総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
サラサラ感
特に優れた素材
注意が必要な素材
香り
サブカテゴリ
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メーカー
株式会社アイナブランド
アイナボーテ容量
400ml参考価格
3850円1ml単価
9.6円JAN
4573313770077ASIN
B01J1N9CNC発売日
20160725ID
5566全成分
解析チームです。株式会社アイナが2016年に発売して以来、ヘアケア市場にその名を刻み続ける「PPTコラーゲン&シルクシャンプー」。なぜ発売から数年が経過した今もなお、3000を超える製品群の頂点に君臨し続けているのでしょうか?「アミノ酸系を超えた」と謳われるPPT(ポリペプチド)洗浄成分という、当時の常識を覆すコンセプトは、一体どれほどの実力を持つのか。今回は、その圧倒的な性能と、高評価の影に隠された意外な側面、つまり「落とし穴」まで、徹底的に掘り下げていきます。
結論から言うと、このシャンプーは規格外です。当解析サイトに登録されている3036製品中、総合ランク1位という結果が、その事実を何よりも雄弁に物語っています。通常、5点満点で評価される各項目において、総合点5.56点、配合成分レベル7.3点、安全性7.3点と、採点システムの限界を軽々と超えるスコアを叩き出しているのです。
一般的な高品質サロンシャンプーの平均スコアが3.5〜4.0点であることを踏まえると、この製品はその平均を40%以上も上回る、まさに異次元の存在と言えます。これは単なる「良いシャンプー」という評価では収まりきりません。客観的なデータは、この製品がヘアケアの歴史における一つの到達点であることを示唆しています。
このシャンプーの全成分表示は、まるで映画のオールスターキャストのようです。今回はその中でも特に、物語の結末を決定づけるほどの力を持つ"主役級"の成分を4つに絞って、その作用機序を深く掘り下げていきましょう。
「洗うほどに補修する、矛盾を解決した洗浄剤。これがPPTの実力。」
このシャンプーの根幹をなすのが、PPT(ポリペプチド)洗浄成分です。これは、髪の主成分であるケラチンタンパク質と同じ「タンパク質」で髪を洗うという、革新的なコンセプトに基づいています。一般的な洗浄剤が汚れを"剥がし取る"のに対し、PPT洗浄成分は、洗浄と同時にダメージによってできた髪の空洞(ダメージホール)に選択的に吸着し、失われたタンパク質を補う働きをします。要するに、洗うという行為そのものが、トリートメントになるのです。
科学的に見ると、ヘアカラーやパーマで傷んだ髪は、表面の脂質層(18-MEA)が失われ、プラスの電荷を帯びやすくなり、親水化します。これが、髪のきしみや絡まり、パサつきの直接的な原因です。これに対し、マイナスの電荷を持つアニオン性のPPT洗浄成分は、ダメージ部分に効率よく吸着。髪表面に疎水性のバリアを再構築することで、キューティクルを整え、なめらかさと自然なツヤを取り戻します。これは、近年の毛髪科学研究でも支持されているメカニズムです。
メーカーの商品説明にもある通り、これらのPPT洗浄成分は、高級シャンプーの代名詞であるアミノ酸系洗浄成分と比較しても、約2.5倍も高価な原料です。洗浄成分にこれほどのコストをかけるという判断自体が、この製品の思想を物語っています。まさに贅沢の極みと言えるでしょう。
「1分で髪の芯まで届く、ヘアケア界の特急便。」
次に注目すべきは、旭化成が開発した世界初の「ジェミニ(双子)型」両親媒性物質、通称ペリセアです。この成分の最大の特徴は、その驚異的な浸透スピードにあります。一般的な補修成分が髪の表面をコーティングするに留まることが多い中、ペリセアは塗布後わずか1分という極めて短時間で毛髪内部のコルテックス層まで浸透。髪の強度、太さ、水分量を内部から改善します。シャンプーのような洗い流す製品に配合されても、その効果を十分に発揮できるのは、この速効性があるからです。
その卓越した浸透性能は、株式会社コーセーの研究によっても客観的に裏付けられています。この研究では、ダメージを受けたまつ毛に対してペリセアを作用させた結果、アミド結合に由来するピーク強度が向上し、成分がまつ毛内部にまで浸透していることが示されました。髪の毛よりも細いまつ毛の内部にまで届くという事実は、ペリセアがいかに優れた浸透力を持つかを証明しています。これは、表面的な手触りの改善だけでなく、髪の根本的な強度回復を目指せることを意味します。
「カラーのダメージを"無かったこと"にする、髪のデトックス成分。」
ヘマチンは、一見すると地味な存在に思えるかもしれません。しかし、その本質的な価値は、特にヘアカラーやパーマを繰り返す髪にとって計り知れません。ヘマチンは、髪のケラチンタンパク質と強力に結合し、髪にハリとコシを与える基本的な補修効果もさることながら、真価は「残留物除去能力」にあります。ヘアカラー剤やパーマ剤に含まれるアルカリや過酸化水素は、施術後も髪や頭皮に残留し、ダメージや老化を進行させる一因となります。ヘマチンは、これらの有害な残留物を補足し、無害化する「デトックス」のような働きをします。
さらに、近年では白髪との関連性も注目されています。2009年に発表されたFASEB Journalの研究を皮切りに、白髪の一因が毛根での過酸化水素の蓄積であることが示唆されています。ヘマチンがこの過酸化水素を効率的に除去する能力を持つことから、白髪の進行を遅らせる一助となる可能性が期待されているのです。これは、単なるダメージケアに留まらない、未来の髪への投資とも言える機能です。
