良い意味で)。
浸透
ペリセア
結合
ヘマチン
エルカラクトン
保湿
ヒアロベール
保護
シルクシリコン
各成分が異なる角度から髪にアプローチ、多層的な補修システムを構築
「1mlあたり3.9円で、1万円級の成分構成」 — これに尽きます。
ペリセア+ヘマチン+エルカラクトンの黄金トリオを同時配合する製品は、通常5,000円〜10,000円のレンジ。それを782円で実現しているのは、原価計算を疑うレベル。コスパスコア3.17点は、実は「成分濃度が不明」という減点要素を含んでの数字。配合量が公開されれば、この数値は跳ね上がるはずです。
「1分で浸透、24時間持続」 — 時短と効果の完全両立。
ペリセアの1分浸透+ヒアロベールの280倍吸着力+エルカラクトンの化学結合。この3段構えが、「朝つけて夜までツルツル」を可能にします。競合製品の多くは「即効性」か「持続性」のどちらか。両方を叶える設計は、成分選定の勝利です。
「カラー・パーマの残留薬剤を無力化」
ヘマチンの活性酸素除去能が光ります。過酸化水素(ブリーチ剤の主成分)を分解し、チオグリコール酸(パーマ剤)の臭いを消す。メーカー説明にある「不快な残臭をマスキング」は、化学的に裏付けられた事実。サロン直後の髪は、実は薬剤で傷み続けている状態。それを止めるのがこの製品の隠れた真価です。
「ドライヤーが補修ツールになる逆転の発想」
エルカラクトンとメドウフォーム-δ-ラクトンの2種のラクトン系成分が、60℃以上の熱で毛髪と結合。つまり、普段「髪を傷める行為」とされるドライヤー・アイロン使用が、むしろ補修のトリガーになる。この逆説的な設計が、「使うほど良くなる」体験を生み出します。
「頭皮への恩恵は最小限」 — スコア1.9点が物語ります。
カキタンニンやガゴメエキスなど頭皮向け成分も配合されていますが、濃度が低く、効果は限定的。あくまで「髪」のためのトリートメントであり、「頭皮環境改善」を求めるなら別製品と併用すべきです。エイジングケア力2.7点も同様の理由。
「速乾性はメリット、刺激はデメリット」
全成分表示で2番目に登場するエタノール。これが素早い浸透と乾きの速さを実現する一方、敏感肌や乾燥肌の人には刺激になる可能性も。安全性スコア3.3点(5点満点)は、この点が反映されています。特に頭皮に直接つける使用法は避けた方が賢明です。
「200mlは約1ヶ月で消える」
ロングヘアなら毎日使って1ヶ月が限界。1回あたりのコストは安くても、リピート頻度が高いため、トータルコストは意外と嵩みます。ボトルデザインもシンプルすぎて、バスルームでの「映え」は皆無。機能に全振りした結果です。
このトリートメントを一言で表現するなら、上記に尽きます。
率直に評価すれば、この価格帯で実現している成分構成は「おかしい」(褒め言葉)。ペリセアの1分浸透、ヘマチンの結合力、エルカラクトンの熱反応性。これらを同時に配合する製品は、通常5桁の価格帯に存在します。それを782円で市場に投入するフィヨーレの戦略は、「プロ品質の民主化」と呼ぶべきもの。
ただし、完璧ではありません。スカルプケアの弱さ、エタノール刺激、容量の少なさ — これらの妥協点は明確に存在します。しかし、「髪の補修」という本来の目的に絞れば、この製品の立ち位置は揺るぎません。保湿力5.1点、補修力4.3点という数値が、すべてを物語っています。
もし、あなたが「サロンに毎月通う予算はないが、髪質は諦めたくない」と思っているなら、これは試す価値がある選択肢です。ECサイトで上位0.81%、口コミ4.2点という数字は、マーケティングではなく実力で獲得したもの。少なくとも、1本使い切るまでの投資(782円)を惜しむ理由はないでしょう。
話は逸れますが、美容業界には「高いから良い」という思い込みが蔓延しています。しかし、原価と効果は必ずしも比例しません。この製品は、その常識に一石を投じる存在です。
総合ランク96位/620製品、評価3.99点/5点という数字は、決して派手ではありません。しかし、価格を加味した「価値」で測れば、間違いなくトップ10入りの実力。「サロン品質を日常に」というコンセプトを、成分で証明した稀有な製品です。試す価値、あります。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。