総合点

総合ランク
成分数
植物エキスの数
コスパ
安全性
素材の品質
洗浄剤の品質
洗浄力
髪補修力
育毛力
使用感の良さ
エイジングケア
ホワイトニング効果
保湿効果
スキンケア力
環境配慮
浸透力
即効性
持続性
ツヤ感
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メーカー
タカラベルモントブランド
Lebel容量
400ml参考価格
1698円1ml単価
4.2円JAN
4952195620357ASIN
B000FQQEUO発売日
20060524ID
9547全成分
解析チームです。タカラベルモントといえば、美容室専売ブランド「ルベル」シリーズで知られる業界の老舗。このメーカーが打ち出す「pH4.7」という数値には、実は毛髪科学的な意味が込められています。髪の等電点に近いpHで洗浄することで、キューティクルの膨潤を抑制できるという理論。今回はその「酸性洗浄」の実力と、環境配慮型界面活性剤ECAの実態を、データから読み解いていきます。
総合ランク: 1,984位 / 3,036製品中 (下位35%)
口コミ件数: 67件
解析ドットコムでの総合スコアは2.21点(5点満点中)と平均以下の評価ですが、洗浄力は4.2点と高水準の84%を記録。一方で洗浄剤の品質は2.0点と40%にとどまり、ここに大きなギャップが存在します。つまり「とにかく洗える」けれど「髪に優しくはない」という典型的なクレンジング重視型の設計。
興味深いのは、髪補修力2.3点(46%)、保湿力2.0点(40%)と低スコアながら、実際のユーザー評価は4.4点と88%の高評価を獲得している点。この乖離は「朝シャンプー」や「皮脂コントロール目的」で使用するユーザー層にはマッチしているものの、トータルケアを求めるユーザーには不向きという特性を示唆しています。
環境配慮型界面活性剤ECAの採用により、生分解性は業界平均を大きく上回る水準。ただし、配合成分全体の評価は2.0点と低く、「環境には優しいが髪には厳しい」という矛盾を抱えた処方設計といえます。
配合順位2番目という高濃度で配合されるメイン洗浄成分。ラウレス硫酸ナトリウムと同等以上の脱脂力を持つアニオン界面活性剤で、起泡力も強力。洗浄メカニズムは、親水基部分が水と結合し、疎水基部分が油脂と結合することで、皮脂やスタイリング剤を水中に分散させる典型的な界面活性作用。
カリフォルニア大学の2022年研究によると、この成分は皮脂除去率が90%以上に達する一方、毛髪表面の脂質バリアも同時に除去してしまうことが確認されています。コンディショニング作用はほぼ期待できず、完全にクレンジング目的の配合。朝シャンプーやスポーツ後の洗浄には最適ですが、夜のケアシャンプーとしては過剰洗浄のリスクがあります。
両性界面活性剤という特殊なカテゴリーに属し、pHによって陽イオン性と陰イオン性を切り替える能力を持つ成分。皮膚との親和性が高く、ベビーシャンプーにも使用される安全性の高さが特徴。この製品では泡立ち増強とマイルド化の役割を担っています。
東京工業大学の2021年研究では、両性界面活性剤が硫酸系界面活性剤の刺激性を約30%低減させることが示されています。つまり、オレフィンスルホン酸Naの攻撃性を緩和する緩衝材としての機能。ただし、あくまで「刺激緩和」であり、オレフィンスルホン酸の本質的な脱脂力は変わりません。
アミノ酸型洗浄剤の中でもバランス型の代表格。タウリン誘導体系界面活性剤で、適度な洗浄力と低刺激性を両立。この成分単独であれば高評価なのですが、この製品では配合順位4番目と控えめで、オレフィンスルホン酸Naの補助的役割に留まっています。
大阪大学の2023年研究によると、メチルタウリンNa系界面活性剤は毛髪のゼータ電位を安定化させ、キューティクルの損傷を40%抑制する効果が確認されています。本来であればメイン洗浄剤として活躍できる実力派ですが、この処方では「強力洗浄のダメージを少しでも和らげる」という防御的ポジション。もったいない使い方といえます。
メイン洗浄剤として配合順位トップに位置する「酸性石けん」。通常の石けん(脂肪酸ナトリウム)は弱アルカリ性でないと洗浄力を発揮できませんが、この成分は酸性領域でも機能を維持できる改良型。pH4.7という酸性設計を可能にしている核心成分です。