「攻め(成長促進)と守り(脱毛抑制)の二刀流。スカルプケアの完成形。」
キャピキシルは、スカルプケア成分の中でも特に完成度の高い複合原料です。その作用は、「攻め」と「守り」の二つの側面から成り立っています。
まず「守り」を担うのが、アセチルテトラペプチド-3です。このペプチドは、毛包の土台となる細胞外マトリックス(ECM)の修復を促し、髪の毛が抜けにくくなるよう、しっかりと固定する働きがあります。いわば、髪の"根"を強くする役割です。
一方、「攻め」を担うのがアカツメクサ花エキス。このエキスは、男性型脱毛(AGA)の主な原因物質であるDHT(ジヒドロテストステロン)を生成する酵素「5αリダクターゼ」の働きを阻害します。特に、脱毛への影響が強いとされるⅡ型の5αリダクターゼを抑制する効果が報告されており、脱毛の根本原因にアプローチします。
巷で聞かれる「ミノキシジルの3倍」という謳い文句は、特定の条件下での細胞実験の結果を指すものであり、直接的な発毛本数を比較したものではありません。作用機序が異なるため単純比較はできませんが、ホルモンへのアプローチと毛包修復という独自性で、特にエイジングによる薄毛や抜け毛に悩む層に新たな選択肢を提示していることは間違いありません。
このシャンプーには、他にも抗酸化作用や皮脂コントロールが期待できるザクロ果皮エキスも配合されており、スカルプケアへの並々ならぬこだわりが感じられます。
「成分表が"課金アイテム"だらけ。シャンプーの域を超えた、まさに髪と頭皮への投資。」
このシャンプーの最大のメリットは、その圧倒的な「コンプリート性能」にあります。これまで解説してきた主役級の成分が、惜しげもなく一つの製品に凝縮されているのです。PPT洗浄成分による「洗浄&補修」、ペリセアによる「内部補修」、ヘマチンによる「ダメージデトックス」、そしてキャピキシルによる「本格スカルプケア」。これらが相乗効果を生み出し、ダメージケア、エイジングケア、スカルプケア、さらには白髪ケアの可能性まで、髪と頭皮のあらゆる悩みに多角的にアプローチします。解析スタッツの「髪補修力5.4点」「スカルプケア力6.1点」という異常値が、その性能を裏付けています。これはもはやシャンプーではなく、"洗う髪の美容液"と呼ぶべきものです。
しかし、これほど完璧に見える製品にも、光が強ければ影が濃くなるように、見過ごせない「落とし穴」が存在します。
落とし穴①:オーバースペックという贅沢な悩み
「最強すぎて、使い手を選ぶ。健康毛には"過剰スペック"という名の重荷になる。」
このシャンプーの非常に高い補修力は、諸刃の剣でもあります。ダメージの少ない健康な髪の人が使用すると、補修成分が過剰に付着し、かえって髪が重くなったり、ベタつきを感じたりする可能性があります。また、洗浄力は2.6点と非常にマイルドに設計されているため、普段からワックスやオイルなどのスタイリング剤を多用する人にとっては、洗浄力不足を感じるかもしれません。このシャンプーは、"助けを必要としている髪"にこそ、その真価を発揮するのです。
落とし穴②:酸化銀の諸刃の剣
「銀イオンの刃。その殺菌力は、時に味方である常在菌にまで牙を剥く。」
配合されている「酸化銀」は、高い殺菌作用を持ち、頭皮の臭い対策には有効です。しかし、その作用機序である「酸化触媒作用」は、長期的な視点で見ると、頭皮の健康に必要な善玉菌(皮膚常在菌)のバランスを崩し、かえって頭皮のバリア機能を低下させるリスクがゼロではない、という点が専門的な視点からの懸念事項です。ほとんどの人にとっては問題にならないレベルの配合量と考えられますが、特に肌が非常にデリケートな人や、長期連用を考える上では、頭の片隅に置いておくべき「隠れた論点」と言えるでしょう。
落とし穴③:価格という現実の壁
「価格は正直。毎日使うには"覚悟"がいる。」
400mlで3,850円(参考価格)という価格設定。その驚異的な成分構成を考えれば、むしろコストパフォーマンスは高い(5.6点)と評価できます。しかし、シャンプーという日用品として捉えた場合、誰もが気軽に手を出せる価格でないことも事実です。その効果を実感するためには、継続使用が望ましいことを考えると、この価格は多くの人にとって現実的な壁となり得ます。
このシャンプーを一言で表現するならば、「髪と頭皮に捧げる"フルコースディナー"」です。前菜からデザートまで、最高級の食材(成分)を用いて完璧に組み立てられた、毎日がサロン帰りのような仕上がりを期待させる一本です。
成分構成、コンセプト、そして解析サイトでの実績。どれを取っても、これまでの解析史上で最高レベルであることは疑いようがありません。特に、「髪のダメージやエイジングに本気で向き合いたい」と考える人にとっては、これ以上ない"終着点"となりうる製品だと評価できます。
ただし、デメリットで述べた通り、そのハイスペックさ故に、すべての人に無条件で推奨できるわけではありません。健康な髪にはトゥーマッチであり、価格も決して安くはない。これは、「自分の髪の状態と悩みを正確に理解している玄人が選んでこそ、その真価を120%発揮するシャンプー」なのです。
もしあなたが、ドラッグストアの棚の前で悩み、数々のヘアケア製品を渡り歩いてきた"ヘアケア難民"であるならば、一度この"終着点"を試す価値は十分にあります。それは単なるシャンプーという日用品の購入ではなく、あなたの髪の未来を変える"体験"になるかもしれません。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。