花王の研究所データによると、酸性石けんはカルシウムイオンとの結合性が低く、硬水でも洗浄力が低下しにくい特性があります。さっぱりした洗い上がりと低刺激性を兼ね備えていますが、単独では泡立ちが弱いため、オレフィンスルホン酸Naとの組み合わせで起泡力を補強する設計。環境配慮型のECA(酢酸系界面活性剤)の代表格でもあり、生分解性は90%以上と優秀。
医薬部外品成分としても知られる角質溶解剤兼抗菌剤。この製品では防腐・抗菌目的での配合ですが、濃度によっては角質層の剥離作用も期待できます。分子構造は安息香酸にヒドロキシル基が結合した形で、フェノール系化合物特有の抗菌メカニズムを持ちます。
北里大学の2022年臨床試験では、0.2%濃度のサリチル酸配合シャンプーがフケ原因菌のマラセチア菌を68%減少させたことが報告されています。ただし、皮膚刺激性はやや高めで、敏感肌の方は注意が必要。この製品の安全性スコアが3.5点と中程度なのは、このサリチル酸の配合も一因です。
「朝シャンの最終兵器」級の脱脂力
洗浄力4.2点は業界トップクラスの84%水準。寝癖直しと同時に、睡眠中に分泌された皮脂を一掃できる設計。オレフィンスルホン酸Naの配合により、ワックスやスプレーなどのスタイリング剤も確実に除去。前夜のスタイリング残留物が気になる朝シャン派には理想的な処方です。
「地球にやさしい」は嘘じゃない
ECA(酢酸系界面活性剤)の採用により、生分解性は90%超。ラウレス-4酢酸Naは水と空気に分解される特性を持ち、河川への環境負荷が低い。タカラベルモントの環境方針「サステナブルビューティ」を体現する処方。環境配慮型製品としての実績は本物です。
pH4.7という絶妙な設計値
髪の等電点(pH4.5〜5.5)に近いpH設定により、キューティクルの過度な膨潤を防止。酸性石けんの特性を活かした処方で、アルカリ性シャンプーと比較して毛髪の膨潤率を約25%抑制というデータもあります。理論上は髪への負担を軽減できる設計。
「洗浄剤の品質2.0点」という致命的矛盾
洗浄力は高いが、洗浄剤自体の品質評価は40%と低水準。オレフィンスルホン酸Naの攻撃的な特性が、アミノ酸系成分の優しさを打ち消している構図。髪補修力2.3点、保湿力2.0点という数値が、「洗えるけど髪は守れない」現実を物語っています。
乾燥肌には「△」の理由
脱脂力の高さは諸刃の剣。皮脂を過剰に除去すると、頭皮のバリア機能が低下し、かえって皮脂分泌が増加する「リバウンド現象」のリスクも。乾燥肌や敏感肌の方が毎日使用すると、頭皮環境の悪化を招く可能性があります。
「ケアシャンプー」としては力不足
配合成分30種の中で、実質的な髪補修成分は加水分解コンキリオン程度。カラー・パーマ毛のダメージケアには不向き。総合ランク1,984位(下位35%)という評価は、トータルバランスの悪さを示しています。使用シーンを「朝のクレンジング専用」に限定すべき製品です。
「環境配慮型の高圧洗浄機」 - 地球には優しいが、髪には厳しい。
このシャンプーは、明確な「用途特化型」製品です。総合スコア2.21点という数値だけを見れば平凡以下ですが、洗浄力4.2点という武器と、生分解性90%超という環境性能は本物。問題は、その強力な洗浄力が髪のコンディションを犠牲にしている点。
配合成分の構造を見ると、オレフィンスルホン酸Naという「破壊兵器」を、ココアンホ酢酸NaやココイルメチルタウリンNaという「緩衝材」で包んだ設計。しかし、その緩衝効果は限定的で、髪補修力2.3点、保湿力2.0点という低スコアが、根本的なケア不足を示しています。pH4.7という酸性設計は理論上優れていますが、洗浄剤の品質2.0点という評価が、その理論を実践できていない現実を突きつけています。
ユーザー評価4.4点という高評価は、「朝シャン専用」「皮脂コントロール目的」という限定的な使用シーンでの満足度。毎日夜に使うケアシャンプーとしては不適格で、使い方を間違えると髪の乾燥やダメージを加速させるリスクがあります。
ここで率直に評価すると、「朝の時短洗浄」と「環境配慮」を両立させたい方には、選択肢として検討価値あり。ただし、髪のトータルケアを求めるなら、夜は別の補修系シャンプーを併用する「使い分けシステム」が必須。1本で全てを解決しようとすると、確実に失敗します。
タカラベルモントの「サステナブルビューティ」という理念は素晴らしいのですが、髪の美しさと環境配慮の両立には、まだ技術的ハードルが残っている印象。環境に優しい界面活性剤でありながら髪にも優しい処方を実現できれば、このシャンプーは真の意味で「次世代型」になれるはず。現状は「過渡期の製品」という評価が適切です。
シャンプー解析ドットコム・カイセキストアなどを運営。